• ブランド
    特設サイト
公開日 2014/03/12 12:09

「シルヴァン」「アンク」で ルームチューニング − “理想のマイ・コンサートホール”が出来た理由

【特別企画】日東紡音響のルームチューニング材 ユーザー探訪レポート
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE


■シルヴァンとの出会いが実現させた“引き算”から”足し算”効果への転換


今回ご紹介する中島武男さんは、もともとはクラシックの音楽プロデュースに携われてきた方で、現在は横浜市金沢八景にある閑静なマンションの6階に住まわれている。

中島さん

オーディオルームはリビングに設けられていて、17畳ほどの広いスペースにはソナス・ファベールの「アマティ」が整然と設置されている。その左右スピーカーの後方に2本の「シルヴァン」、スピーカー間の中央には「アンクIII」が、そして天井のコーナーには発売されたばかりの「アンクIV」の姿も見える。お部屋に入った瞬間から音楽を楽しめるような空気を感じることのできる空間である。

中島さんのリスニングルームは約17畳。「シルヴァン」がスピーカーの左右後方に、スピーカー間に「アンクIII」が、天井コーナーには新製品の「アンクIV」も設置されている

中島さんのお話は、最近導入したばかりの新製品、天井コーナー用「アンクIV」から始まった。

「アンクIVは天井のコーナーに設置するめ、専用金具を自分で取り付ける必要がありますが、説明書通りに作業すれば簡単でした。うちの壁は石膏ボードなので、ホームセンターで専用のネジを買ってきて、キリで穴をあけて金具を取り付けるだけですから。作業中は石膏の白い粉が落ちてくるので、床に新聞紙を敷いた方がいいですね」。

「アンクIV」の取り付け金具はご自身で手軽に装着できた。金具さえつけてしまえば、本体の取り付け、取り外しは容易だ

「アンクIV」の音質効果に関しては後ほどとして、まずは最初に導入された「シルヴァン」との出会いからお話を伺った。中島さんが「シルヴァン」を導入する以前、この部屋は吸音材をあちこちの壁に貼り付けていたという。

「このスピーカーを導入した当時までは、ルームチューニングアイテムは吸音効果のみの“引き算”をするものばかりを使っていました。でも本当はホールトーンを生かして、部屋をその響きにできるような“足し算”のできる製品を探していたのです」

そんな中である日、オーディオ販売店で偶然出会ったのが「シルヴァン」であった。

「お店で実際の効果を試したところ“これはいいね”と思いました。高額な製品で、しばらくは躊躇していたのですが、思い切ってシルヴァンを2本導入することにしました。」

当初スピーカーは後ろの壁につくぐらい奥に設置していたため、「シルヴァン」は左右の一時反射面に設置していたが、効果をさらに引き出すため、スピーカーを手前に移動させた。そしてご自身の耳で確認しながら、現在のような理想の設置場所を探し出した。その“ご自身の耳”こそ音楽プロデューサーとして、特にクラシックホールで生の音を体験してきた中島さんのこと、間違いはないのである。

「響きが適度にあって、音楽がスッと入ってくるような音質が理想だったのです。シルヴァンはそれを難なく実現してくれました。極端に解像度だけを狙うような音は好きではありません。モニター的な音は仕事でさんざん聴いてきたので(笑)」

「シルヴァン」の位置は不動のベストポジションということで、床とネジで固定してしまっている

■「アンクIII」の導入により一気に霧が晴れた音場に


次に導入した「アンクIII」に関しても、スピーカーの間に設置することで、絶大な効果があった。

「何もない状態では、スピーカーの手前の空間が少しモヤモヤしていたのですが、アンクIIIを入れたことで、一気に晴天のようになりました。まさに台風一過のようでした」

「アンクIII」は最良の高さに設置したかったので、近所のホームセンターに行き、パソコンラックを買ってきたその上に置いている。さらにラックに直接置くとフラッターが出てきたので、バスマットを敷くなど細かい対策も施している。

スピーカー間の「アンクIII」は最良の高さに設置。ちょうどいい高さのパソコンラックを調達し、その上に置いている。さらにフラッター対策のため、バスマットを敷いている

