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公開日 2022/02/08 07:00

ポニーキャニオンエンタープライズが空間オーディオ用スタジオを新設。“音楽的に使いやすい設計”の全貌に迫る

リビング環境を模した試写室も紹介
編集部:杉山康介
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音楽の在り方に今、「空間オーディオ」という新たな潮流が訪れている。

空間オーディオ(イマーシブオーディオ)は、ステレオスピーカーや従来のイヤホン・ヘッドホンリスニングとは異なり、全身を“包み込まれる”ような音楽体験を得られる方式。映像作品の分野では以前から活用されており、また近年は、少しずつではあるが音楽作品も登場してきていた。

そして昨年6月、Apple Musicが空間オーディオの音楽作品の配信をスタート。スマホとAirPodsがあれば誰でも体験できる気軽さもあってか、日本での認知度を一気に拡大した。こういった拡大の流れはリスナー側だけの話ではなく、アーティストをはじめとしたコンテンツホルダー側でも、空間オーディオ作品を作ろうという機運が高まってきている。

この流れを受けて、ポニーキャニオンエンタープライズでは、新たにドルビーアトモス対応の“音楽作品向け”スタジオを作ったのだという。スタジオオープンに伴いご招待いただいたので、その全貌を紹介したい。

音楽作品のアトモスミックスを行うための新スタジオ「MA-2」

9.1.4chのドルビーアトモス対応スタジオ「MA-2」

同社は以前より2室のドルビーアトモス対応スタジオを有しており、ここで映像・音楽作品のアトモスミックスなどを行ってきたが、Apple Musicの空間オーディオ配信を皮切りに、音楽作品のアトモスミックスの依頼が急増。既存のスタジオだけでは対応しきれないほどの量になりつつあったため、6.1chサラウンドで稼働していたスタジオ「MA-2」を、9.1.4chのドルビーアトモス環境へとリニューアルさせたのだという。

リニューアルにあたってはエンジニアなど作り手側の意見も取り入れ、「より音楽的に使いやすいスタジオ」となるよう設計。モニタースピーカー/サブウーファーには、多くのレコーディングスタジオで採用されているためエンジニアにも耳馴染みが深い、という理由からジェネレックのものを採用している。

また、既存のアトモス対応スタジオはスタッフの導線等も考慮し、リアスピーカーが後方斜め上に位置する設計となっているが、今回のMA-2は音楽制作を念頭に置き、サラウンド用の9スピーカーをフラットに配置したとのこと。

最大のポイントが、新たにコンシューマー機器からの出力経路を確保したこと。つまり、このスタジオでは「制作用PCから出力するマスター音源」と、「ストリーミングデバイス+AVアンプから出力するApple Musicなどの音源」を、同じモニター環境で聴き比べることが可能なのだ。

多くのクリエイターやエンジニアにとって、音楽作品のアトモスミックスは言わば未知の領域。既存の空間オーディオ作品が各スピーカーをどのように活用しているか、またはマスター音源と実際にディストリビューションされる音源とに違いがあるのかなど、制作用のモニター環境で確認できることは、ミックスにおける強力なサポートになるという。

一般的にスタジオの機器類は複雑にネットワークが張り巡らされているため、コンシューマ機器を割り込ませることは難しいそうだが、今回、タックシステム製モニターコントローラー「VMC-102」の導入により実現。AVアンプには、現在の市場でも最高峰クラスのスペックを持つことや、“まさにスタジオで作ったそのものの音が出る”という理由から、デノンの「AVC-A110」を導入している。

タックシステム製モニターコントローラー「VMC-102」。これがあればワンタッチで出力の切り替えができるという

記者も本スタジオでApple Musicなどの空間オーディオ作品を試聴させていただいた。「プロのスタジオ環境で空間オーディオ作品を聴く」という経験自体が数えるほどしかないものの、ここはその中でも飛び抜けて解像感の高いサウンドだ。空間オーディオ特有の“包まれ感”はキープしつつも、それぞれの音がどこでどう鳴ってるかがしっかりと見える。素人ながら、空間オーディオのモニタリングが高いレベルで可能なスタジオだと思えた。

コンシューマー機器としてデノンのAVアンプ「AVC-A110」が導入されている

次ページドルビーアトモス作品をリビング環境で検証するための試写室も

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