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フィリップス/ブラウンの違いをチェック

平成シェーバー探検記(前編)“ひげ剃り” に対する各社の考え方・アプローチの違いとは

公開日 2016/05/17 11:00 多賀一晃(生活家電.com)
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男性諸兄はほぼ毎日おこなっているであろう「ひげ剃り」。電気カミソリやシェーバーなどが様々なメーカーから出ているが、どんなものを使っていらっしゃるだろうか? 実は各社製品にはそれぞれ技術的な違いや、ひげ剃りに対する考え方の違いがあり、比べてみると面白いのだ。

元々ひげ剃りで用いられてきたのは、未だに床屋で使われている切れ味抜群のカミソリ。多くの場合、ひげ剃りは時間のない朝に行われるが、急いでいると手元が狂い顔も切ってしまう。このために生まれたのが「安全カミソリ」だ。しかしカミソリ類は、お湯で顔を蒸らして肌を柔軟に、ひげを少々柔らかめにして、シャボンを付けて剃る。このウェットな環境を作り出すのには、時間が掛かる。

そこで、何とかしてドライ環境下で短時間に剃れないか?ということで生み出されたのが「電気カミソリ」だ。基本構造は、メッシュ刃の穴からのぞいたヒゲを、高速で動く刃でカットする。この考え方は今でも変わっていない。

貴重な朝の時間を確保することに成功したシェーバーは、たいていの男性が生涯使用する小道具のひとつとなった。

今までよく言われてきたのは「その人に合うシェーバーは、その人の肌の強さで決まる」ということ。これはドライ環境ならではの話。要するに肌もひげも硬い状態で切るわけだから、深剃りをすればするほど肌を傷めやすい、というわけだ。

その時、まことしやかに言われていたのは、『肌にやさしい=フィリップス<日立、パナソニック<ブラウン』という図式だ。これはつまり『深剃りが効く=ブラウン>パナソニック、日立>フィリップス』と同じこと。

で、時は平成の御代。風呂場などのウェット環境でも使える、清潔に保つための洗浄機が付いている…などの機能を持ったモデルが色々登場している。しかし、シェーバーの本質はドライ環境で「肌にやさしく、深剃りが効く」ことなのだ。

実は、今の全てのメーカーはこの命題をクリアしていると言っても過言ではない。理由は2つ。「ヘッドを巨大にし、接触面積を確保することにより、肌と刃の位置を正確にコントロールできるようにしたこと」と、「刃の形を正確に薄く作ることにより、ひげをひっかからず切断できるようになった」ためである。

では何を買っても同じかというと、さにあらず。オーディオ各社で音の差があるようなものだ。今だからこそ、各メーカーの違いが「すごーく」出ていると言ってもいい。そこで今回、フィリップス、ブラウン、パナソニック、日立の違いを紹介してみたいと思う。

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