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公開日 2017/05/23 17:34
NHK、BT.2020をほぼカバーする有機ELデバイス。緑の高色純度化に成功
有機ELディスプレーの広色域化に向けて
NHKは、有機ELディスプレイでBT.2020の色域をほぼカバーできるようにする“緑色有機ELデバイス”を開発した。
赤・青・緑という光の三原色のうち、従来の有機ELでは色の再現性が狭かった緑の色純度が高い有機ELデバイスの開発に成功。4Kや8Kスーパーハイビジョンで使われるBT.2020をほぼカバーする色域を実現させた。NHK技研公開で説明を担当していたスタッフによれば「現状でBT.2020をおよそ92〜93%程度をカバーしている。98%くらいまでは伸ばせると思う」とのことだった。
光は波長によって色が異なり、光に含まれる波長の分布が広いと様々な色の光が混在していることになり、狭い範囲に集中すれば色の純度が高いことになる。有機ELディスプレーは、優れた応答速度と高いコントラスト比が特徴だが、赤青緑の三原色のうち、波長の違いが色の変化に大きく影響する緑色の有機ELデバイスについては、高色純度化がこれまでの課題になっていた。
そこで今回、デバイスを構成する材料や構造を見直した。高い色純度のは好材料に適した周辺材料を開発することで、高い色純度を保ちながら、高効率化を実現させたという。
構造においてはトップエミッション構造を導入。光の干渉を利用して特定の波長を強めることで、さらに色純度を向上させた。カラーフィルターを用いること無く、極めて高い色純度の緑色発光を実現できるという。
これらにより、発光波長の半値幅を従来の約70nmから約20nmに狭めることに成功。本デバイスを用いることで、従来のデバイスを用いた場合に比べて広色域表色系の色域包含率を約25%向上させることができるという。
なお将来的には、本特許をメーカー各社が利用して広色域有機ELディスプレーを開発するなどを想定しているとのこと。本デバイスは今週5月25日(木)〜28日(日)まで一般公開されるNHK技研公開2017で披露されるほか、アメリカで開催されるSociety for Information Display International Symposiumにも出展される。
赤・青・緑という光の三原色のうち、従来の有機ELでは色の再現性が狭かった緑の色純度が高い有機ELデバイスの開発に成功。4Kや8Kスーパーハイビジョンで使われるBT.2020をほぼカバーする色域を実現させた。NHK技研公開で説明を担当していたスタッフによれば「現状でBT.2020をおよそ92〜93%程度をカバーしている。98%くらいまでは伸ばせると思う」とのことだった。
光は波長によって色が異なり、光に含まれる波長の分布が広いと様々な色の光が混在していることになり、狭い範囲に集中すれば色の純度が高いことになる。有機ELディスプレーは、優れた応答速度と高いコントラスト比が特徴だが、赤青緑の三原色のうち、波長の違いが色の変化に大きく影響する緑色の有機ELデバイスについては、高色純度化がこれまでの課題になっていた。
そこで今回、デバイスを構成する材料や構造を見直した。高い色純度のは好材料に適した周辺材料を開発することで、高い色純度を保ちながら、高効率化を実現させたという。
構造においてはトップエミッション構造を導入。光の干渉を利用して特定の波長を強めることで、さらに色純度を向上させた。カラーフィルターを用いること無く、極めて高い色純度の緑色発光を実現できるという。
これらにより、発光波長の半値幅を従来の約70nmから約20nmに狭めることに成功。本デバイスを用いることで、従来のデバイスを用いた場合に比べて広色域表色系の色域包含率を約25%向上させることができるという。
なお将来的には、本特許をメーカー各社が利用して広色域有機ELディスプレーを開発するなどを想定しているとのこと。本デバイスは今週5月25日(木)〜28日(日)まで一般公開されるNHK技研公開2017で披露されるほか、アメリカで開催されるSociety for Information Display International Symposiumにも出展される。