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公開日 2021/04/24 16:34
<ヘッドフォン祭>Astell&Kernの新DAP「SE180」紹介、Acoustuneはチャンバー交換できるイヤホン「HS2000MX」進展発表
ライトニングDACアダプター「AS2000」も
本日4月24日、「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」が開催。YouTubeで生配信されたイベントから、アユートの配信内容を抜粋してお届けする。
■アユート(Astell&Kern/Acoustune)
今回最初に登場したアユートは、同社が取り扱うAstell&KernとAcoustuneの2ブランドから、“ユーザー側で音を探し、楽しむことができる”「交換式」という共通点をもった新製品を発表した。
Astell&Kernからは最新DAP「SE180」が、Acoustuneからは新イヤホン「HS2000MX」とLightning DACアダプター「AS2000」が紹介された。
Astell&Kern「SE180」は、昨日製品発表および先行予約を開始した、ハイレゾDAP“A&futuraシリーズ”の第3弾モデル。発売日は5月21日で、価格は209,980円(税込)。
ブランド史上初となる、オールインワンの交換式DACアンプモジュールを採用した新プレーヤー。従来モデル「SE200」で採用された、2種類のDACを内蔵するマルチDACシステムの機能拡張を目標に開発されたという。
デフォルトのDACアンプモジュール「SEM1」はESS製の8ch DAC「ES9038PRO」をシングル構成とし、同じDACを搭載した従来モデル「SE100」の正当後継機にもあたると説明。専用オプションのDACアンプモジュール「SEM2」(税込49,980円)は、AKM製DAC「AK4497EQ」2基をL/R独立させたデュアル構成。各モジュールごとにネイティブ再生できるサンプリングレートが異なっている。なおいずれもゲイン切り替えやDACフィルター交換が可能、再生時間は約10.5時間と十分な長さを確保している。
モジュール交換には「ダブルロック機構」を採用しており、本体の左右上部のボタンを押しながら引き抜くことで、装着したモジュールの取り外しが可能に。モジュール側のサイドには二つのロック機構が備えられており、しっかりと装着・固定ができるという。内部にはダンパーのようにバネで支えられたコネクターを装備しており、振動も抑制している。
また、独自のサウンドソリューション「TERATON ALPHA」、次世代アンプテクノロジーを採用し、高出力ながらS/Nを向上させた点も特徴としている。アユートの齊藤氏はSE180のサウンドについて「とにかくSNが良い」とアピール。また「各モジュールの搭載DAC『ES9038PRO』と『AK4497EQ』は、従来機の『SE100』と『SP1000/SP1000M』で用いられており、傾向としてはそれらの強力なアップデート版、それぞれの後継機を1つに集約したと言える」とした。
今回Astell&Kernのパートでは特別ゲストとして音楽プロデューサーの佐藤純之介さんも出演。佐藤さんはSE180について、「SEM1はパワー感があり、全帯域でしっかり鳴らし切れていて、次々と音楽を聴き進めたくなる楽しさがある。SEM2はリマスタリング現場などで多いAKM DAC採用ということもあり、より馴染みのある印象で、高解像度なサウンドが楽しめる。スペックは両方とも高く、甲乙付け難い」とサウンドの感想を語った。
モジュール交換については、「正直差し替えるのに最初は不安も感じたが、やってみるとぴったり装着できて、外れそうな心配も全くなく、心地よく使えた」とのこと。
画面はフルHD対応となり、アートワークもキレイに表示できるように。このアップデートについて、佐藤さんは「すごく嬉しいポイント」とし、「実はジャケットアートワークは解像度3,000×3,000で納品しているので、そのジャケットをより美しく表示できるのは嬉しい。音楽は視覚情報ともリンクしている、ジャケットを見ながら音楽を聴く楽しみが広がる。エンターテインメント性が上がったと思う」とコメントした。
UIも変更。画面下部にナビゲーションバーを追加し、どの画面からも再生/曲送りなどが行える、スマホライクな使い勝手を実現した。さらにFTPプロトコルを用いてワイヤレスにファイル転送できる「AK File Drop」機能も追加され、利便性も向上。
