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公開日 2005/12/08 19:19
パイオニア、黒字化を目指し事業構造改革を施行 - PDPは自社ブランド製品に注力
パイオニア(株)は、本日行われた取締役会で決議された内容を受け、本日午後、企業説明会を開催した。説明会には同社取締役社長の伊藤周男氏や取締役副社長で次期社長の須藤民彦氏らが出席し、「業績見通し修正と事業構造改革」について説明を行った。
初めに登壇した伊藤社長はまず、2006年3月期の連結業績予想における当期純利益がマイナス870億円になったことを説明。前回予想のマイナス240億円を大きく下回る結果を受け、大規模な事業構造改革を行うと発表した。
改革の内容は大きく分けて「グループ全体の改革」と「ディスプレイ事業の構造改革」の2つ。「グループ全体の改革」としてカンパニー制廃止などの組織再編による経営効率の改善、人員体制の見直しなど、「ディスプレイ事業の構造改革」としてプラズマディスプレイ(PDP)事業の見直し、有機ELディスプレイ事業の一部廃止などを挙げた。
事業構造改革の詳細は1月1日に社長に就任する須藤氏が説明を行った。
同社は1月1日に組織再編を施行、従来のカンパニー制を廃止し、ホームエンタテインメントビジネスグループとモーバイルエンタテインメントビジネスグループの二事業部制に再編。プラズマディスプレイ、DVD、ホームオーディオの各事業は全てホームエンタテインメントビジネスグループとして統合し、共通プラットフォーム開発やカテゴリーをまたいだ商品開発・機能提案がより迅速かつ効率的に行える体制とするという。また同グループは、現在3ヵ所に分散している企画・開発・設計の人員を、平成19年春を目処に国内1拠点に集結させる予定だ。さらに固定費削減の一環として、全世界の生産拠点につき40ヵ所から30ヵ所程度への統廃合、これに伴う約2,000名の人員削減を行っていく。国内でも親会社および国内グループ会社の従業員を対象とした600名程度の雇用調整を実施するため、労働組合と協議を開始している。
PDPについては、今後はパイオニアブランドでの完成品販売に注力。今回の業績不振の主要因となったOEM事業については依存度を低減させる方針に転換するとした。同社のパネル生産状況は110万台/年の生産能力に対し65万台程度となっており、現在行っている一部生産ラインの休止を来期以降も継続する予定だという。
有機ELディスプレイ事業では、収益化の目処が立たないアクティブマトリクス型の量産を中止する。また東北パイオニア(株)の合弁会社、エルディス(株)は早期に解散する予定となっている。一方、パッシブマトリクス型については、同社製品での採用拡大、新規アプリケーションの提案により、新規顧客獲得に注力していくとした。
今後の事業方針の柱は「モーバイルエンタテインメント事業の強化と収益の拡大」と「ホームエンタテインメント事業の強化と収益性の改善」の2つ。前者ではカーナビ/カーオーディオ事業で日米欧以外への積極展開やブランドイメージの一層の向上を図り、シェアの拡大を実現していく考えだ。
ホームエンタテインメント事業では『パイオニアらしさの発揮』をキーワードに事業強化を行う考えだ。須藤氏は「ブランドスローガン“sound.vision.soul"はパイオニアの存在意義を示したもので、今後は特にホームオーディオ分野に注力し、活性化を図っていきたい」と語った。
PDP事業ではOEM事業の縮小を行い、パイオニアブランド製品に注力し収益性を改善。50インチのフルHDモデルを軸に、「高精細・高音質・デザイン・機能性」をアピールしていく考えだ。
DVDレコーダーに関しては、普及価格帯製品の自社開発を中止し、より高付加価値の製品に特化していくことを明らかにした。またLSI開発、ソフト開発、生産面での業務提携などを行い、収益性の改善を図っていく方針だ。
パソコン用の記録型DVDドライブについては、付加価値の高いノートパソコン用スリムドライブに注力。また、開発の軸をブルーレイディスクドライブに移行していく考えだ。さらに、ドライブユニットの外販もさらに強化。今期は自社向け100万台を含む全世界DVDレコーダー市場の約20%に当たる300万台を供給見込みで、来期は600万台、世界市場の30%を目指す。今期より供給開始した8cm専用のスリムタイプDVDレコーダー用ドライブユニットにも注力し、DVDカムコーダー以外の用途以外にも提案を行っていくという。
ホームオーディオ事業では、PDP、DVDとともにホームエンタテインメント事業のコアとして再活性化を図り、グループ全体で取組みを強化。パソコンやテレビを本格的なシアターにグレードアップするオーディオシステム、携帯デジタルオーディオとの接続性を考慮した製品などの新しい提案を行っていく。
