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公開日 2010/07/14 22:56

ドコモの3D裸眼ディスプレイやLTE規格など最新のケータイ技術が満載−「ワイヤレスジャパン2010」開幕

AR技術を使用したサービスのデモなど
ファイル・ウェブ編集部
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ワイヤレス&モバイル通信業界の専門展示会「ワイヤレスジャパン2010」が本日より東京ビックサイトで開幕した。

会場には通信事業者や端末メーカーから、ワイヤレス技術やコンテンツ、サービスを提供する会社まで多様な企業が出展している。とくに会場内で広いスペースを占め、多くの来場者を集めていたドコモ、KDDIのブースを中心にレポートする。


次世代通信規格「LTE」

会場で注目を集めていた携帯電話の新通信規格「LTE(Long Term Evolution)」。LTEは将来の第4世代携帯電話(4G)への移行をスムーズに行えるよう、現在の3Gを発展させるというコンセプトで開発され、3Gでドコモやソフトバンクに採用されている通信方式「W-CDMA」の拡張技術、HSDPA/HSUPAを発展させた規格だ。

2010年12月に東名阪地域でLTEをスタートさせることをアナウンスしているドコモは、LTEの高速、大容量、延滞の少なさなどのメリットを紹介し、通話しながらLTEのシミュレーターから携帯電話で動画をリアルタイムに再生、一時停止をするデモを行い、来場者に利便性をアピールしていた。


ドコモのLTEデモ。ディスプレイの左がPC画面で右が携帯電話の画面。通話しながら同じ映像を再生し、一時停止なども連携する

高速化を実現する
2010年12月のスタート時には、まずデータ通信端末で提供する。通信速度は下り最大37.5Mbps(一部地域で75Mbps)。2GHz帯(5MHz/10MHz幅)から導入し、1.5GHz帯は2012年の第3四半期からの利用を予定しているという。

一方、国内では同社だけの「CDMA2000」を採用しながら、互換性のないLTE導入を発表しているKDDI。同社は2012年中に最大75Mbps(10MHz幅)でのLTE導入を予定し、それまでは既存の「EV-DO Rev.A」を今年度内にマルチキャリア化することで対応することで、LTE導入までのインフラ整備を行うとしている。音声発着時には既存のCDMA2000 1X網で対応し、LTE圏外ではEV-DOマルチキャリアで通信する、共通のコアネットワークの利用を想定している。


KDDIのLTE導入における取り組み
ドコモからLTEデータ通信端末の開発ベンダーに選定された富士通は、発売予定のデータ通信端末のデモを行っている。同社製品はLTE規格に加え、HSPA/W-CDMA(3G)、GSM/GPRS(2G)に対応予定。外観を確認することはできなかったが、ノートPCやネットブックでも利用できるようPCカード規格「ExpressCard」に準拠するかたちになっている。


富士通ブースのLTEデータ通信端末デモの様子


2011年秋に開始するマルチメディア放送

2011年秋に開始する携帯機器向けマルチメディア放送の試験サービスに向け、1社が認定される受託放送事業者の枠を競うNTTドコモ陣営のマルチメディア放送(mmbi)とKDDI陣営のメディアフロージャパン企画。mmbiはワンセグで用いられているISDB-T方式を発展させた日本独自の規格「ISDB-Tmm」方式を採用し、メディアフロージャパン企画はQualcomm社が開発し、既に北米でサービスが開始されている「MediaFLO」方式を採用する。

mmbiではデバイスの試作機を用意し、マルチメディア放送の利用イメージを紹介している。展示では携帯電話に蓄積したコンテンツをWi-Fiで転送し、PCで再生する利用方法、チューナー内蔵の携帯音楽プレーヤーやデジタルフォトフレーム、カーナビなどのデバイスでコンテンツを直接受信する方法や、チューナー非搭載のiPadやテレビ、携帯ゲーム機などのデバイスでもチューナー内蔵Wi-Fiルーターを使用することで受信できるようになる利用イメージなどが紹介されている。


Transfer jet(近接無線伝送技術)を搭載した東芝製PCのプロトタイプ。携帯電話内のコンテンツをPCへ高速伝送するデモ

バッファロー製のチューナー内蔵Wi-Fiルーターのプロトタイプを使用してiPadで再生するデモ
MediaFLOでも、Qualcomm社製のチューナー内蔵Wi-Fiルーター経由でスマートフォン、iPod touchで再生する方法や、USB型チューナーを使って、PCなどUSB機器で再生できることを紹介している。さらに会場にはワンセグチューナー部分にMediaFLO/ワンセグチューナーを差し替えた有線受信電波シミュレーション端末を用意し、放送の具体的なサービスイメージをつかめるようになっている。