Bluetoothはバージョン5.0、SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDACをサポートし、現ラインナップの中で最先端の仕様とした。さらに新機能「BT Sink」により、Bluetoothレシーバーとして、スマホ内の音楽をSE180側で再生できるようになった。なお受信時の対応コーデックはSBC/AAC/LDAC、aptX/aptX HDは非対応となる。
BT Sinkについて、アユートの齊藤氏は「サブスクが浸透してスマホで音楽を聴くことが多い昨今、DAPはポータビリティを特徴としながらも、屋外ではスマホ、DAPは家で使う傾向になっている。BT Sinkモードの搭載により、スマホの操作だけでDAPから音楽を聴くことができるので、改めてDAPを外で使う魅力、良い音で楽しめる利点を発揮できると思う」とアピールした。
また、SE180では操作キーを片側に集約しており、ボリュームノブの下にマルチファンクションボタンを配置。押す回数で再生/曲送り・戻しなどが操作できる。片手かつポケットの中など見えない状態での操作にも便利だとしており、操作面でも外出時での利便性が向上したといえる。
こうした新機能の搭載など、ユーザビリティを重視した製品開発、機能拡充の方向性にAstell&Kernも進んでいると説明。「これまでは、スマホとは一線を画し、マーケットイノベーターといて、DAPならではの進化・発展をすべきという考えがあった。現在は市場で求められていることは何か、日本サイドからも要望を出して、徐々にユーザーの意見を反映する傾向に。製品開発に柔軟性が生まれ、より良いものを市場に出していくスタンスになっている」という。
4.4mmバランス端子の搭載もその一つ。SE180では各モジュールの上部に、3.5mm/2.5mm/4.4mmの3つを備えている。それぞれ内部構造は完全分離しており、端子別の音の違いも楽しめるとしている。
今後の展開については、「ユーザー側で遊べる、楽しめることをコンセプトに、モジュール交換式とした。デフォルトのSEM1、オプションのSEM2のほか、次のモジュールの企画開発も進行している」と齊藤氏は説明。登場時期については「早ければ今冬、難しければ来春あたりまでには、と考えている」とし、「いろんなパターンが登場し、様々な可能性を示すことができる」とした。
続いてAcoustuneの三枝氏も登場し、新イヤホン「HS2000MX」のワーキングサンプルが紹介された。「HS2000MX」は昨秋開催されたヘッドフォン祭にてゲリラ発表された、新たな最上位モデル。ユーザー自身でチャンバー交換ができる点が大きな特徴となる。
Acoustuneのイヤホンは主に、音響チャンバー部と機構ハウジングを分離した構造を特徴としているが、HS2000MXではユーザー自らがチャンバーを交換することができ、イヤホン1台でいろんな個性のある音質を楽しめるという。
従来製品にもデザイン上備えられていたフェイスプレート側のネジが、HS2000MXでは実際に機能するようになる。同社がAcoustuneカプセルテクノロジー「ACT規格」とする仕様を用いており、ネジを外してフェイスプレートを開くと、格納されたチャンバーを交換できる。ノズル部まで一体化しており、筐体側との接点は独自のコネクターを用いてしっかり装着できるという。交換用のチャンバーも別売で数種類用意する。
新たなミリンクス・コンポジットドライバーをシングル構成で搭載。ダイナミック型ドライバーで、中心のドーム部に新たな金属素材の薄膜を貼り付けるとのことだが、今回その材質については非公開。チャンバールームはジュラルミンを採用予定とのこと。
音質傾向としては、「これまで最初の出音で一聴して感じられるインパクトを重視してきたが、HS2000MXでは、リビングでゆっくり音楽を楽しむように、長く使い続けてじっくり魅力を感じられるような方向を目指している」と三枝氏は説明する。ケーブル接続にはPentaconn Earを採用、付属ケーブルは同社が展開するリケーブル「ARCシリーズ」をベースに新開発予定。イヤーピースもAET07/08と異なる新シリーズになる予定だ。
価格は税込20万以下、発売時期は今夏8月を目指すという。なおこの度登場したサンプルは緑がかった色合いとなっていたが、カラーも現在調色中で確定ではないとのこと。
