公開日 2011/12/08 11:09
薄型ボディに詰め込まれた充実のサウンド − iBasso Audio「A02」「A01」を聴く
注目ヘッドホンアンプ SPECIAL REVIEW
ヒビノインターサウンドが取り扱う、iBasso Audioブランドからスリムなポータブルタイプのヘッドホンアンプの「A02」「A01」が発売された。カードケースを凌ぐ薄型軽量な筐体ながら、高音質再生とハイコストパフォーマンスにこだわった両モデルの魅力を、ライターの高橋敦氏がレポートする。
オペアンプを8基内蔵してハイパワー&高音質を実現
iBasso Audio
A02
¥OPEN/2011年12月16日発売
ポータブルヘッドホンアンプのジャンルでひときわ完成度の高いアイテムをリリースし続けているiBasso Audio。この「A02」はカードケースよりもさらに一回りほど小柄で薄型なヘッドホンアンプ。その中に充実した内容が詰め込まれている。
音声信号の増幅素子、オペアンプを贅沢に計8基搭載。加えて仮想グラウンド回路を内蔵することで、BTL(Bridge-Tied Load) grounding駆動を実現。ハイパワーと低歪みを両立している。ボリュームはデジタル式で64段階。ゲインスイッチと合わせて、好みの音量を得られる。ギャングエラーと呼ばれる左右の音量差も最小限に抑制。そのように凝った回路を採用しながらも、USB充電の内蔵リチウムポリマーバッテリーによって、連続駆動時間も最大20時間を確保している。
それを収める筐体の美しさも見事だ。上下のメインシャーシは陽極酸化ステンレス、ミッドフレームは微細樹脂コーティングを施した亜鉛合金ダイキャスト。いずれも落ち着きのある艶消し仕上げ。高い耐久性と手に馴染む感触を持たされている。
携帯プレーヤーとヘッドホンを直接つなぐ場合と比べ、本機を挟むと、ウッドベースもエレクトリックベースも張りと腰が強く音程の確かな音色に。高域側ではシンバルの音色を構成する音の粒子の描き込みが深くなり、またその一粒一粒の輝きを強める印象だ。女性ボーカルの声の手触りもより生々しく引き出す。クラシックでは音と音の間の余白を適当に残して、見通しの良い空間表現を発揮。確かな向上を実感できるアイテムだ。
【A02 SPECIFICATIONS】
●周波数特性:10Hz〜100kHz、-1dB ●S/N比:104dB ●最大出力:200mW+200mW(16Ω)、175mW+175mW(32Ω) ●電源:内蔵リチウムポリマーバッテリー ●電池持続時間:連続約20時間(使用条件によって短くなる場合があります) ●充電時間:約2時間 ●推奨ヘッドホンインピーダンス:8〜300Ω ●入力コネクター:3.5mmステレオミニジャック ●出力コネクター:3.5mmステレオミニジャック ●外径寸法:41W×10H×81Dmm ●質量:62g
人気モデル「T3 Hj」をベースにコストパフォーマンスをアップ
iBasso Audio
A01
¥OPEN/2011年12月9日発売
マッチ箱という表現はもう古いだろうか、とにかくそれくらい小型軽量な充電式ポータブル・ヘッドホンアンプだ。
左右の増幅回路の対称性を高め、ボリュームには高精度なアルプス社製の可変抵抗器を採用と、内容は充実。艶やかなブラックを基調に背面シャーシはヘアライン仕上げとルックスも美しい。プレーヤーとヘッドホンとの間に追加することで、ボーカルのしっとりとした感触、ベースの音色の濃さなどを増すことができる。
【A01 SPECIFICATIONS】
●周波数特性:20Hz〜100kHz、-0.5dB ●S/N比:98dB ●最大出力:76mW+76mW(16Ω) ●電源:内蔵リチウムポリマーバッテリー ●電池持続時間:連続約38時間(使用条件によって短くなる場合があります) ●充電時間:約2.5時間 ●推奨ヘッドホンインピーダンス:8〜300Ω ●コネクター:3.5mmステレオミニジャック×2 ●外径寸法:37W×10H×64.5Dmm ●質量:28g
◆高橋 敦 プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
ポータブルか据え置きか、USB-DAC搭載機も選択のポイント
いま使っているヘッドホンを、もっと高音質で楽しみたい!そんな音楽ファンにぜひ注目してほしい旬のアイテムが「ヘッドホンアンプ」だ。とくにデジタルオーディオプレーヤーやスマートフォンと組み合わせる場合には、ポータブルタイプのヘッドホンアンプが重宝する。
高域のきらびやかさや低域の量感が一段と増した、ダイナミックなサウンドが外出先でも楽しめるようになる。使いこなしのポイントとしては「アンプのボリュームは絞った状態から徐々に大きく」、「プレーヤーのボリュームは真ん中くらいにしておく」、「プレーヤーのWiFi機能はOFFにしておく」ことなどに注意しよう。大型のスタジオモニターなど、低能率のヘッドホンを聴く場合には、据え置きタイプのヘッドホンアンプも視野に入れたい。
いま選ぶなら、USB-DAC搭載モデルもおすすめ。PCのUSB端子からデジタルで取り出した音源は、まったく別次元のサウンド。iBasso Audioの「D5 Hj」は、USB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプの中で、高い評価を獲得している製品だ。入力されたデジタル信号を192kHz/24bitにアップサンプリングして高音質化できる。コンパクトながら音は本格派。全体域に渡ってエネルギーがワンランク増す。本機もぜひ、いちど試してみてほしい。
