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公開日 2017/04/05 11:15

凛として時雨・ピエール中野氏がポータブルオーディオの魅力を語る!ソニーストアのイベントをレポート

Just ear/ウォークマン開発者と三者でトーク
編集部:川田菜月
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3月11日(土)と3月18日(土)に大阪と東京・銀座のソニーストアにて「ピエール中野 × Just ear開発責任者 × ウォークマン開発者 スペシャルトークショー」が行われた。

“凛として時雨”のドラマー・ピエール中野氏を迎えたトークショーを開催

本イベントは、特別ゲストとして“凛として時雨”のドラマー・ピエール中野氏を迎え、Just ear開発責任者・松尾伴大氏と、ウォークマン「NW-WM1Z」開発者・佐藤浩朗氏の3人で、イヤホン/ヘッドホンの魅力を語るトークショー。3月11日に大阪で2回、3月18日に東京で1回と計3回開催された。

イベントは各回定員20名。事前申し込み制で、東京・大阪ともに予約開始直後からすぐに満席となった。当日はピエール中野さんのファンの方から、Just earユーザーやオーディオマニアな方々が集まっていた。

定員20名の貴重な機会

トークはまず、イヤホン/ヘッドホンをどんな風に選んだら良いか?というテーマから。元々ピエールさんがイヤホンに興味を持ったきっかけは、「自分がいつ一番音楽を聴いているかと考えた時、移動中が一番長いなあ、と。それでイヤホンにもっとこだわってみようと思ったのが始まりです」とのこと。

そこからリスニング用に探し始め、最初はとにかくネット上にあるレビューをチェックしたという。そこで最初に購入したのが、“イヤホンの銘機”として語られている、Ultimate Earsの『Triple.fi 10 Pro』だ。

こだわってみようと探して最初に購入したイヤホンは、Ultimate Earsの『Triple.fi 10 Pro』

「多くのレビューで“イヤホンスパイラル”が続くと書かれていて。じゃあ一体どれだったらいいのか?と調べていたら10 Proに行き着きました。ただ当時は2,000〜3,000円のイヤホンを使っていたし断線も気になるので、4〜5万円の値段に悩みましたが、思い切って買ってみたら、こんなにも音楽の聴こえ方が変わるんだ!と違いを感じて感動しました」と語る。そこからリケーブルやイヤーチップを試したり、Twitter上で感想を発信した際にフォロワーから多くの情報をもらったりして、どんどんハマっていったという。

製品選びには、とにかくレビューや評価を調べるというピエールさん。「ドラムを選ぶ際にも試打ができないので、レビューや評判を見て文章から伝わってくる実力を読み解きながら決めています。何かを選ぶ際にはそれを応用した形で考えます」という。

「スパイラルに巻き込まれないために一番良いとされるイヤホンを買ったはずなのに、結果入り口でした…」

松尾氏も「評価の中には数値化されているものもありますが、その数値がどのような背景で出されたものかが重要で、そうした文章から読み解く力というのは重要だと思います。イヤホン/ヘッドホンの評価は面白くて、ユーザーの声で評判が広まっていった部分があって、その中でミュージシャンの意見は影響力もあるのでエンジニアにとっても参考になります」と語る。

Just ear開発責任者・松尾伴大氏

ピエールさんがリスニング用を選ぶポイントとしているのは「解像度の高さ」で、「10 proで今まで聴こえていなかった音が聴こえる感動がすごくあったので、解像度が高いのが好きになりました。もちろんミュージシャンとして出したい音を大前提としつつも、好きだなと思える音があればそれは正しいと思うし、10 Proで聴いた時には、楽曲がもっとかっこよくなったと感じました」とコメント。

それを聞いて松尾氏は「欲しい言葉をいただきました!」と笑顔。「一番重要なのは『こっちで聴いた方がかっこいい』という感覚で、その軸だけで良いと思っています。エンジニアやミュージシャンとしては正しさを理解する必要はありますが、聴く側、楽しむ側になった時には、自分の感覚でかっこいいと思えることが大事と僕も考えています」と語った。

満面の笑みを浮かべる松尾氏

ここからはJust earの話へ。完全受注生産で耳型だけでなく音質まで個々人に合わせて製作する“テイラーメイドイヤホン”として今や人気の製品だが、当初は「ユーザーの好みに合わせて音を変えるって、エンジニアとしてポリシーないんじゃないの?と言われたりもしました…」と松尾氏。ただ、数々のイヤホンを設計してきた中で、楽曲に合わせた音作りがあると感じて、「エンジニアの技術を使ってその個々人の好みを実現することに意味があると思っています」という。