そして、Lightning DACアダプター「AS2000」も合わせて登場。こちらは来月5月には発売できるとのことで価格は1万強程度になる見込み。イヤホン側の端子部が取り外し可能で、2.5mm/3.5mm/4.4mmを用意。ケーブル部はケブラー繊維が織り込まれており、断線しにくい仕様とのこと。
■アユート(Astell&Kern/Acoustune)
今回最初に登場したアユートは、同社が取り扱うAstell&KernとAcoustuneの2ブランドから、“ユーザー側で音を探し、楽しむことができる”「交換式」という共通点をもった新製品を発表した。
Astell&Kernからは最新DAP「SE180」が、Acoustuneからは新イヤホン「HS2000MX」とLightning DACアダプター「AS2000」が紹介された。
Astell&Kern「SE180」は、昨日製品発表および先行予約を開始した、ハイレゾDAP“A&futuraシリーズ”の第3弾モデル。発売日は5月21日で、価格は209,980円(税込)。
ブランド史上初となる、オールインワンの交換式DACアンプモジュールを採用した新プレーヤー。従来モデル「SE200」で採用された、2種類のDACを内蔵するマルチDACシステムの機能拡張を目標に開発されたという。
デフォルトのDACアンプモジュール「SEM1」はESS製の8ch DAC「ES9038PRO」をシングル構成とし、同じDACを搭載した従来モデル「SE100」の正当後継機にもあたると説明。専用オプションのDACアンプモジュール「SEM2」(税込49,980円)は、AKM製DAC「AK4497EQ」2基をL/R独立させたデュアル構成。各モジュールごとにネイティブ再生できるサンプリングレートが異なっている。なおいずれもゲイン切り替えやDACフィルター交換が可能、再生時間は約10.5時間と十分な長さを確保している。
モジュール交換には「ダブルロック機構」を採用しており、本体の左右上部のボタンを押しながら引き抜くことで、装着したモジュールの取り外しが可能に。モジュール側のサイドには二つのロック機構が備えられており、しっかりと装着・固定ができるという。内部にはダンパーのようにバネで支えられたコネクターを装備しており、振動も抑制している。
また、独自のサウンドソリューション「TERATON ALPHA」、次世代アンプテクノロジーを採用し、高出力ながらS/Nを向上させた点も特徴としている。アユートの齊藤氏はSE180のサウンドについて「とにかくSNが良い」とアピール。また「各モジュールの搭載DAC『ES9038PRO』と『AK4497EQ』は、従来機の『SE100』と『SP1000/SP1000M』で用いられており、傾向としてはそれらの強力なアップデート版、それぞれの後継機を1つに集約したと言える」とした。
今回Astell&Kernのパートでは特別ゲストとして音楽プロデューサーの佐藤純之介さんも出演。佐藤さんはSE180について、「SEM1はパワー感があり、全帯域でしっかり鳴らし切れていて、次々と音楽を聴き進めたくなる楽しさがある。SEM2はリマスタリング現場などで多いAKM DAC採用ということもあり、より馴染みのある印象で、高解像度なサウンドが楽しめる。スペックは両方とも高く、甲乙付け難い」とサウンドの感想を語った。
モジュール交換については、「正直差し替えるのに最初は不安も感じたが、やってみるとぴったり装着できて、外れそうな心配も全くなく、心地よく使えた」とのこと。
画面はフルHD対応となり、アートワークもキレイに表示できるように。このアップデートについて、佐藤さんは「すごく嬉しいポイント」とし、「実はジャケットアートワークは解像度3,000×3,000で納品しているので、そのジャケットをより美しく表示できるのは嬉しい。音楽は視覚情報ともリンクしている、ジャケットを見ながら音楽を聴く楽しみが広がる。エンターテインメント性が上がったと思う」とコメントした。
UIも変更。画面下部にナビゲーションバーを追加し、どの画面からも再生/曲送りなどが行える、スマホライクな使い勝手を実現した。さらにFTPプロトコルを用いてワイヤレスにファイル転送できる「AK File Drop」機能も追加され、利便性も向上。
