Z9DとA1Eの「キャラの違い」も説明
<CES>画面から音が出る新体験。ソニー初の4K有機ELテレビ「A1E」を見た、聴いた
パネルサイズが変わると、スピーカーサイズが変わることになるので、当然ながら周波数特性や音色も変わる。このあたりも計算しながら音づくりを行っているのだという。
低音を出すウーファーユニットは別途用意。背面の、ついたて状スタンドの上部に設けている。なお、このついたて状スタンドの下部には入力端子部がある。
なおついたて状スタンドの形状を見て「壁掛けはどうするのか」と気になった方もいるかもしれないが、心配は無用。このスタンドを折りたためば壁掛け設置が可能だ。ウーファーも壁に密着しないので、気にせず設置できる。
■画面が揺れてるとは思えないほどの音質に驚き
いよいよ実際の音を聴いてみる。率直に言って、音が出るまでまったく期待していなかったのだが、良い意味で裏切られた。
まず「スター・ウォーズ フォースの覚醒」の冒頭「スター・ウォーズのテーマ」が再生されたが、ファンファーレなど金管楽器が高らかに鳴り響くゴージャスなサウンドに驚いた。
また戦闘シーンでも、銃撃の音がスピーディーに移動する様子がとてもリアルで小気味よい。それに加えてセリフの明瞭さにも驚く。くっきり・はっきりと聞こえ、それでいて重厚さもしっかりと表現できているのだ。
アリシア・キーズのライブ動画も視聴した。ボーカルの表現力をしっかりとトレースできていることはもちろん、これは背面のウーファーの効果だろうか、バスドラムもしっかりと沈み込み、音の深みを感じさせる。全体を通して、音の拡がり感も高いレベルにある。
これまで「音の良いテレビ」は各社から多数発売されてきたが、本機もかなり高いレベルにある。他社製テレビとの音の比較も体験できたが、A1Eシリーズのあとで他社製のものを聴くと、いわゆる「シャカシャカした音」に感じられ、表現力の差が大きいことを実感した。
この音質を、見た目からはまったくスピーカーの存在に気づかない「スピーカーレスデザイン」で実現しているのだからユニークだ。
なお、画面全体が揺れるということで、画質への悪影響が気になるファンもいることだろう。これについては「目視の試験、測定、様々なテストを行って、全く影響がないことを確認している」とのこと。ボリュームを最大の「100」にしても大丈夫とのことなので、安心して欲しい。
■A1Eシリーズの画作りとは?
続いては画質である。前述したとおり小倉氏は、Z9Dシリーズの開発者でもある。「最近になって有機ELパネルもかなり良くなってきたので採用することを決めた。最後の最後、足りないところを当社独自チップ『X1 Extreme』で補っている」と導入の経緯について説明した。