写真左がQualcomm社製のチューナー内蔵Wi-Fiルーター。北米で今年発売されるという。PCに接続されているのがUSB型チューナー

有線受信電波シュミレーション端末

ドコモの裸眼3Dディスプレイ

ドコモブースには裸眼3Dディスプレイが参考出展されており、デモの前には来場者が長蛇の列を 作っていた。この3Dディスプレイはレンチキュラーレンズを利用し、8方向の視点情報を1枚の画像に合成し表示させている。


裸眼3Dディスプレイの映像



マウス操作で角度を変えることができる

時間帯によっては1時間待ちという人気ぶり
デモでは立体映像を好きな角度に調整することができ、「ゲームや教育関係などの分野で活用できる」(説明員)としている。製品化は未定。今回の試作機では3D表示のみに対応しているが、「今後2D、3Dの切り替えに対応することがハード面での課題になる」とのことだ。


進化を遂げるAR(拡張現実)技術

ドコモとKDDIはともに、携帯電話のアプリケーションにAR技術を用いた新しいエンターテイメントサービスをアピールしている。

ドコモのデモブースでは、案内板を携帯電話を通して見ると建物が立体的に見えるデモや、空間配置型ARを用いて360度に泳ぐ魚が見えたり、宇宙空間を疑似体験できるデモを実施。


案内板を携帯電話を通してのぞくと建物が立体的にみえる。お店の情報なども表示できる

空間配置型ARを用いたデモ
またKDDIは街中の看板やポスターなどに携帯電話をかざずと、認識した看板の詳細とエアタグ、音楽などが表示・再生され、さらにエアタグをクリックすると該当サイトへ誘導されるといったサービスのデモを体験することができる。現段階では四角など矩形オブジェクトの広告であれば認識が可能だという。

両サービスとも参考出展であり、実際のサービス稼働の時期は未定。これらのサービスがスタートすれば既存の携帯電話でも利用できるようになる。


KDDIのデモスペース。矩形のCDジャケットや看板が用意されている

広告の方向に携帯電話をかざすと自動で認識する


購入ページなどへの誘導も行える
なおKDDIではセカイカメラとの連携により、セカイカメラのエアタグをカメラのキャプチャー映像や擬似的な地平線といった実空間上に付加して閲覧できるARアプリケーションをすでに提供している。

またドコモブースではゼンリンデータコムより商用化され、今年9月に評価版(無料)が開始予定のスマートフォン向け新サービス「直感ナビ」のデモも体験することができる。「直感ナビ」は検索アプリケーションをベースにAR技術を活用したナビサービスで、カメラ、加速度、方位センサー、GPS機能を搭載した端末で利用できる。通常の地図表示に加えて携帯電話を傾けるとARモードに切り替わり、その方向の店舗や施設が表示される。さらに検索したい方向に向けて携帯電話を振るだけで対象リストが表示される「投げ検索」といったユニークな機能も利用できる。


「直感ナビ」

投げ検索では振りの大きさで検索範囲を調整できる


ARモード
スマートフォンへの取り組み

スマートフォン強化を掲げるドコモは、昨日リリースしたスマートフォン向けISP「SPモード」のサービス内容をいち早く展示している。「SPモード」では@docomo.ne.jpのメールアドレスがスマートフォンでも正式に利用できるようになるほか、アクセス制限サービスやダウンロードした有料アプリを、ドコモの携帯電話の料金と一緒に支払えるコンテンツ決済サービスが利用できる。サービス稼働は9月から。


SPモードのメールサービス画面

専用のアプリをダウンロードする必要がある


デコメの送受信も可能

デコメ、絵文字が大量にプリセットされている


背景やアイコンなどもプリセットされている中から好み似合わせて変更できる



メール設定画面
端末メーカーブース − 京セラ初のスマートフォンなど披露


京セラの北米向けスマートフォン「Zio」

京セラの海外向けAndroid端末コンセプトモデル
京セラは同社初のスマートフォン「Zio」(ザイオ)を会場で初披露した。年度内を目処に北米で発売する予定で、現在のところ日本での発売の予定はない。OSはAndroid 1.6。またその横にはLTEに対応した海外向けAndroid OS搭載のスマートフォンのコンセプトモデルが展示されている。

シャープブースは自社製品との連携機能をアピール。AQUOS SHOT「945SH」で撮影したハイビジョン映像を液晶テレビAQUOSに出力

携帯電話とAQUOSをHDMI経由で接続する様子

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