ピエールさんが作ったJust earの音作りは、最近普段使いに愛用していたCampfire Audio「ANDROMEDA」の音質を参考にしている。ANDROMEDAも今人気のイヤホンで、松尾氏はピエールさんの好きな楽曲をリサーチしてチューニングを施していったとのこと。

「ANDROMEDA」をベースに音作りをしていったという

最初に聴いた印象として「まず驚いたのが、Just ear自体のポテンシャルの高さ。解像度も素晴らしく、ANDROMEDAの良い部分を抽出しながら広がりや奥行きが更に向上していて、ここから更に音を詰めていけるという点にすごく可能性を感じました」と絶賛した。

音の調整には、同じプレーヤーを同時に聞く機械を使って一緒に聞きながら進めるという。同じ音を聞きながら調整できるので、ざっくりとした感想でもそこから松尾氏が想像しながらチューニングをしていけるという点が、テイラーメイドイヤホンと言われるJust earならではの魅力だ。

恋が芽生えるような距離感と感覚がありますよね…とのこと

仕上がりは「すごく気に入っていて、超愛用してます!」とピエールさん。松尾氏も「カスタムイヤホンはステージ用が多いですが、普段使いしてもらえるのはエンジニアとしても嬉しいです」と語った。

Just earを普段使いに超愛用しているとのこと

壇上にはウォークマン「NW-WM1Z」とヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」も用意。ウォークマンについてピエールさんは、「実際に聞くと、音の立ち上がりの速度感だったり、スマホなどで聴くのと明らかに違って聴こえる」とし、ヘッドホンアンプは「大阪で初めて聴いたんですけど、ウォークマン単体でもすごいのに更にそのポテンシャルを最大限に引き出していてすごいと思いました」と語り、その音が忘れられずイベント後には「TA-ZH1ES」を購入したとのことだ。

ウォークマン「NW-WM1Z」

ヘッドホンアンプ「TA-ZH1ES」

これらの製品開発には、実はJust earの開発で得られた情報が多く反映されているという。前述のとおり、Just earでは一緒に音を聞きながらチューニングをしていく作業があり、そこで数多くのデータが集まっていく。そうして蓄積されたユーザーの指向から、今どういったものが求められているのか?という方向性が見えてくるという。

ウォークマンの開発設計者である佐藤氏も、Just ear関連のイベントなどに参加して「直にユーザーの声を聞いて、リアルな情報を得られるのはすごく良いですね。今まで設計者はそういった機会が少なかったんですが、NW-WM1Z/WM1Aの開発にあたっては、ユーザーの意見がかなり反映されています」とし、Just earとの関係がより良い製品開発へ繋がっている一つだと語った。

ウォークマン「NW-WM1Z」開発者・佐藤浩朗氏

イベント当日はソニーのBAイヤホン「XBA-N3」を、ピエールさんオススメの楽曲で試聴ができるように特別展示。こちらも普段「すぐ聴きたい!という時によく使っています」と愛用しているとのこと。また、イベント終了後にはTwitterなどでは「Just earが欲しくなった」「購入したい物が増えました」といった参加者の感想も多く見られた。

今回のトークショーはソニーストア内のシアタールームにて開催。シアタールームには大画面のスクリーンとプロジェクターや本格的なHi-Fiオーディオシステムを備えており、音環境も含めてソニーの“音のマイスター”が部屋を作り込んでいるという。予約をすれば普段も使用可能で、じっくりと様々な製品を体験することが可能だ。また、ソニーストアでは今後も様々なイベントを実施し、気軽にソニー製品を体験できる機会などを増やしていくとしている。


Infomation

【LIVE】
● ピエールフェス 2017
日程:2017年7月16日(日) 
会場:LIQUIDROOM
OPEN&START: 16:00
出演:ピエール中野(凛として時雨) / にゃんごすたー / [DJ] 団長(NoGoD) and more
TICKET:¥4,181 (よいバイブス価格!)税込/D代別

【RELEASE】
● 凛として時雨
ミニアルバム「es or s」NOW ON SALE AICL-2949 ¥1,998(税込)
ベストアルバム「Best of Tornado」NOW ON SALE  AICL-2804 ¥3,024(税込)

● ピエール中野
ソロアルバム「Chaotic Vibes Orchestra」NOW ON SALE AICL-2714 ¥2,700(税込)

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