HOME > レビュー > モバイルバッテリー、効率で選ぶなら「直列タイプ」が良いかも

【連載】ガジェットTIPS

モバイルバッテリー、効率で選ぶなら「直列タイプ」が良いかも

公開日 2020/08/06 06:40 海上忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
モバイルバッテリーを選ぶとき、何を基準にしていますか?「mAh」や「Wh」で表される放電容量や電力、色やデザイン、最近ではUSB PD対応の有無がその代表格ですが、「効率」はあまり話題に上りません。

多くのモバイルバッテリーは、内部にリチウムイオンの電池パック(バッテリーセル)を1 - 2本格納しており、そのバッテリーセルの出力電圧は1本あたり約3.7V。USBの出力電圧は5V固定ですから、バッテリーセル1本の場合は3.7V→5Vに昇圧するための部品(DC-DC変換器)が必要になります。

モバイルバッテリーで充電中のイメージ

一方、バッテリーセル2本を内部で直列につなぐモバイルバッテリーも存在します。その出力電圧は3.7V+3.7V=7.4Vになりますから、USBの出力電圧にあわせるためには7.4Vから5Vへ降圧させるDC-DC変換器が必要になります。

昇圧と降圧のどちらが効率的かというと、それは「降圧」です。昇圧させるときは一般的に10 - 15%程度の電力ロスを伴いますが、降圧させるときはそこまでのロスは発生しません。水を低いところから高いところへ移動させるときには多大な労力を要しますが、高いところから低いところへはただ流すだけということと少し似ています。

ただし、大半のモバイルバッテリーは、パッケージに複数のバッテリーセルを直列につないでいるかどうかを明記していません。稀に「定格容量:◯◯◯◯mAh 7.4V/◯◯.◯Wh」(7.4Vの部分は製品ごとに多少変化します)などと、直列につないでいることを伺わせる製品もありますが、機種選定の基準にはしにくいのが現状です。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE