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【第114回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

佐藤健×阿部寛!不可解な連続殺人事件が揺るがす善悪の境界線

公開日 2024/05/10 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2021年公開の『護られなかった者たちへ』をご紹介します!

『護られなかった者たちへ 』(2021年・日本)
(配信:Netflix/ Amazon Prime Video / U-NEXT)

Blu-ray&DVD「護られなかった者たちへ」発売中 発売・販売元:アミューズソフト 価格:Blu-ray 7,150円(税込) DVD 6,600円(税込)

中山七里原作のミステリー小説を、『春に散る』の瀬々敬久監督、佐藤健と阿部寛の共演で映画化。東日本大震災から10年目の仙台で、不可解な殺人事件が相次いで発生。捜査線上に上がったのは、刑期を終え出所したばかりの利根(佐藤健)という男。刑事の笘篠(阿部寛)は利根を追い詰めていくが、決定的な証拠がつかめないまま第3の事件が起きようとしていた…。

明確な悪が、怒りや悲しみがもたらす衝動をぶつける矛先が存在したのならまだ良いが、その対象が天災などの類いであった場合はどうだろう。胸に宿した怒りや悲しみは、一体どこ(誰)にぶつけるべきなのだろう。持て余したそれらの感情は、やがて心身を疲弊させていく。そんな状況に耐え切れなくなれば、他人に当たり散らしたり、無理矢理矛先を捏造してしまう。劇中で描かれていくのは、そういった現実でも起こり得る心のメカニズム。

3.11によって生じた絆と不和が引き起こす殺人事件。ネガティブなニュースが日常的に飛び交い、誰かを批判したり陥れることに駆られがちな現代社会において、その善悪を見極めることがあなたにはできるだろうか。本作を通して目にできる人間模様の数々は、今こんな時代を生きる私たちにこそ必要な戒めや他者との繋がりの大切さを示してくれることだろう。豪華キャストが織りなす衝撃と感動のヒューマン・ミステリー、是非ご堪能あれ。

(C)2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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