(プレミアム・ヘッドホンガイド編集部)
【iBasso Audio製品の問い合わせ先】
ヒビノインターサウンド(株)
TEL/03-5783-3880
オペアンプを8基内蔵してハイパワー&高音質を実現
iBasso Audio
A02
¥OPEN/2011年12月16日発売
ポータブルヘッドホンアンプのジャンルでひときわ完成度の高いアイテムをリリースし続けているiBasso Audio。この「A02」はカードケースよりもさらに一回りほど小柄で薄型なヘッドホンアンプ。その中に充実した内容が詰め込まれている。
音声信号の増幅素子、オペアンプを贅沢に計8基搭載。加えて仮想グラウンド回路を内蔵することで、BTL(Bridge-Tied Load) grounding駆動を実現。ハイパワーと低歪みを両立している。ボリュームはデジタル式で64段階。ゲインスイッチと合わせて、好みの音量を得られる。ギャングエラーと呼ばれる左右の音量差も最小限に抑制。そのように凝った回路を採用しながらも、USB充電の内蔵リチウムポリマーバッテリーによって、連続駆動時間も最大20時間を確保している。
それを収める筐体の美しさも見事だ。上下のメインシャーシは陽極酸化ステンレス、ミッドフレームは微細樹脂コーティングを施した亜鉛合金ダイキャスト。いずれも落ち着きのある艶消し仕上げ。高い耐久性と手に馴染む感触を持たされている。
携帯プレーヤーとヘッドホンを直接つなぐ場合と比べ、本機を挟むと、ウッドベースもエレクトリックベースも張りと腰が強く音程の確かな音色に。高域側ではシンバルの音色を構成する音の粒子の描き込みが深くなり、またその一粒一粒の輝きを強める印象だ。女性ボーカルの声の手触りもより生々しく引き出す。クラシックでは音と音の間の余白を適当に残して、見通しの良い空間表現を発揮。確かな向上を実感できるアイテムだ。
【A02 SPECIFICATIONS】
●周波数特性:10Hz〜100kHz、-1dB ●S/N比:104dB ●最大出力:200mW+200mW(16Ω)、175mW+175mW(32Ω) ●電源:内蔵リチウムポリマーバッテリー ●電池持続時間:連続約20時間(使用条件によって短くなる場合があります) ●充電時間:約2時間 ●推奨ヘッドホンインピーダンス:8〜300Ω ●入力コネクター:3.5mmステレオミニジャック ●出力コネクター:3.5mmステレオミニジャック ●外径寸法:41W×10H×81Dmm ●質量:62g
人気モデル「T3 Hj」をベースにコストパフォーマンスをアップ
iBasso Audio
A01
¥OPEN/2011年12月9日発売
マッチ箱という表現はもう古いだろうか、とにかくそれくらい小型軽量な充電式ポータブル・ヘッドホンアンプだ。
左右の増幅回路の対称性を高め、ボリュームには高精度なアルプス社製の可変抵抗器を採用と、内容は充実。艶やかなブラックを基調に背面シャーシはヘアライン仕上げとルックスも美しい。プレーヤーとヘッドホンとの間に追加することで、ボーカルのしっとりとした感触、ベースの音色の濃さなどを増すことができる。
【A01 SPECIFICATIONS】
●周波数特性:20Hz〜100kHz、-0.5dB ●S/N比:98dB ●最大出力:76mW+76mW(16Ω) ●電源:内蔵リチウムポリマーバッテリー ●電池持続時間:連続約38時間(使用条件によって短くなる場合があります) ●充電時間:約2.5時間 ●推奨ヘッドホンインピーダンス:8〜300Ω ●コネクター:3.5mmステレオミニジャック×2 ●外径寸法:37W×10H×64.5Dmm ●質量:28g
◆高橋 敦 プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
ポータブルか据え置きか、USB-DAC搭載機も選択のポイント
いま使っているヘッドホンを、もっと高音質で楽しみたい!そんな音楽ファンにぜひ注目してほしい旬のアイテムが「ヘッドホンアンプ」だ。とくにデジタルオーディオプレーヤーやスマートフォンと組み合わせる場合には、ポータブルタイプのヘッドホンアンプが重宝する。
高域のきらびやかさや低域の量感が一段と増した、ダイナミックなサウンドが外出先でも楽しめるようになる。使いこなしのポイントとしては「アンプのボリュームは絞った状態から徐々に大きく」、「プレーヤーのボリュームは真ん中くらいにしておく」、「プレーヤーのWiFi機能はOFFにしておく」ことなどに注意しよう。大型のスタジオモニターなど、低能率のヘッドホンを聴く場合には、据え置きタイプのヘッドホンアンプも視野に入れたい。
いま選ぶなら、USB-DAC搭載モデルもおすすめ。PCのUSB端子からデジタルで取り出した音源は、まったく別次元のサウンド。iBasso Audioの「D5 Hj」は、USB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプの中で、高い評価を獲得している製品だ。入力されたデジタル信号を192kHz/24bitにアップサンプリングして高音質化できる。コンパクトながら音は本格派。全体域に渡ってエネルギーがワンランク増す。本機もぜひ、いちど試してみてほしい。
(プレミアム・ヘッドホンガイド編集部)
【iBasso Audio製品の問い合わせ先】
ヒビノインターサウンド(株)
TEL/03-5783-3880