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公開日 2012/09/01 13:07

<IFA>AUDYSSEY、テレビ向け最新音声技術を発表 − スマホ向け音場補正アプリや新Bluetoothスピーカーも

ヘッドホンにもついに音場補正の時代が到来
季刊ネットオーディオ編集部・浅田陽介
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ドイツ・ベルリンで開催中のIFA2012にて、AUDYSSEYは会場と別にプライベートブースを展開し、同社が誇る音場補正の最新技術や、Bluetoothスピーカーなどの新製品を紹介している。

●声の帯域のみにフォーカスしたテレビ向けの新技術

まずはテレビの音場補正技術の新技術。AUDYSSEYの技術の核となるのは、アコースティック・コレクションやベース・エクステンション、また音の歪みの除去などが挙げられるが、今回の新技術は音楽コンテンツなどで「声をもっと綺麗に聴かせる」という目的に特化したものだという。

AUDYSSEYのCTOであるChris Kyriakakis氏

「現在の薄型テレビは、音質面で多くの問題を抱えています。例えば、薄型とすることでスピーカーは非常に小型なものを搭載せざるを得なくなり、さらにはテレビの下部に下へ向けて設置しなければならないなどの問題です。我々の技術はソフトウェアベースでその問題点を解決します」とCTOであるChris Kyriakakis氏は語る。

今回の技術は声の帯域にのみフォーカスして補正するというもので、これによりライブ感溢れるサウンドの再生を可能としている。

●Android端末向けアプリも開発中 − ヘッドホンを特定して音場補正する

次にスマートフォン、ヘッドホンユーザー必見となるAndroid端末向けのアプリケーションだ。これは複数のヘッドホンに対して最適化した音場補正のプリセットを予め用意し、アプリに収めているもの。ヘッドホンを特定してプリセットを用意することで、より大きな音場補正効果を獲得することができるというものだ。

特定のヘッドホンのプリセットを複数用意し、さらなる音場補正効果を実現するAndroid用アプリを開発中

また、ヘッドホンのみならず、スマートフォンに内蔵されたスピーカーにも効果を適用できるなど、今後ますます注目を集めることが予想される技術となっている。

現在、複数のキャリアや端末メーカー、ヘッドホンメーカーとプロジェクトを進行させているとのことで、アプリケーションの名前はそれぞれ異なることになるが、主にアプリケーション名に「Powered by Audyssey」を追加する方向で進行しているとのことだ。

●新Bluetoothスピーカー「AUDYSSEY WIRELESS SPEAKER」

「AUDYSSEY WIRELESS SPEAKER」は、すでに発売されている同社の「MEDIA SPEAKER」の兄弟モデルとなるスピーカーシステム。MEDIA SPEAKERでは入力にS/PDIFを装備していたが、本機はそれをBluetoothに変更している。

Bluetoothスピーカー「AUDYSSEY WIRELESS SPEAKER」

3.5インチのウーファーと0.75インチのトゥイーター、4インチのパッシブラジエーターを搭載する基本的な仕様は同一だが、今回のAUDYSSEY WIRELESS SPEAKERでは、さらにブラッシュアップさせたドライバーユニットが採用されている。

「AUDYSSEY WIRELESS SPEAKER」の背面。ペアリングのためのスイッチとAUX入力、電源端子を用意。アンプなどからケーブルで接続することも可能だ

Bluetoothを採用したことにより、スマートフォンやタブレットデバイスをはじめ、テレビでもワイヤレスでダイレクトに使用することができるようになっている点も注目だ。

日本での発売は近日中を予定していることで、価格は¥29,800前後を予定している。

●スマホなどの音声通話・VoIP向けの新技術も発表

携帯電話での音声通話時の音質改善やスカイプをはじめとするVoIPアプリケーション向けにAUDYSSEYは新技術を公開した。

ひとつは「Quietype」。これは文字通りSkypeやFace TimeなどのVoIP使用時のタイピングノイズを抑制するというものだ。

もうひとつは「AUDYSSEY Full Voice」。通常、携帯電話の音声通話やVoIPでは伝送効率の向上のために声の高域、低域をカットした状態で伝送しているが、この技術ではこのカットされた帯域を再構築して、より聞き取りやすい音質に補正するといったものだ。この技術はスマートフォンやタブレットデバイス、パソコンなど、音声通話及びVoIPで通話ができるあらゆる端末に搭載することが可能な技術となっている。

AUDYSSEYの大きな特徴は、顧客に対して最適化した技術を提供していることである。今後、IFA2012で発表された技術は、それぞれの製品に最適化されてユーザーのもとへ届けられることとなる。


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