• ブランド
    特設サイト
公開日 2022/06/21 21:57

天才エンジニアのジム・ケラー、古巣のAMDが「K12を愚かにもキャンセルした」と発言【Gadget Gate】

PS5やXboxのプロセッサーもケラー氏あればこそ
Kiyoshi Tane
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ジム・ケラー氏といえば、AMDやアップル、テスラやインテルを渡り歩き、AthlonやZenマイクロアーキテクチャ、Apple A4やA5の設計にも関わった天才エンジニアである。そのケラー氏が、AMDが退社後にARM CPUプロジェクト「K12」を「愚かにもキャンセル」したと発言したことが報じられている。

Image:JHVEPhoto/Shutterstock.com

この発言はケラー氏が「Future of Compute」カンファレンスにて、これまで自らが手がけた様々なプロジェクトの概要やチップ設計の基本について説明した中で飛び出したものだ。それによれば同氏はAMD在籍中にZen 1に取り組み、Zen 2とZen 3の計画も立てたとのこと。最新のZen 4とZen 5プロジェクトはAMD社内の新チームにより設計されるかもしれず、Zen 3がおそらく最後の「ジム・ケラー設計」になる可能性が示唆されている。



ちなみにPlayStation 5もXbox Series X|Sも、搭載プロセッサはともにZen2ベースを採用している。現行の最新据え置きゲーム専用機は、すべて「ジム・ケラー設計ありき」ということだ。

さらにAMD在籍時代、ケラー氏と彼のチームは、Armとx86 CPUのキャッシュ設計が実行ユニットなどがほとんど同じで、2つのプロセッサアーキテクチャの唯一の違いはデコードユニットであることに気づき、新しいチップに取り組んだとのこと。それが「K12」として知られるアーキテクチャであり、2017年のリリース予定とされていたが、5年後の今なお製品は1つも出ていない。

ケラー氏いわく、このK12プロジェクトは本人が退社した後、あるマネージャーによってキャンセルされたそうだ。ほとんどのマネージャーは物事を変えることを怖がるが、自らはアーキテクト(設計士)のため、このような変化を怖がらず、AMD時代の仕事は「Fun(楽しかった)」と振り返られている。

古巣AMDの愚痴をいうケラー氏だが、2021年にインテルのシリコンエンジニアリング統括担当の上級副社長を辞任した後に、「技術的には何もしていなかった」と明かしていた。2022年6月現在、同氏はAIチップのスタートアップTenstorrentで社長兼CTO兼取締役CTOを務めている。

ここ最近のスマートフォンやPC向けチップの命運は、実は一握りの天才エンジニアが握っているとも言われる。アップルでM1チップやM1 Pro、M1 Maxの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏もインテルに移籍したと明かしていたが、今後インテル対アップル、Mac対Windows PCの勢力図にどのような影響をおよぼすかが興味深いところだ。

Source: Future of Compute by Jim Keller(YouTube)
via: Wccftech



※この記事は、現在プレオープン中のテック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」から転載したものです。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX