公開日 2014/09/08 16:24
<IFA>CSR、マルチルームネットワーク「VibeHub」やaptXなどオーディオ向け技術をデモ
メーカーの製品開発をサポートするソリューション
CSRはIFA2014の会場で、マルチルーム・ネットワークオーディオ技術「VibeHub」や、ホームシアターシステム向けのワイヤレスオーディオに関連する技術を、デモンストレーションを交えながら紹介している。
CSR plcは今年創立から15年を迎えたイギリスのファブレス半導体設計・開発企業。ヘッドクオーターはケンブリッジに構え、現在は日本を含む世界の14カ国に支社および開発拠点を置く。グローバルの従業員数は2,500名を超える。主なビジネスフィールドはBluetoothのワイヤレス技術を基点に、ボイス&ミュージック、Bluetooth SMART、GPS、オートモーティブ、デジタルイメージングにまで及んでいる。
オーディオに関連する部門ではBluetoothを核としたワイヤレスの高音質通信技術をヘッドセットやスピーカーシステム、サウンドバー向けに開発。それぞれのデバイス向けに、半導体チップの多彩な製品群やプラットフォーム・ソリューションをオーディオ機器メーカー向けに提供している。
半導体からソフトウェア、そして個別の製品に合わせた作り込みが行えるカスタマイズツールを中心に構成されるCSRのSoCプラットフォーム・ソリューションを活用することで、ハードメーカーは開発コストを抑えながら市場へ迅速に製品を導入することが可能になる。
CSRはIFA2014の会場で2つの大きなプラットフォーム・ソリューションを紹介している。一つはサウンドバー向けのワイヤレスオーディオ技術と、そのリファレンスデザインに関連するものだ。
同社では現在、サウンドバー製品向けに「エントリーレベル」と「中級・ハイエンドレベル」という2つのプラットフォームを提供している。エントリーレベルのソリューションとして評価の高いフラグシップのオーディオ用Bluetoothデバイス「CSR8670」では、SPDIFやI2Sなどケーブル接続とBluetoothによるワイヤレスの信号ストリームを受けて、デジタルアンプへと送りこむ。サブウーファーにもBluetooth経由で同期しながら信号を伝送する「SWAT(サブウーファー・オーディオ・トランスファー)」技術にも対応している。コントローラー信号もBluetooth経由での伝送が可能だ。メーカーは当チップに加えて、サウンドバースピーカーやサブウーファーを駆動するためのアンプモジュールを追加するだけで製品開発の基本要素が整うというメリットがある。
中級・ハイエンドレベルのソリューションでは、これに同社のオーディオ向け高性能DSP「MAPX」が加わる。ソフトウェアのプログラミングによって様々なオーディオ入力信号のデコードとポストプロセッシング処理に対応できるキャパシティを備えている。Bluetoothデバイス「CSR8670」では高音質コーデックのaptXに対応するとともに、スマートフォンやタブレットからの音声ストリーミングを受けながら、同時にサブウーファーへの信号の送り出しも可能にしている。こちらも別途アンプを組み合わせるだけで製品開発のベースが整う。もちろんリモコンのコントロール信号もBluetooth経由で飛ばすことができる。
IFAのブースに出展するリファレンスデザインに組み込まれているBluetoothとDSPのほか、同社のHiFiオーディオ向けアンプ技術「DDFA(Direct Digital Feedback Amplifier)」を活かし、よりコンパクトなサウンドバーに組み込めるシンプルかつ小型なデジタルアンプモジュールも、来年のリリースに向けて準備が進められているという。アンプの音質はソフトウェアの調整でチューニングできるほか、デジタルフィルターなど外付コンポーネントを組み合わせることで自在にカスタマイズすることができる。
