公開日 2013/11/05 11:17
スマホ操作&Bluetooth対応のヤマハ“YSP”入門機「YSP-1400」レビュー
スマホアプリで簡単セットアップ
■ヤマハのデジタル・サウンド・プロジェクター“YSP”シリーズ最新機種を聴く
独自のビームスピーカー技術を利用してサラウンド音場を創出するヤマハのサウンドバー“YSP”シリーズ。その最新モデルが「YSP-1400」(関連ニュース)だ。本機は外付けサーブウーファーなしのワンボディタイプで、左右脚部それぞれに口径8.5cmのサブウーファーを内蔵する構成を採用している。音声入力はステレオと光/同軸デジタルのみに絞ったシンプルな構成としており、シリーズのなかでは入門機に位置づけられる。内蔵するビームスピーカーは8基で、最大5.1chのサラウンドに対応している。
本体フロントのLED表示は大幅に簡略化されているが、これは本機のセットアップをiOS/Android対応のアプリ「HOME THEATER CONTROLLER」から行うことを前提としているためだ。本機にはBluetooth機能を搭載しており、本体とスマホをBluetooth接続することで「HOME THEATER CONTROLLER」を使用できる。
アプリの設定画面では、部屋の奥行き、幅、視聴位置のポジションなどの設定を、画面に表示される図から直感的操作で調整できて、とても分かりやすい。より正確なセットアップをするには、予め部屋の大きさを把握しておくのが良いだろう。
なお、この「HOME THEATER CONTROLLER」からは、初期設定以外にも本体のボリューム調整、DSP設定、入力切り替えなどの操作が行える。このように、本機はスマホとの親和性が高いサウンドバーであることもポイントだ。
■映画BDもテレビ番組もしっかり楽しめる入門機
まずはテレビ番組を視聴してみると、情報番組やバラエティの視聴中は番組内のBGMにしっかりと奥行きが出る。また、「クリアボイス」機能によってアナウンサーなど人の声も聞き取りやすい。DSPモードはいくつか試してみたが、テレビにはやはり「テレビ番組」がベストだ。「音楽」の設定はやや派手なサウンドのため、個人的には音楽番組にもDSPモードは「テレビ番組」を推奨したい。
上述の通り、アプリを使用する際はスマホとBluetooth接続するが、もちろんBluetooth経由でスマホ内の音楽を本機で再生することもできる。音楽再生時の音質傾向は、全体的に“しっとり”と落ち着いたサウンド。DSPモードは「音楽」を中心に、ソースや好みに応じて聴き比べてみてほしい。筆者しては、ボーカルがクリアに聴こえるという点で「テレビ番組」の設定もおすすめだ。
そして本機の音の完成度については、やはり5.1ch収録のBD再生時にその実力を圧倒的に感じられた。『007/スカイフォール』の冒頭チャプターを通して視聴したが、正面方向を中心として包み込むようにサラウンド音場が作り出され、映画世界への没入感を生み出す。バイクのエンジン音のキレや雑踏の音配置もきちんと感じとることができるし、BGMの緊張感も抜群だ。独立したサブウーファーを備えない本機の場合、低音の量感は厚すぎず、リビングシアターにちょうどいいくらいの重低音バランスを確保している。
ワンボディの入門機という位置づけで、普段観ているテレビの音質を手軽に向上させつつ、音楽や映画もしっかり楽しめるモデルだ。
◆折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。
独自のビームスピーカー技術を利用してサラウンド音場を創出するヤマハのサウンドバー“YSP”シリーズ。その最新モデルが「YSP-1400」(関連ニュース)だ。本機は外付けサーブウーファーなしのワンボディタイプで、左右脚部それぞれに口径8.5cmのサブウーファーを内蔵する構成を採用している。音声入力はステレオと光/同軸デジタルのみに絞ったシンプルな構成としており、シリーズのなかでは入門機に位置づけられる。内蔵するビームスピーカーは8基で、最大5.1chのサラウンドに対応している。
本体フロントのLED表示は大幅に簡略化されているが、これは本機のセットアップをiOS/Android対応のアプリ「HOME THEATER CONTROLLER」から行うことを前提としているためだ。本機にはBluetooth機能を搭載しており、本体とスマホをBluetooth接続することで「HOME THEATER CONTROLLER」を使用できる。
アプリの設定画面では、部屋の奥行き、幅、視聴位置のポジションなどの設定を、画面に表示される図から直感的操作で調整できて、とても分かりやすい。より正確なセットアップをするには、予め部屋の大きさを把握しておくのが良いだろう。
なお、この「HOME THEATER CONTROLLER」からは、初期設定以外にも本体のボリューム調整、DSP設定、入力切り替えなどの操作が行える。このように、本機はスマホとの親和性が高いサウンドバーであることもポイントだ。
■映画BDもテレビ番組もしっかり楽しめる入門機
まずはテレビ番組を視聴してみると、情報番組やバラエティの視聴中は番組内のBGMにしっかりと奥行きが出る。また、「クリアボイス」機能によってアナウンサーなど人の声も聞き取りやすい。DSPモードはいくつか試してみたが、テレビにはやはり「テレビ番組」がベストだ。「音楽」の設定はやや派手なサウンドのため、個人的には音楽番組にもDSPモードは「テレビ番組」を推奨したい。
上述の通り、アプリを使用する際はスマホとBluetooth接続するが、もちろんBluetooth経由でスマホ内の音楽を本機で再生することもできる。音楽再生時の音質傾向は、全体的に“しっとり”と落ち着いたサウンド。DSPモードは「音楽」を中心に、ソースや好みに応じて聴き比べてみてほしい。筆者しては、ボーカルがクリアに聴こえるという点で「テレビ番組」の設定もおすすめだ。
そして本機の音の完成度については、やはり5.1ch収録のBD再生時にその実力を圧倒的に感じられた。『007/スカイフォール』の冒頭チャプターを通して視聴したが、正面方向を中心として包み込むようにサラウンド音場が作り出され、映画世界への没入感を生み出す。バイクのエンジン音のキレや雑踏の音配置もきちんと感じとることができるし、BGMの緊張感も抜群だ。独立したサブウーファーを備えない本機の場合、低音の量感は厚すぎず、リビングシアターにちょうどいいくらいの重低音バランスを確保している。
ワンボディの入門機という位置づけで、普段観ているテレビの音質を手軽に向上させつつ、音楽や映画もしっかり楽しめるモデルだ。
◆折原一也 プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。