【第105回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
この愛は不適切?!蒼井優と阿部サダヲのW主演!最低な女と男たちの“究極の愛"
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2017年公開の『彼女がその名を知らない鳥たち』をご紹介します!
◇
『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年・日本)
(配信:Amazon Prime Video/ U-NEXT /Hulu)
沼田まほかる原作のミステリー小説を、『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督、蒼井優と阿部サダヲのW主演で映画化。15歳年上の陣治(阿部サダヲ)と暮らす十和子(蒼井優)は、8年前に別れた黒崎(竹野内豊)のことを忘れられずにいた。働きもせず怠惰な日々を過ごしていたある日、黒崎の面影がある既婚男性・水島(松坂桃李)と出会い関係を持つ十和子。やがて黒崎が失踪していたことを知るのと同時に、陣治に尾行されていることに気が付き、疑念を抱き始める十和子であったが…。
触れれば怪我をしてしまいそうな程に鋭く尖った作品を数多く手掛ける白石監督。本作はそんな白石作品の中でもめずらしいラブストーリーであるのだが、一癖も二癖もある身勝手な男女たちの歪な恋愛模様は、容易に共感できるものではないかもしれない。しかし、たとえそれが“狂気”であったとしても、その根底には“愛”があり、“愛”なくしては辿り着けない“狂気”がそこにはある。
中でも注目なのは、日頃陽気な役柄を演じることが多い阿部サダヲ演じる陣治の存在。彼もまた陽気な人物ではあるのだが、その心に秘めた想いが随所で漏れ出し、すべての真実が明らかになる時、強く胸揺さぶられることだろう。そして、俳優・阿部サダヲの偉大さを思い知る。すべてを把握した上でもう一度目にしたのなら、また違った受け取り方ができる2度楽しめる作品です。
(C)2017 映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年・日本)
(配信:Amazon Prime Video/ U-NEXT /Hulu)
沼田まほかる原作のミステリー小説を、『凶悪』『孤狼の血』などで知られる白石和彌監督、蒼井優と阿部サダヲのW主演で映画化。15歳年上の陣治(阿部サダヲ)と暮らす十和子(蒼井優)は、8年前に別れた黒崎(竹野内豊)のことを忘れられずにいた。働きもせず怠惰な日々を過ごしていたある日、黒崎の面影がある既婚男性・水島(松坂桃李)と出会い関係を持つ十和子。やがて黒崎が失踪していたことを知るのと同時に、陣治に尾行されていることに気が付き、疑念を抱き始める十和子であったが…。
触れれば怪我をしてしまいそうな程に鋭く尖った作品を数多く手掛ける白石監督。本作はそんな白石作品の中でもめずらしいラブストーリーであるのだが、一癖も二癖もある身勝手な男女たちの歪な恋愛模様は、容易に共感できるものではないかもしれない。しかし、たとえそれが“狂気”であったとしても、その根底には“愛”があり、“愛”なくしては辿り着けない“狂気”がそこにはある。
中でも注目なのは、日頃陽気な役柄を演じることが多い阿部サダヲ演じる陣治の存在。彼もまた陽気な人物ではあるのだが、その心に秘めた想いが随所で漏れ出し、すべての真実が明らかになる時、強く胸揺さぶられることだろう。そして、俳優・阿部サダヲの偉大さを思い知る。すべてを把握した上でもう一度目にしたのなら、また違った受け取り方ができる2度楽しめる作品です。
(C)2017 映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |