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公開日 2021/01/25 18:57
ドルビーがオンラインイベントで語った、コロナ前後でおうちエンタメはこう変わった
独自技術だけでなく市場動向など紹介
ドルビーラボラトリーズは、同社技術のアップデートや取り組み、市場動向などについて紹介するオンラインイベント「Dolby Summit 2021」を開催した。例年、米ラスベガスで開催されるCESに出展している内容を、オンラインイベントで開催した格好だ。
イベント冒頭で挨拶したCEOのケビン・ヤーマン氏は「2020年はいろいろな意味で不安定で変化のあった年であり、世界中の多くの人にとって困難な年となった」と振り返りつつ、同社では社員、コミュニティ、パートナーの健康と幸せを第一に活動したと報告した。
また、消費者の行動やトレンドがかなりの速度で変化していることを目の当たりにしており、今後のコンシューマエンターテインメントのエコシステムに大きな影響を与えるだろうともコメント。同社ではこれをチャンスと捉え、「変化を受け入れ、同社の画期的で忘れられない映像/音響技術によって、人々を結びつけるストーリーや体験の共有をこれまで以上に提供していく」と述べた。
続いて登壇したコマーシャルパートナーシップ担当/シニア・ヴァイスプレジデントのジョン・クーリング氏も「昨年、エンターテインメントの意味はほぼ一夜にして変わりました。映画館やコンサート会場が閉鎖されるにつれ、リビングルームがエンターテインメントの中心となりました」と、新型コロナウイルス流行の影響に触れた。
同社がリサーチ会社と共に、主要市場である中国/インド/米国/フランスの計5,000人を対象に行った調査によれば、昨年1月から11月までの間、米国では72%、フランスでは55%、中国/インドでは90%以上の消費者がエンターテインメントへの支出を増大。そして回答者の86%が、家族や友人とメールやビデオチャット、ライブチャットなどバーチャルで繋がりつつ、一緒にコンテンツを楽しんだことがあると答えたという。
クーリング氏は「世界中の消費者にとってエンターテインメントで考えるべき事柄とは、もはや家に居るか外出するかということではなく、どうすれば家に居ながらずっと繋がっていられるか、ということに変わっている」と分析。この“繋がりを維持する”過程で、コンテンツの消費量が増えていることも興味深いと述べた。
また77%以上の回答者は、より良い画質/音質を実現するためであればプレミアムサブスクリプションへの加入を厭わず、82%以上の回答者は今後6か月以内に視聴デバイスのアップグレードを検討しているという。
さらに別の統計によれば、米国では昨年3月以降、消費者の3人に2人が映像コンテンツの消費量を増やし、また4人に1人が新しいストリーミングサービスに加入するなど、より多くのコンテンツが、より頻繁に、より長い時間消費されるようになっており、映像だけでなく音楽ストリーミングやゲームの売上も非常に伸びたことを報告した。
こうした中でクーリング氏は、製作者が意図したとおりにコンテンツを見聞きし、没入できるようにする取り組みがこれまで以上に重要となると認識。世界中のコンテンツクリエーター/ストリーミングサービスとのパートナーシップを強化し、ドルビービジョン/ドルビーアトモスといった同社の技術により、ジャンルや市場を越えて視聴体験を高めていくと語った。
具体的な事例として、昨年多くの再生数を獲得したNetflixオリジナルコンテンツ『タイラー・レイク』『ウィッチャー』『ペーパー・ハウス』『クイーンズ・ギャンビット』はドルビービジョン/ドルビーアトモスを用いて製作されており、その他スポーツ中継にもドルビー技術を採用されていること、BT SPORTSではスマホ含むさまざまな端末でドルビーアトモス配信が利用できるなったことなどを紹介した。
ハードウェアでは、コンテンツのメタデータに加えて視聴環境の明るさも加味して映像を最適化するドルビービジョンIQ、サウンドバーでの対応が進むドルビーアトモスの普及を報告。テレビメーカーと協力してアップワードファイアリングスピーカー内蔵テレビを開発した事例や、欧州向けにドルビービジョン/ドルビーアトモス/Wi-Fi6/主要ストリーミングサービスをサポートするSTBを開発した事例などもアピールした。
PC/モバイル/オーディオ/ゲームの各分野における統計データや、同社の取り組み、技術に関しても同社の各担当者から報告された。
