6月6日の開催間近
人気アプリ開発者に聞く、アップル「WWDC 22」に注目すること
■iPhoneとCarPlayによる快適ドライブを徹底追求
地図ポータルサービスのNAVITIME(ナビタイム)を提供するナビタイムジャパンは、iPhoneにも対応する多種多様なモバイルアプリを開発・展開している。「カーナビタイム」アプリを担当する深山将太氏、坪内征悟氏を取材した。
カーナビタイムはiPhone/Androidに広く対応する自動車用カーナビアプリだ。カーナビやカーオーディオにiPhoneを接続して自動車をスマート化できる、CarPlayの規格に対応するサービスも豊富に揃う。最近では端末に地図データをダウンロードし、オフラインでも利用できる機能を追加。好評を博している。
無料で簡易な機能を使うこともできるが、月額固定課金のプレミアムコースに登録すると、ボイスコントロールによる音声検索や渋滞回避ルート検索など、さらに便利な機能にもアクセス可能になる。
ドライバーの走行傾向をAIが解析・学習して好みのルートを提案したり、プローブ交通情報により目的地までの所要時間を短縮するルートが調べられることもアプリの特徴だ。
iPhone 6s以降の機種にアプリを導入すれば、iPhoneをダッシュボードに装着し、カーナビと同時にドライブレコーダーとして利用できる。CarPlayに対応するカーナビなどの車載ユニットであれば、iPhoneを接続すると地図データをより大きな画面に表示したり、車載ユニットにナビゲーションとコントロールパネルを表示しながら、iPhoneの画面でドライブレコーダーの映像を確認することもできる。
ナビタイムジャパンでは、CarPlay対応の機能をますます充実させることにも力を入れているそうだ。iOS 13以降からCarPlay Dashboardが追加され、ナビ画面を表示しながら音楽再生をコントロールするなど、カーナビタイムのアプリ単体ではできていたことが、車載ユニットとの連携によって拡大している。今後iPhone標準のマップアプリ向けにアップデートされる機能も、CarPlayでスムーズに使えるよう、開発により注力したいと坪内氏は意気込む。
アップルの開発プラットフォームと連携することのメリットについて、深山氏は「ナビタイムジャパンは多くの方々に、様々な環境下で利用いただけるサービスづくりを目指している。iPhoneは世界中で多くのユーザーが活用するデバイスなので、iPhoneでスムーズに利用できるサービスにクオリティを高めることが、アプリの魅力を高めることにも直結する」と説く。
今年のWWDCでは、CarPlay周辺のアップデート、ARKitのバージョンアップに伴う新機能に注目しているそうだ。坪内氏はデベロッパー向けツールのXcode Cloudについてもまた、ユーザーにいち早く便利な機能を届けることに直結するプラットフォームの一環として注目している、と話している。深山氏もまた「一般のドライバーから、公共交通機関や物流を支えるプロフェッショナルの方々まで、ユーザーの皆様がアプリを便利に使っていただけるように、大小様々にやるべきことがまだ沢山ある。アップルが発表する新機能をいち早くアプリに実装して、魅力を高めていきたい」と今後に向けた抱負を語った。