Bluetoothはバージョン5.0、SBC/AAC/aptX/aptX HD/LDACをサポートし、現ラインナップの中で最先端の仕様とした。さらに新機能「BT Sink」により、Bluetoothレシーバーとして、スマホ内の音楽をSE180側で再生できるようになった。なお受信時の対応コーデックはSBC/AAC/LDAC、aptX/aptX HDは非対応となる。
BT Sinkについて、アユートの齊藤氏は「サブスクが浸透してスマホで音楽を聴くことが多い昨今、DAPはポータビリティを特徴としながらも、屋外ではスマホ、DAPは家で使う傾向になっている。BT Sinkモードの搭載により、スマホの操作だけでDAPから音楽を聴くことができるので、改めてDAPを外で使う魅力、良い音で楽しめる利点を発揮できると思う」とアピールした。
また、SE180では操作キーを片側に集約しており、ボリュームノブの下にマルチファンクションボタンを配置。押す回数で再生/曲送り・戻しなどが操作できる。片手かつポケットの中など見えない状態での操作にも便利だとしており、操作面でも外出時での利便性が向上したといえる。
こうした新機能の搭載など、ユーザビリティを重視した製品開発、機能拡充の方向性にAstell&Kernも進んでいると説明。「これまでは、スマホとは一線を画し、マーケットイノベーターといて、DAPならではの進化・発展をすべきという考えがあった。現在は市場で求められていることは何か、日本サイドからも要望を出して、徐々にユーザーの意見を反映する傾向に。製品開発に柔軟性が生まれ、より良いものを市場に出していくスタンスになっている」という。
4.4mmバランス端子の搭載もその一つ。SE180では各モジュールの上部に、3.5mm/2.5mm/4.4mmの3つを備えている。それぞれ内部構造は完全分離しており、端子別の音の違いも楽しめるとしている。
今後の展開については、「ユーザー側で遊べる、楽しめることをコンセプトに、モジュール交換式とした。デフォルトのSEM1、オプションのSEM2のほか、次のモジュールの企画開発も進行している」と齊藤氏は説明。登場時期については「早ければ今冬、難しければ来春あたりまでには、と考えている」とし、「いろんなパターンが登場し、様々な可能性を示すことができる」とした。
続いてAcoustuneの三枝氏も登場し、新イヤホン「HS2000MX」のワーキングサンプルが紹介された。「HS2000MX」は昨秋開催されたヘッドフォン祭にてゲリラ発表された、新たな最上位モデル。ユーザー自身でチャンバー交換ができる点が大きな特徴となる。
Acoustuneのイヤホンは主に、音響チャンバー部と機構ハウジングを分離した構造を特徴としているが、HS2000MXではユーザー自らがチャンバーを交換することができ、イヤホン1台でいろんな個性のある音質を楽しめるという。
従来製品にもデザイン上備えられていたフェイスプレート側のネジが、HS2000MXでは実際に機能するようになる。同社がAcoustuneカプセルテクノロジー「ACT規格」とする仕様を用いており、ネジを外してフェイスプレートを開くと、格納されたチャンバーを交換できる。ノズル部まで一体化しており、筐体側との接点は独自のコネクターを用いてしっかり装着できるという。交換用のチャンバーも別売で数種類用意する。
新たなミリンクス・コンポジットドライバーをシングル構成で搭載。ダイナミック型ドライバーで、中心のドーム部に新たな金属素材の薄膜を貼り付けるとのことだが、今回その材質については非公開。チャンバールームはジュラルミンを採用予定とのこと。
音質傾向としては、「これまで最初の出音で一聴して感じられるインパクトを重視してきたが、HS2000MXでは、リビングでゆっくり音楽を楽しむように、長く使い続けてじっくり魅力を感じられるような方向を目指している」と三枝氏は説明する。ケーブル接続にはPentaconn Earを採用、付属ケーブルは同社が展開するリケーブル「ARCシリーズ」をベースに新開発予定。イヤーピースもAET07/08と異なる新シリーズになる予定だ。
価格は税込20万以下、発売時期は今夏8月を目指すという。なおこの度登場したサンプルは緑がかった色合いとなっていたが、カラーも現在調色中で確定ではないとのこと。
そして、Lightning DACアダプター「AS2000」も合わせて登場。こちらは来月5月には発売できるとのことで価格は1万強程度になる見込み。イヤホン側の端子部が取り外し可能で、2.5mm/3.5mm/4.4mmを用意。ケーブル部はケブラー繊維が織り込まれており、断線しにくい仕様とのこと。