昨年、過去10年間で最高の成長率を記録したPC市場、またアプリの利用やダウンロード数アプリ内課金が過去最高を記録したモバイル市場では、コアなユーザーだけでなく一般ユーザーも最高の視聴覚技術が求められると分析。PC/モバイルデバイスメーカーと共にドルビー技術のエコシステムを拡大していくと共に、映像/音声の品質だけでなく、省電力にも貢献しているとアピールする。
LenovoのノートPCでいち早く採用された、ビデオ会議の音質改善技術「Dolby Voice」も紹介。参加者の発言の定位/距離感の最適化や、音量のノーマライズやノイズ低減などにより、自然でスムーズなコミュニケーションを実現できるとした。また、アップル「iPhone12」シリーズでは、ドルビービジョンでの動画撮影/編集機能が搭載されたことにも触れられた。
オーディオ面では、昨年のCES2020で発表したイマーシブサラウンド技術「Dolby Atmos Music」のアップデートを紹介。中東/北アメリカのストリーミングサービスにも採用されたことをはじめ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュら著名アーティスト作品のドルビーアトモスミュージック配信が進んでいることが語られた。
また、Disney+やAppleTV+などで独占配信されているライブ映像やミュージックビデオへのドルビーアトモス採用、ロンドンのディーンストリート・スタジオ、ロサンゼルスのララビーサウンドスタジオといった著名な音楽スタジオへのドルビーアトモス環境の導入、ユニバーサル/ワーナーなどレーベルとのパートナーシップも進行。インディー/アマチュアアーティストでもドルビーアトモスでの製作ができるよう、業界全体のサポートを継続しているとした。
ゲーム分野では、いまや米国の消費者の75%、およそ2億人が何かしらのデバイスでゲームを遊んでいるというデータを紹介。5人に1人が新技術を積極的に試そうとするアーリーアダプターであり、2人に1人がゲーム内広告にも受容的というこの分野について、同社では投資する価値があり、またゲーマーの期待に応えていく必要があると捉えているという。
近年のゲームでは、『コールオブデューティー:ブラックオプス コールド・ウォー』や『サイバーパンク2077』といった大型タイトルでドルビーアトモスが採用されている。同社の研究によれば、ドルビーアトモス音声は没入感を高めるだけでなくパフォーマンス面でも有効で、ステレオ音声で聴くよりも102ミリ秒早く反応できるという、e-sportsにうってつけの効果もあることがアピールされた。
そのほかドルビービジョンに関しても、昨年マイクロソフトから発売された「Xbox Series X/S」がサポート。 対応タイトルも今後登場予定であることが語られた。
イベント冒頭で挨拶したCEOのケビン・ヤーマン氏は「2020年はいろいろな意味で不安定で変化のあった年であり、世界中の多くの人にとって困難な年となった」と振り返りつつ、同社では社員、コミュニティ、パートナーの健康と幸せを第一に活動したと報告した。
また、消費者の行動やトレンドがかなりの速度で変化していることを目の当たりにしており、今後のコンシューマエンターテインメントのエコシステムに大きな影響を与えるだろうともコメント。同社ではこれをチャンスと捉え、「変化を受け入れ、同社の画期的で忘れられない映像/音響技術によって、人々を結びつけるストーリーや体験の共有をこれまで以上に提供していく」と述べた。
続いて登壇したコマーシャルパートナーシップ担当/シニア・ヴァイスプレジデントのジョン・クーリング氏も「昨年、エンターテインメントの意味はほぼ一夜にして変わりました。映画館やコンサート会場が閉鎖されるにつれ、リビングルームがエンターテインメントの中心となりました」と、新型コロナウイルス流行の影響に触れた。
同社がリサーチ会社と共に、主要市場である中国/インド/米国/フランスの計5,000人を対象に行った調査によれば、昨年1月から11月までの間、米国では72%、フランスでは55%、中国/インドでは90%以上の消費者がエンターテインメントへの支出を増大。そして回答者の86%が、家族や友人とメールやビデオチャット、ライブチャットなどバーチャルで繋がりつつ、一緒にコンテンツを楽しんだことがあると答えたという。
クーリング氏は「世界中の消費者にとってエンターテインメントで考えるべき事柄とは、もはや家に居るか外出するかということではなく、どうすれば家に居ながらずっと繋がっていられるか、ということに変わっている」と分析。この“繋がりを維持する”過程で、コンテンツの消費量が増えていることも興味深いと述べた。
また77%以上の回答者は、より良い画質/音質を実現するためであればプレミアムサブスクリプションへの加入を厭わず、82%以上の回答者は今後6か月以内に視聴デバイスのアップグレードを検討しているという。