もう一つは、CSRのWi-Fi, Bluetooth半導体とソフトウェアを使ったネットワーク・オーディオ向けのプラットフォーム・ソリューション「VibeHub」だ。ネットワーク上のストレージやBluetooth搭載のスマートフォン、タブレットなど複数の機器からコンテンツを取り込み、ホームネットワーク内にセットされた4台までのスピーカー機器へのマルチユーザー・マルチゾーン展開を想定したワイヤレスオーディオ配信を実現する。さらに「VibeHub SyncLock」同期技術により、マルチゾーン配信中に部屋間を移動しても音の遅延が気にならないことも当技術の大きなメリットだ。
IFAのブースではiOS/Android向けに提供されるコントローラーアプリのリファレンスデザインを用いながら、1台のネットワークストレージからベッドルーム/キッチン/リビング/プライベートルームの計4箇所へマルチゾーン配信する環境を想定したデモが紹介されていた。
アプリからは各部屋にストリーミングしている音楽の再生コントロールができるほか、マルチルーム環境のグループ化設定などが簡単な操作で行える。デモで紹介されていたアプリにはDeezerの音楽配信サービスのリスニング機能も組み込まれている。さらに技術の基本仕様として、アナログ入力やLAN経由でのUPnPおよびDLNAソース、Bluetooth再生時にaptXによる高音質再生をサポートしていることも特徴になる。
VibeHubは未来に向けたコンセプチュアルなオーディオ技術ではなく、米BRAVENが11月に発売を予定するワイヤレスオーディオシステム「Braven Vibe System」とアプリ「Braven Vibe App」の組み合わせで使えるようになるという。ブースにはBRAVEN新製品の実機も展示されていた。
さらにブースの一角ではaptXの優れたパフォーマンスを紹介する一例として、SBCコーデックと比較した際の低遅延の優位性を強調。その効果をデモで体験することができた。
今回CSRブースの展示内容を紹介していただいたマーケティング・マネージャーのDave Brotton氏は「昨年から続けてIFAに出展してデモンストレーションを行っているが、当社の先進技術とメーカーの製品設計をトータルにサポートできるプラットフォーム・ソリューションの優位性、そして何より高品位なサウンドを体験いただいた方々からの反響がとても良い」とコメント。「年初のCES2014で披露したサウンドバーのソリューションをカスタマーに向け提供できる準備が整った。次のターゲットとしては、当社の高品位なDDFA技術を活かしたデジタルアンプを可能な限り早くご提供したい」と目標を語ってくれた。
CSR plcは今年創立から15年を迎えたイギリスのファブレス半導体設計・開発企業。ヘッドクオーターはケンブリッジに構え、現在は日本を含む世界の14カ国に支社および開発拠点を置く。グローバルの従業員数は2,500名を超える。主なビジネスフィールドはBluetoothのワイヤレス技術を基点に、ボイス&ミュージック、Bluetooth SMART、GPS、オートモーティブ、デジタルイメージングにまで及んでいる。
オーディオに関連する部門ではBluetoothを核としたワイヤレスの高音質通信技術をヘッドセットやスピーカーシステム、サウンドバー向けに開発。それぞれのデバイス向けに、半導体チップの多彩な製品群やプラットフォーム・ソリューションをオーディオ機器メーカー向けに提供している。
半導体からソフトウェア、そして個別の製品に合わせた作り込みが行えるカスタマイズツールを中心に構成されるCSRのSoCプラットフォーム・ソリューションを活用することで、ハードメーカーは開発コストを抑えながら市場へ迅速に製品を導入することが可能になる。
CSRはIFA2014の会場で2つの大きなプラットフォーム・ソリューションを紹介している。一つはサウンドバー向けのワイヤレスオーディオ技術と、そのリファレンスデザインに関連するものだ。
同社では現在、サウンドバー製品向けに「エントリーレベル」と「中級・ハイエンドレベル」という2つのプラットフォームを提供している。エントリーレベルのソリューションとして評価の高いフラグシップのオーディオ用Bluetoothデバイス「CSR8670」では、SPDIFやI2Sなどケーブル接続とBluetoothによるワイヤレスの信号ストリームを受けて、デジタルアンプへと送りこむ。サブウーファーにもBluetooth経由で同期しながら信号を伝送する「SWAT(サブウーファー・オーディオ・トランスファー)」技術にも対応している。コントローラー信号もBluetooth経由での伝送が可能だ。メーカーは当チップに加えて、サウンドバースピーカーやサブウーファーを駆動するためのアンプモジュールを追加するだけで製品開発の基本要素が整うというメリットがある。
中級・ハイエンドレベルのソリューションでは、これに同社のオーディオ向け高性能DSP「MAPX」が加わる。ソフトウェアのプログラミングによって様々なオーディオ入力信号のデコードとポストプロセッシング処理に対応できるキャパシティを備えている。Bluetoothデバイス「CSR8670」では高音質コーデックのaptXに対応するとともに、スマートフォンやタブレットからの音声ストリーミングを受けながら、同時にサブウーファーへの信号の送り出しも可能にしている。こちらも別途アンプを組み合わせるだけで製品開発のベースが整う。もちろんリモコンのコントロール信号もBluetooth経由で飛ばすことができる。
IFAのブースに出展するリファレンスデザインに組み込まれているBluetoothとDSPのほか、同社のHiFiオーディオ向けアンプ技術「DDFA(Direct Digital Feedback Amplifier)」を活かし、よりコンパクトなサウンドバーに組み込めるシンプルかつ小型なデジタルアンプモジュールも、来年のリリースに向けて準備が進められているという。アンプの音質はソフトウェアの調整でチューニングできるほか、デジタルフィルターなど外付コンポーネントを組み合わせることで自在にカスタマイズすることができる。
もう一つは、CSRのWi-Fi, Bluetooth半導体とソフトウェアを使ったネットワーク・オーディオ向けのプラットフォーム・ソリューション「VibeHub」だ。ネットワーク上のストレージやBluetooth搭載のスマートフォン、タブレットなど複数の機器からコンテンツを取り込み、ホームネットワーク内にセットされた4台までのスピーカー機器へのマルチユーザー・マルチゾーン展開を想定したワイヤレスオーディオ配信を実現する。さらに「VibeHub SyncLock」同期技術により、マルチゾーン配信中に部屋間を移動しても音の遅延が気にならないことも当技術の大きなメリットだ。
IFAのブースではiOS/Android向けに提供されるコントローラーアプリのリファレンスデザインを用いながら、1台のネットワークストレージからベッドルーム/キッチン/リビング/プライベートルームの計4箇所へマルチゾーン配信する環境を想定したデモが紹介されていた。
アプリからは各部屋にストリーミングしている音楽の再生コントロールができるほか、マルチルーム環境のグループ化設定などが簡単な操作で行える。デモで紹介されていたアプリにはDeezerの音楽配信サービスのリスニング機能も組み込まれている。さらに技術の基本仕様として、アナログ入力やLAN経由でのUPnPおよびDLNAソース、Bluetooth再生時にaptXによる高音質再生をサポートしていることも特徴になる。
VibeHubは未来に向けたコンセプチュアルなオーディオ技術ではなく、米BRAVENが11月に発売を予定するワイヤレスオーディオシステム「Braven Vibe System」とアプリ「Braven Vibe App」の組み合わせで使えるようになるという。ブースにはBRAVEN新製品の実機も展示されていた。
さらにブースの一角ではaptXの優れたパフォーマンスを紹介する一例として、SBCコーデックと比較した際の低遅延の優位性を強調。その効果をデモで体験することができた。
今回CSRブースの展示内容を紹介していただいたマーケティング・マネージャーのDave Brotton氏は「昨年から続けてIFAに出展してデモンストレーションを行っているが、当社の先進技術とメーカーの製品設計をトータルにサポートできるプラットフォーム・ソリューションの優位性、そして何より高品位なサウンドを体験いただいた方々からの反響がとても良い」とコメント。「年初のCES2014で披露したサウンドバーのソリューションをカスタマーに向け提供できる準備が整った。次のターゲットとしては、当社の高品位なDDFA技術を活かしたデジタルアンプを可能な限り早くご提供したい」と目標を語ってくれた。