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公開日 2017/01/06 12:32
<CES>画面から音が出る新体験。ソニー初の4K有機ELテレビ「A1E」を見た、聴いた
Z9DとA1Eの「キャラの違い」も説明
今年のCESの目玉の一つが、ソニーが発表した4K有機ELテレビ「A1E」シリーズ(関連ニュース)だ。
今回、本機をくわしく視聴し、画質や音質を確かめることができたので、本機のまだ明らかになっていない情報も含めてレポートしていこう。
本機について説明したソニービジュアルプロダクツ(株)技術戦略室 の小倉敏行氏は、「Backlight Master Drive」や同社のフラグシップテレビ「Z9D」の開発も行った、同社の名物エンジニアだ。自身を「HDRのグル(導師)」と呼んでいる。
■左右2対のアクチュエーターでパネルを振動させ音を出す
まず小倉氏は、本機のサウンドについて紹介した。昨日のニュースでもお伝えした通り、本機は画面全体が振動して音を出す「Acoustic Surface」という、これまでの薄型テレビにはなかった方式を採用している。小倉氏が「こういうことがしたかったので有機ELを選んだ」というほど、本機の大きなポイントとなっているフィーチャーだ。
このスピーカーの仕組みはというと、本体の背面、横方向に渡したバーの中に、左右2つずつのアクチュエーターを内蔵している。このアクチュエーターは背面カバーに固定されており、背面カバーが支点となって、前面の有機ELパネルを押す。するとパネルが震え、その波が伝わって音が聞こえるという仕組みだ。
なお画面に正対したとき、ちょうど画面を横半分で二つに分けたゾーン全体が振動する。どこか画面の一部分だけが振動するというわけではない。
この左右のアクチュエーターは、画面の上下方向中央よりも若干上側、また左右のバランスで言うと若干外側に配置されている。完全な中央に配置しなかったのは、定在波が出ないようにするための工夫だという。なお、なぜ片チャンネルに2つのアクチュエーターが必要なのか尋ねたら、「企業秘密」とのことで教えてもらえなかった。
■「本当のリップシンクを実現したかった」
画面から音が出るというとギミックのように感じる向きもあるだろうが、ソニーとしては「映画館はスクリーンから音が出る。テレビでも、あのような本当のリップシンクを実現したい」という考えから、この方式の採用に至ったのだという。
スピーカーが下にあると、音の出どころと画面が物理的に離れてしまい、違う場所から音が出ていることが知覚できてしまう。このため信号処理で音を上に持ち上げる処理を行うのだが、それによって別の違和感を覚えることもある。本当に画面から音を出せれば、これらの問題は万事解決するというわけだ。
なおオーディオファンなら、NXT社のものなど、平面を振動させて音を出す技術をご存じの方もいるだろう。
A1Eシリーズのものも基本的な原理はこれと同じだが、同社はグラススピーカー「Sountina」など、様々なノウハウを持っている。小倉氏は「テレビメーカーでスピーカーを内製しているところはほかにない。ソニーならではのノウハウを投入した」と胸を張る。
またAcoustic Surfaceは、原理的に音が聞こえる範囲が広いことも特徴とのこと。有機ELパネルは視野角が広く、斜めからでも正対した際とほとんど同じ画質が得られるが、音も同様にスイートスポットが広いため、有機ELに適した方式だという。また本機は「S-Force」も搭載。DSP処理で音の拡がり感を高めている。
今回、本機をくわしく視聴し、画質や音質を確かめることができたので、本機のまだ明らかになっていない情報も含めてレポートしていこう。
本機について説明したソニービジュアルプロダクツ(株)技術戦略室 の小倉敏行氏は、「Backlight Master Drive」や同社のフラグシップテレビ「Z9D」の開発も行った、同社の名物エンジニアだ。自身を「HDRのグル(導師)」と呼んでいる。
■左右2対のアクチュエーターでパネルを振動させ音を出す
まず小倉氏は、本機のサウンドについて紹介した。昨日のニュースでもお伝えした通り、本機は画面全体が振動して音を出す「Acoustic Surface」という、これまでの薄型テレビにはなかった方式を採用している。小倉氏が「こういうことがしたかったので有機ELを選んだ」というほど、本機の大きなポイントとなっているフィーチャーだ。
このスピーカーの仕組みはというと、本体の背面、横方向に渡したバーの中に、左右2つずつのアクチュエーターを内蔵している。このアクチュエーターは背面カバーに固定されており、背面カバーが支点となって、前面の有機ELパネルを押す。するとパネルが震え、その波が伝わって音が聞こえるという仕組みだ。
なお画面に正対したとき、ちょうど画面を横半分で二つに分けたゾーン全体が振動する。どこか画面の一部分だけが振動するというわけではない。
この左右のアクチュエーターは、画面の上下方向中央よりも若干上側、また左右のバランスで言うと若干外側に配置されている。完全な中央に配置しなかったのは、定在波が出ないようにするための工夫だという。なお、なぜ片チャンネルに2つのアクチュエーターが必要なのか尋ねたら、「企業秘密」とのことで教えてもらえなかった。
■「本当のリップシンクを実現したかった」
画面から音が出るというとギミックのように感じる向きもあるだろうが、ソニーとしては「映画館はスクリーンから音が出る。テレビでも、あのような本当のリップシンクを実現したい」という考えから、この方式の採用に至ったのだという。
スピーカーが下にあると、音の出どころと画面が物理的に離れてしまい、違う場所から音が出ていることが知覚できてしまう。このため信号処理で音を上に持ち上げる処理を行うのだが、それによって別の違和感を覚えることもある。本当に画面から音を出せれば、これらの問題は万事解決するというわけだ。
なおオーディオファンなら、NXT社のものなど、平面を振動させて音を出す技術をご存じの方もいるだろう。
A1Eシリーズのものも基本的な原理はこれと同じだが、同社はグラススピーカー「Sountina」など、様々なノウハウを持っている。小倉氏は「テレビメーカーでスピーカーを内製しているところはほかにない。ソニーならではのノウハウを投入した」と胸を張る。
またAcoustic Surfaceは、原理的に音が聞こえる範囲が広いことも特徴とのこと。有機ELパネルは視野角が広く、斜めからでも正対した際とほとんど同じ画質が得られるが、音も同様にスイートスポットが広いため、有機ELに適した方式だという。また本機は「S-Force」も搭載。DSP処理で音の拡がり感を高めている。
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