公開日 2021/08/18 10:00
ラックスマン、新旗艦パワーアンプ「M-10X」。新開発の増幅帰還エンジン「LIFES」初搭載
パワーアンプ回路の心臓部を一新
ラックスマンは、新開発の増幅帰還エンジン “LIFES” を初めて搭載するステレオパワーアンプの新フラグシップモデル「M-10X」を10月に発売する。価格は165万円(税込)。
2013年に発売された「M-900u」の後継モデルとして、パワーアンプ回路の心臓部を一新。 1999年以来 ラックスマン製品に採用してきた増幅回路「ODNF(Only Distortion Negative Feedback)」を刷新し、新開発の増幅帰還エンジン 「LIFES」を初めて搭載した。
「LIFES」は、Luxman Integrated Feedback Engine Systemの略称。主アンプと歪検出回路からなる増幅帰還回路を統合し、「音楽信号を司るアンプ製品の心臓部を担う、ラックスマンの新しい生命(LIFES)ともいえる、増幅帰還エンジン」だとしている。
同社では、長らくラックスマン製品の音質を支えてきたODNFを刷新するにあたり、オーディオ性能のドラスティックな改善を果たすため、すべての回路に対してソフトウェアによる再シミュレーションを実施したと説明。その過程では、バージョンアップを重ねて肥大化した回路箇所を⼀旦シンプルにそぎ落とし、回路を構成するパーツひとつひとつの特性を再確認する作業が必要だったとのこと。そして、論理的に完成した机上の理想回路をもとに、現状入手できるオーディオ性能に優れたパーツを時間をかけて吟味し、各回路に当てはめていったという。その後、組み上げた実験基板を既存製品に仮接続しながら、試聴と試作を繰り返した結果、性能も音質も、ラックスマンの次世代製品に採用するにふさわしいグレードを実現したと判断し、“LIFES 1.0”として8年ぶりのフラグシップとなる本機に初めて搭載するに至ったとしている。
LIFESでは、差分アンプの初段に優れた特性のNチャンネル・デュアルJFETを採用することで、歪の検出精度を大幅に向上。加えて、性能を改善しながら素子のパラレル数の削減にも成功し、増幅回路全体の動作構成を大きく変革することによって、増幅時の歪をおよそ半分に低減した。
また、定電圧回路も高レギュレーション化。新たな高性能・定電流源と米ビシェイ社製ツェナーダイオードの組み合わせにより、ドライバー段、および入力変換アンプの定電圧回路を⼀新した。LR独立80,000μFの新開発・大容量ブロックコンデンサーによるハイイナーシャ電源を採用し、レギュレーション性能に優れた電源供給回路にしたとアピールしている。
増幅回路の安定動作を目的として、デュアル・トランジスタを採用したカレントミラー型の定電流回路を、LIFES の内部に片チャンネルあたり4基配置。これにより、製品の設置される環境温度や電源電圧の変動による影響を徹底的に抑えこむよう配慮した。また、電流増幅段の温度補償はトランジスタとサーミスタを組み合わせ、バイアス変動を抑える構成とすることで、より安定して製品を動作させるための回路に改良したともしている。
定格出力は、150W+150W(8Ω)/ステレオ時、300W+300W(4Ω)/ステレオ時、600W(8Ω)/モノラル時で、最大出力は1,200W+1,200W(1Ω)/ステレオ時、2,400W(2Ω)/モノラル時。最大12Wまでの純A級動作を実現する。
3段ダーリントン4パラレル・プッシュプルの出力モジュールを組み合わせた、4×2アウトプット構成を採用するほか、電源から出力段までの主要ラインには極厚の無酸素銅板によるバスバーを使用。BTLモード・バランス入力時にコールド信号に変換アンプが経由しないBTLストレート回路構成も採用している。また、電源トランスは平角型の銅巻線を採用した高結合低損失のEI型スーパーレギュレーション電源トランスを採用している。
すべてのオーディオ回路に、レジストの誘電効果を排除した100μm厚のレジストレス金メッキ・ピールコート基板を採用。加えて、4接点パラレル接続の大型スピーカーリレーとスピーカー端子までのバスバー直結方式によって、高いダンピングファクターを実現したという。
