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“総合音楽鑑賞ソフト”Roonの「いま」と「これから」を、創業者とのやりとりから紐解く
――現在、Roonのユーザーは世界中でどれくらいいるのでしょうか? そのうち日本のユーザーはどれくらいでしょうか?
Vandermeer ユーザーは世界で13万人以上。北アメリカ、ヨーロッパ、アジア・パシフィックがそれぞれ大まかに三分の一ずつを占めています。
日本では2,000人以上の課金ユーザーがいます。日本のユーザー数に関して満足はしていますが、まだまだ大きな可能性を感じますし、潜在的なユーザーにもRoonを届けたいと考えています。
この問いはRoonの行く末を考える上で、筆者自身、常日頃気になっていたことだ。そして全世界で13万人という答えはなかなか驚くべきものだろう。実際にRoonの事業は順調に拡大しているようで、「突然Roonをやめるなんて事態にはならないから安心して欲しい」との話もされた。
一方で日本における2,000人という数字(註:2019年10月末時点でのユーザー数)が、はたして再生ソフトのユーザー数として多いのか少ないのかは正直なところ筆者には判断しかねる。とはいえ、Roonの創業者から日本市場に対する前向きな言葉を聞けたことは、2015年の段階からRoonの魅力をさかんに発信してきた筆者にとって、大きな喜びでもあった。
なお、Roonとしては各種アップデートを継続的に行う原資としての意味合いやユーザーとの関係性の構築といった観点から、これからRoonを始めるユーザーには買い切り(Lifetime Membership)ではなく年間サブスクリプション(Annual Membership)を推奨するとのこと。この意向を反映してか、買い切りの価格は先日499ドルから699ドルに値上げされた。
Roonは再生ソフトだけでなく「サービス」という側面も持ち、「サービスを利用する」という形で、当初からサブスクリプションの価格モデルを採用してきた。「1年で119ドル」という価格は、それだけ見ると結構な額に思えるが、ひと月換算では約10ドルと、得られる体験の質からすれば十分に納得のいくものだ。だからこそ、Roonは世界中で13万人ものユーザーを獲得できたのである。