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公開日 2015/06/04 18:20

日本オーディオ協会、独自の「ハイレゾ・オーディオテスト信号」開発検討

「オーディオを『陽はまた昇る』市場に」
編集部:小野佳希
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一般社団法人 日本オーディオ協会は、平成27年通常総会を開催。2014年の事業報告を行うとともに、「良い音委員会」を新規設置して独自の「ハイレゾ・オーディオテスト信号」の開発を検討することなど本年度の事業計画の承認を行うなどした。

総会後の懇親会では新役員や新会員の紹介も行われた

総会開催にあたって同協会会長の校條亮治氏は「我々はハイレゾオーディオを産業政策とアカデミカルな技術的視点の2点から検証し、次世代オーディオ市場創造の核として提案してきた。今、まさに機は熟したと認識している」とコメントし、「ぜひ、日本のオーディオ市場を『陽はまた昇る』市場にしたい」と言葉を続ける。

日本オーディオ協会 校條亮治会長

この言葉に代表されるように、同協会では本年の活動の軸をハイレゾに置き、新たな委員会やワーキンググループ(WG)の設置を始めとした様々な活動を行うという。

例えば、前期にWGから委員会へと格上げしていた「ネットワーク・オーディオ委員会」では、ハイレゾオーディオがネットワークオーディオと密接不可分だとして、ハイレゾと連動した取り組みに特化。内部に設置した「ハイレゾ技術WG」でハイレゾ申請された商品の技術的検討を行うほか、「ハイレゾ定義WG」も設けてハイレゾの定義検討に取り組む。

また、「良い音委員会」を新設。“良い音”検証のために旧生録委員会を吸収し、音源研究として「音源開発WG」を設置するほか、協会独自の「ハイレゾ・オーディオテスト信号の開発」も検討していく。加えて、テレビの音声信号のあり方やBluetoothなどの伝送技術など、今後開発されうる通信技術への研究をするために「無線音源検討WG」も設置する。

同委員会の設置にあたっては、ハイレゾを導入する際に「ハイレゾは音が良いのか?」という疑義が指摘されたと説明。この疑義に対し協会は「ハイレゾ・オーディオ自体は良い音追求のための環境整備である」「ハイレゾ・オーディオと“良い音”の定義は別次元のもの」「ハイレゾ・オーディオ導入に際し、協会として“良い音”の定義を検討する」と提起。そのために「良い音委員会」を新規設置したとした。

総会後に行われた懇親会の様子

加えて、カーオーディオにおけるハイレゾ普及などのために「カーオーディオ専門委員会」も新設。ホームオーディオとは異なる事情を勘案しながらハイレゾ定義の可否検討を行うという。

そのほか、「ヘッドホン試聴環境改善委員会」では、今年度はヘッドホン・イヤホンのハイレゾ指定に至る測定基準について、日本オーディオ協会指標の可能性を検討。また、「従来の頭内定位問題の解明と改善に加え、ハイレゾリューションとマルチ時代にふさわしい試聴環境整備のための学術的解明と改善に向けた活動を外部機関と共同で推進する」としている。

なお、ハイレゾから少し離れた分野では、卒業者にライセンスを発行する「デジタル・ホームシアター取り扱い技術者認定講座」受講者の新規募集をいったん停止すると発表。その一方で、ライセンス取得を目的にしない「ルームチューニング・インストラクター講座」制度を開設し、ホムシアター設置希望者、販売店担当者、マニアなどから幅広く受講者を募集して市場ニーズに応えていくという。

そのほか、パナソニック テクニクス事業推進室 室長の小川理子氏らが理事・副会長に就任するなど、役員交代についても総会で承認。総会後に行われた懇談会では新役員の紹介や、アイ・オー・データ機器や東芝ライフスタイル、テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)、ラディウスなど本年から新たにオーディオ協会に参加したメンバーの紹介なども行われた。新たな役員人事の詳細は下記の通り(敬称略)。

パナソニック 小川理子氏は懇親会で乾杯の音頭も担当。「『味は三代』と言うが音楽も同じで長く継承していかなければ真の文化として残っていかない。我々が次の世代に音の文化を継承していきたい」などとあいさつした

■新任
理事 阿部克郎(シャープ)
理事・副会長 小川理子(パナソニック)
理事・副会長 小川功一(ソニー)
理事・副会長 蒲生宣親(パイオニア)
理事 池田達史(オンキヨー)
理事 鎌田章俊(三菱電機)

■退任
理事・副会長 岡内理(パナソニック)
理事 小田守(シャープ)
理事・副会長 池田達史(オンキヨー)
理事・副会長 中川克也(ソニー)
理事 大瀧正気(オンキヨー)
理事 中西康之(三菱電機)
理事 渡辺隆志(ソニー・ミュージックエンタテインメント)

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