ループレスシャーシ構造により、シャーシ電流によるアース・インピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するよう配慮。大型グラデーション鋳鉄製レッグを装着することで、微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守ることも狙っている。
入力にはアンバランスとバランスを1系統ずつ備え、RCA入力は銅と同等の導電率と真鍮に匹敵する硬度を併せ持ったカッパーアロイ製のものを装備。対応製品どうしの電源連動を可能とする新たなトリガー⼊出力端子(3.5mm モノラルジャック)も装備し、デイジーチェーンも可能。
金メッキによる非磁性処理を施したACインレットを装備。装着方向を変更し端子全体でケーブルの重量をサポートする構造に改良を行った。
さらに、付属の電源ケーブルもグレードアップ。ハイエンド製品専用のノンツイスト電源ケーブル「JPA-15000」をベースに、3.5mm2径の芯線の30%をD.U.C.C.に変更して音質を大幅にグレードアップしたという「JPA-17000」を付属する。
デザイン面では、側⾯を大きくスラントさせた極厚のフロントパネルとボンネットの間に大胆な“くびれ”を表現した、「CL-1000」「D-10X」とも共通する立体的な筐体デザインを採用。LEDによる電球⾊照明付きの大型針式アナログレベルメーターは、より視認性の高い目盛デザインに改良を施している。また、メーターのマウント位置はBTL(モノラル)モード時に動作メーター(Lチャンネル用)がセンターとなるよう位置変更を行っている。
入力感度/入力インピーダンスは1.24V/150W(8Ω) / アンバランス 51kΩ、バランス 55kΩで、全高調波歪率は0.003%以下(1kHz/8Ω)、0.1%以下(20Hz〜20kHz/8Ω)。周波数特性が20Hz〜20kHz(+0、-0.1dB)、1Hz〜130kHz(+0、-3.0dB)で、S/N⽐(IHF-A)は117dB。
外形寸法は440W×224H×488Dmmで、質量は48.4kg。前述の電源ケーブル「JPA-17000」のほか、専用トリガーケーブルが付属する。
2013年に発売された「M-900u」の後継モデルとして、パワーアンプ回路の心臓部を一新。 1999年以来 ラックスマン製品に採用してきた増幅回路「ODNF(Only Distortion Negative Feedback)」を刷新し、新開発の増幅帰還エンジン 「LIFES」を初めて搭載した。
「LIFES」は、Luxman Integrated Feedback Engine Systemの略称。主アンプと歪検出回路からなる増幅帰還回路を統合し、「音楽信号を司るアンプ製品の心臓部を担う、ラックスマンの新しい生命(LIFES)ともいえる、増幅帰還エンジン」だとしている。
同社では、長らくラックスマン製品の音質を支えてきたODNFを刷新するにあたり、オーディオ性能のドラスティックな改善を果たすため、すべての回路に対してソフトウェアによる再シミュレーションを実施したと説明。その過程では、バージョンアップを重ねて肥大化した回路箇所を⼀旦シンプルにそぎ落とし、回路を構成するパーツひとつひとつの特性を再確認する作業が必要だったとのこと。そして、論理的に完成した机上の理想回路をもとに、現状入手できるオーディオ性能に優れたパーツを時間をかけて吟味し、各回路に当てはめていったという。その後、組み上げた実験基板を既存製品に仮接続しながら、試聴と試作を繰り返した結果、性能も音質も、ラックスマンの次世代製品に採用するにふさわしいグレードを実現したと判断し、“LIFES 1.0”として8年ぶりのフラグシップとなる本機に初めて搭載するに至ったとしている。
LIFESでは、差分アンプの初段に優れた特性のNチャンネル・デュアルJFETを採用することで、歪の検出精度を大幅に向上。加えて、性能を改善しながら素子のパラレル数の削減にも成功し、増幅回路全体の動作構成を大きく変革することによって、増幅時の歪をおよそ半分に低減した。