さらに別の統計によれば、米国では昨年3月以降、消費者の3人に2人が映像コンテンツの消費量を増やし、また4人に1人が新しいストリーミングサービスに加入するなど、より多くのコンテンツが、より頻繁に、より長い時間消費されるようになっており、映像だけでなく音楽ストリーミングやゲームの売上も非常に伸びたことを報告した。
こうした中でクーリング氏は、製作者が意図したとおりにコンテンツを見聞きし、没入できるようにする取り組みがこれまで以上に重要となると認識。世界中のコンテンツクリエーター/ストリーミングサービスとのパートナーシップを強化し、ドルビービジョン/ドルビーアトモスといった同社の技術により、ジャンルや市場を越えて視聴体験を高めていくと語った。
具体的な事例として、昨年多くの再生数を獲得したNetflixオリジナルコンテンツ『タイラー・レイク』『ウィッチャー』『ペーパー・ハウス』『クイーンズ・ギャンビット』はドルビービジョン/ドルビーアトモスを用いて製作されており、その他スポーツ中継にもドルビー技術を採用されていること、BT SPORTSではスマホ含むさまざまな端末でドルビーアトモス配信が利用できるなったことなどを紹介した。
ハードウェアでは、コンテンツのメタデータに加えて視聴環境の明るさも加味して映像を最適化するドルビービジョンIQ、サウンドバーでの対応が進むドルビーアトモスの普及を報告。テレビメーカーと協力してアップワードファイアリングスピーカー内蔵テレビを開発した事例や、欧州向けにドルビービジョン/ドルビーアトモス/Wi-Fi6/主要ストリーミングサービスをサポートするSTBを開発した事例などもアピールした。
PC/モバイル/オーディオ/ゲームの各分野における統計データや、同社の取り組み、技術に関しても同社の各担当者から報告された。
昨年、過去10年間で最高の成長率を記録したPC市場、またアプリの利用やダウンロード数アプリ内課金が過去最高を記録したモバイル市場では、コアなユーザーだけでなく一般ユーザーも最高の視聴覚技術が求められると分析。PC/モバイルデバイスメーカーと共にドルビー技術のエコシステムを拡大していくと共に、映像/音声の品質だけでなく、省電力にも貢献しているとアピールする。
LenovoのノートPCでいち早く採用された、ビデオ会議の音質改善技術「Dolby Voice」も紹介。参加者の発言の定位/距離感の最適化や、音量のノーマライズやノイズ低減などにより、自然でスムーズなコミュニケーションを実現できるとした。また、アップル「iPhone12」シリーズでは、ドルビービジョンでの動画撮影/編集機能が搭載されたことにも触れられた。
オーディオ面では、昨年のCES2020で発表したイマーシブサラウンド技術「Dolby Atmos Music」のアップデートを紹介。中東/北アメリカのストリーミングサービスにも採用されたことをはじめ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュら著名アーティスト作品のドルビーアトモスミュージック配信が進んでいることが語られた。
また、Disney+やAppleTV+などで独占配信されているライブ映像やミュージックビデオへのドルビーアトモス採用、ロンドンのディーンストリート・スタジオ、ロサンゼルスのララビーサウンドスタジオといった著名な音楽スタジオへのドルビーアトモス環境の導入、ユニバーサル/ワーナーなどレーベルとのパートナーシップも進行。インディー/アマチュアアーティストでもドルビーアトモスでの製作ができるよう、業界全体のサポートを継続しているとした。
ゲーム分野では、いまや米国の消費者の75%、およそ2億人が何かしらのデバイスでゲームを遊んでいるというデータを紹介。5人に1人が新技術を積極的に試そうとするアーリーアダプターであり、2人に1人がゲーム内広告にも受容的というこの分野について、同社では投資する価値があり、またゲーマーの期待に応えていく必要があると捉えているという。
近年のゲームでは、『コールオブデューティー:ブラックオプス コールド・ウォー』や『サイバーパンク2077』といった大型タイトルでドルビーアトモスが採用されている。同社の研究によれば、ドルビーアトモス音声は没入感を高めるだけでなくパフォーマンス面でも有効で、ステレオ音声で聴くよりも102ミリ秒早く反応できるという、e-sportsにうってつけの効果もあることがアピールされた。
そのほかドルビービジョンに関しても、昨年マイクロソフトから発売された「Xbox Series X/S」がサポート。 対応タイトルも今後登場予定であることが語られた。