最後に須藤氏は、「事業構造改革を進め、来期は全体の連結業績利益を黒字化する。ホームエンタテインメント事業に関しては2年以内の黒字化を目指す」と説明した。
(Phile-web編集部)
初めに登壇した伊藤社長はまず、2006年3月期の連結業績予想における当期純利益がマイナス870億円になったことを説明。前回予想のマイナス240億円を大きく下回る結果を受け、大規模な事業構造改革を行うと発表した。
改革の内容は大きく分けて「グループ全体の改革」と「ディスプレイ事業の構造改革」の2つ。「グループ全体の改革」としてカンパニー制廃止などの組織再編による経営効率の改善、人員体制の見直しなど、「ディスプレイ事業の構造改革」としてプラズマディスプレイ(PDP)事業の見直し、有機ELディスプレイ事業の一部廃止などを挙げた。
事業構造改革の詳細は1月1日に社長に就任する須藤氏が説明を行った。
同社は1月1日に組織再編を施行、従来のカンパニー制を廃止し、ホームエンタテインメントビジネスグループとモーバイルエンタテインメントビジネスグループの二事業部制に再編。プラズマディスプレイ、DVD、ホームオーディオの各事業は全てホームエンタテインメントビジネスグループとして統合し、共通プラットフォーム開発やカテゴリーをまたいだ商品開発・機能提案がより迅速かつ効率的に行える体制とするという。また同グループは、現在3ヵ所に分散している企画・開発・設計の人員を、平成19年春を目処に国内1拠点に集結させる予定だ。さらに固定費削減の一環として、全世界の生産拠点につき40ヵ所から30ヵ所程度への統廃合、これに伴う約2,000名の人員削減を行っていく。国内でも親会社および国内グループ会社の従業員を対象とした600名程度の雇用調整を実施するため、労働組合と協議を開始している。
PDPについては、今後はパイオニアブランドでの完成品販売に注力。今回の業績不振の主要因となったOEM事業については依存度を低減させる方針に転換するとした。同社のパネル生産状況は110万台/年の生産能力に対し65万台程度となっており、現在行っている一部生産ラインの休止を来期以降も継続する予定だという。
有機ELディスプレイ事業では、収益化の目処が立たないアクティブマトリクス型の量産を中止する。また東北パイオニア(株)の合弁会社、エルディス(株)は早期に解散する予定となっている。一方、パッシブマトリクス型については、同社製品での採用拡大、新規アプリケーションの提案により、新規顧客獲得に注力していくとした。
今後の事業方針の柱は「モーバイルエンタテインメント事業の強化と収益の拡大」と「ホームエンタテインメント事業の強化と収益性の改善」の2つ。前者ではカーナビ/カーオーディオ事業で日米欧以外への積極展開やブランドイメージの一層の向上を図り、シェアの拡大を実現していく考えだ。
ホームエンタテインメント事業では『パイオニアらしさの発揮』をキーワードに事業強化を行う考えだ。須藤氏は「ブランドスローガン“sound.vision.soul"はパイオニアの存在意義を示したもので、今後は特にホームオーディオ分野に注力し、活性化を図っていきたい」と語った。
PDP事業ではOEM事業の縮小を行い、パイオニアブランド製品に注力し収益性を改善。50インチのフルHDモデルを軸に、「高精細・高音質・デザイン・機能性」をアピールしていく考えだ。
DVDレコーダーに関しては、普及価格帯製品の自社開発を中止し、より高付加価値の製品に特化していくことを明らかにした。またLSI開発、ソフト開発、生産面での業務提携などを行い、収益性の改善を図っていく方針だ。
パソコン用の記録型DVDドライブについては、付加価値の高いノートパソコン用スリムドライブに注力。また、開発の軸をブルーレイディスクドライブに移行していく考えだ。さらに、ドライブユニットの外販もさらに強化。今期は自社向け100万台を含む全世界DVDレコーダー市場の約20%に当たる300万台を供給見込みで、来期は600万台、世界市場の30%を目指す。今期より供給開始した8cm専用のスリムタイプDVDレコーダー用ドライブユニットにも注力し、DVDカムコーダー以外の用途以外にも提案を行っていくという。
ホームオーディオ事業では、PDP、DVDとともにホームエンタテインメント事業のコアとして再活性化を図り、グループ全体で取組みを強化。パソコンやテレビを本格的なシアターにグレードアップするオーディオシステム、携帯デジタルオーディオとの接続性を考慮した製品などの新しい提案を行っていく。
最後に須藤氏は、「事業構造改革を進め、来期は全体の連結業績利益を黒字化する。ホームエンタテインメント事業に関しては2年以内の黒字化を目指す」と説明した。
(Phile-web編集部)