また、定電圧回路も高レギュレーション化。新たな高性能・定電流源と米ビシェイ社製ツェナーダイオードの組み合わせにより、ドライバー段、および入力変換アンプの定電圧回路を⼀新した。LR独立80,000μFの新開発・大容量ブロックコンデンサーによるハイイナーシャ電源を採用し、レギュレーション性能に優れた電源供給回路にしたとアピールしている。
増幅回路の安定動作を目的として、デュアル・トランジスタを採用したカレントミラー型の定電流回路を、LIFES の内部に片チャンネルあたり4基配置。これにより、製品の設置される環境温度や電源電圧の変動による影響を徹底的に抑えこむよう配慮した。また、電流増幅段の温度補償はトランジスタとサーミスタを組み合わせ、バイアス変動を抑える構成とすることで、より安定して製品を動作させるための回路に改良したともしている。
定格出力は、150W+150W(8Ω)/ステレオ時、300W+300W(4Ω)/ステレオ時、600W(8Ω)/モノラル時で、最大出力は1,200W+1,200W(1Ω)/ステレオ時、2,400W(2Ω)/モノラル時。最大12Wまでの純A級動作を実現する。
3段ダーリントン4パラレル・プッシュプルの出力モジュールを組み合わせた、4×2アウトプット構成を採用するほか、電源から出力段までの主要ラインには極厚の無酸素銅板によるバスバーを使用。BTLモード・バランス入力時にコールド信号に変換アンプが経由しないBTLストレート回路構成も採用している。また、電源トランスは平角型の銅巻線を採用した高結合低損失のEI型スーパーレギュレーション電源トランスを採用している。
すべてのオーディオ回路に、レジストの誘電効果を排除した100μm厚のレジストレス金メッキ・ピールコート基板を採用。加えて、4接点パラレル接続の大型スピーカーリレーとスピーカー端子までのバスバー直結方式によって、高いダンピングファクターを実現したという。
ループレスシャーシ構造により、シャーシ電流によるアース・インピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するよう配慮。大型グラデーション鋳鉄製レッグを装着することで、微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守ることも狙っている。
入力にはアンバランスとバランスを1系統ずつ備え、RCA入力は銅と同等の導電率と真鍮に匹敵する硬度を併せ持ったカッパーアロイ製のものを装備。対応製品どうしの電源連動を可能とする新たなトリガー⼊出力端子(3.5mm モノラルジャック)も装備し、デイジーチェーンも可能。
金メッキによる非磁性処理を施したACインレットを装備。装着方向を変更し端子全体でケーブルの重量をサポートする構造に改良を行った。
さらに、付属の電源ケーブルもグレードアップ。ハイエンド製品専用のノンツイスト電源ケーブル「JPA-15000」をベースに、3.5mm2径の芯線の30%をD.U.C.C.に変更して音質を大幅にグレードアップしたという「JPA-17000」を付属する。
デザイン面では、側⾯を大きくスラントさせた極厚のフロントパネルとボンネットの間に大胆な“くびれ”を表現した、「CL-1000」「D-10X」とも共通する立体的な筐体デザインを採用。LEDによる電球⾊照明付きの大型針式アナログレベルメーターは、より視認性の高い目盛デザインに改良を施している。また、メーターのマウント位置はBTL(モノラル)モード時に動作メーター(Lチャンネル用)がセンターとなるよう位置変更を行っている。
入力感度/入力インピーダンスは1.24V/150W(8Ω) / アンバランス 51kΩ、バランス 55kΩで、全高調波歪率は0.003%以下(1kHz/8Ω)、0.1%以下(20Hz〜20kHz/8Ω)。周波数特性が20Hz〜20kHz(+0、-0.1dB)、1Hz〜130kHz(+0、-3.0dB)で、S/N⽐(IHF-A)は117dB。
外形寸法は440W×224H×488Dmmで、質量は48.4kg。前述の電源ケーブル「JPA-17000」のほか、専用トリガーケーブルが付属する。