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公開日 2022/04/11 19:22

イーロン・マスク、Twitter取締役を辞退。Twitter CEO「これが最善」【Gadget Gate】

すべてマスク氏流のジョーク?
Munenori Taniguchi
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先週、Twitterの株式9.2%を購入して筆頭株主になり、取締役への就任が発表された大富豪イーロン・マスクだが、その後TwitterのCEOパラグ・アグラワル氏との協議を重ねた結果、取締役就任のオファーを辞退することが明らかになった。

Image:JD Lasica

アグラワル氏はマスク氏の辞退を告げるツイートで、「これが最善だと思う」「われわれは株主の意見を常に尊重している。イーロンは筆頭株主であり、われわれは彼の意見を受け入れ続ける」と述べ、土曜日の朝に予定されていたマスク氏の取締役就任はもはやないものの、両者の関係が良好なことを強調している。



マスク氏のTwitter株式取得から取締役就任の話題と並行して、Twitterではツイートの取り扱いについて、過去の経緯をひっくり返すような変更が起こっている。まずは、Twitterが投稿済みツイートの編集機能を実装予定であると明らかにしたこと。もうひとつは削除済みツイートの埋め込み表示が空欄表示になったことだ。

アグラワル氏は、投稿済みのツイートを後から編集する機能は昨年から開発を進めていたことを明らかにし、マスク氏が筆頭株主になったこととは無関係だとしていた。

またウェブページに埋め込んだツイートについて、元ツイートやそのアカウントが削除された後も変わらず表示を続ける仕様だったはずが、いつのまにか空欄表示に切り替わっていたことに対しては、Twitter広報が「削除したいと考えた人に対し、より敬意を払うため」の変更だと述べた。しかし、その後表示は元に戻された

いずれも、これまでTwitterがツイートの公的な記録としての役割を重視して、編集や埋め込みツイートの表示維持を選択してきたこととは異なる動きであり、ユーザーは困惑することになった(その後埋め込みツイートの表示はいったん元に戻されることになった)。

また、この変更がマスク氏の取締役就任に関連している可能性も感じられた。マスク氏はTwitterの筆頭株主になったと明らかになる直前に「編集ボタン欲しい?」とフォロワーに問うアンケート調査を投稿していた。

その後もマスク氏の悪ノリは収まらず、「Twitterからwを取ってはどうか」と品のない提案をしてみたり(回答の選択肢は “はい”と “もちろん” だけ)、サンフランシスコにあるTwitter本社をホームレスの収容所にしようと述べたり、「次のTwitter取締役会はこうだ」として、自身がマリファナを吸っている画像(陰謀論などで悪名高いジョー・ローガンのポッドキャストに出演した際に撮影)を投稿したりしている。さらにはTwitterが導入しようとしているサブスクリプションプラン「Twitter Blue」の批判さえしていた。記事執筆時点では、それら一連のツイートの一部は削除されている。



マスク氏は世界で最も成功した経営者のひとりであるものの、ジョークと真面目な仕事との線引きが曖昧なことでも知られている。これまでには自身が乗っていたテスラ・ロードスターを火星に向けて打ち上げたり、自身の会社のグッズとして火炎放射器をファンに販売し、購入者がそれを持ち運ぼうとして各国の空港や税関で問題になったこともあった。

マスク氏がTwitterの筆頭株主になったことが判明したとき、CNBCはパッシブステーク、つまり株式を保有することで配当などの利益を得るためのものだと解説しつつ、「何らかの動きがあるかもしれない」と伝えていた。そして取締役への就任が明らかになり、Wiredはマスク氏の行動が「単に短期的な利益を得るためのものである可能性」を指摘した。マスク氏が株式を購入してから、筆頭株主になったことが明らかになった際、Twitterの株価は39.30ドルから一時53.84ドルまで跳ね上がった。

そして取締役への就任が明らかになったが、Wiredはソフトウェア開発スタートアップ「Glitch」のCEOアニル・ダッシュ氏の分析として、マスク氏が「ただ “おふざけ” でそれをやっている可能性がある」との見方があることを伝えていた。Wiredはさらに、マンチェスター・ビジネス・スクール経営学教授ケイリー・クーパー氏による「今回のTwitter株の取得は、マスク氏自身が注目され続けたいがための驚くほど高価なやりかたの可能性」の指摘も紹介している。

Source: Parag Agrawal(Twitter)
via: The Guardian, The Verge
Coverage: Wired



※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。

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