「アンクIIIは位置を決めるのが面白いですね。設置場所を変える度に木が慌てるんですよ。でも1ヶ月くらい鳴らしていくうちに、その場所に馴染んでいくような学習能力があります。コントラバスの音が全然違ってきますね。アンクIIIは特に低域に効く製品だと思います」

「アンクIII」はその後、部屋の隅に置いてあるTVへの対策用にもう1台追加で導入

■「アンクIV」の導入により弦の高次倍音が拡がる


さて、中島さんが最近導入したのが、冒頭でも述べた天井コーナー用の「アンクIV」である。設置場所に関しては少しだけ試行錯誤があった。理由はスピーカーとリスニングポイントの間にある天井の大きな梁の存在があったからである。

「アンクIVはまずは梁の側のコーナーに設置してみましたが、ディテールは上がり、モニター的な音場になりました。そこで現在の位置である正面の壁の天井コーナーに設置すると、音場の広がりがさらに出てきました。私はオーディオ再生に極端なディテールを求めているわけではありませんので、迷う事なく後者を選びました。特に弦楽器の高次倍音がスムーズに出てきて、きれいに広がるようになりました」

ここまで「シルヴァン」や「アンクIII」「アンクIV」の導入から設置に至るまでの話を伺い、中島さんは“オーディオの人”ではない。“音楽の人”なのだと思った。そんな方が選んだのだからこの上ない説得力である。

「できることなら、まずはシルヴァンやアンクの自立式の大きいタイプを導入して、鳴らしたい音が表現できた上で、アンクIIIやアンクIVでさらに音場を整えるという順で導入されるのをお薦めしたいです」

■情報に過ぎない“音”が理想的な“音楽”になる


そんな中島さんが愛聴するCDをかけながら、「シルヴァン」や「アンク」の具体的な効果を語ってくれた。まずはヴィオラ奏者、今井信子のフィリップスから発売されている小品集。

今回試聴させていただいた中島さんの愛聴盤。この4作品を聴きながら「シルヴァン」や「アンク」の具体的な効果を語ってくれた

「ヴィオラの音が鮮明になりました。部屋の音調が整うと倍音もきれいに出てきますね。響きも自然で、音量のバランスもよくなります。本質が引き出され、楽器の大きさもわかるようになりました」

次にオペラ。パヴァロッティが若き頃に歌う「ラ・ボエーム」。

「ここです、パヴァロッティの3オクターヴ上の今の音がなかなか出なかったんですよ」

スカラ座での「アイーダ」も聴く。中島さん自身スカラ座へは2回演奏を聴きに行っているという。

「コーラスもオーケストラも歪み感がなくなり、きれいに出てくるようになりました」

最後にバーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィルによるガーシュイン「パリのアメリカ人」と「ラプソディ・イン・ブルー」。

「この録音は本当に丁寧に録っています。マイクをどこに立てていたのかまでよくわかります。日本人にはできない演奏ですね。特にチューバがうまいなあ」

中島さんには、音楽を楽しむにあたって、どこか余裕のようなものを感じる。それはご自身に音楽の聴きどころが染み付いているからに違いない。音楽を知っている、音の基準がわかっている方にとって、オーディオ選び、そして部屋のチューニングはきっと楽しいものに違いないと思う。

部屋の音響対策のため、正面のCDラックにも空のスペースを設けているほどの徹底ぶり

「オーディオはただ鳴らすだけなら、それは情報の再生に過ぎません。それを音楽にするには部屋の音響環境はきちんと整える必要があります。シルヴァンやアンクのおかげで、部屋が生き返り、理想的なコンサートホールができました」という中島さん。いまはストレスなく音楽を存分に楽しんでいるという。






【問い合わせ先】
日東紡音響エンジニアリング(株)(公式サイト
〒130-0021 東京都墨田区緑1-21-10
コンシューマー営業部 山下、佐古
TEL/03-3634-7567
E-mail:ags@noe.co.jp
※試聴ルーム「サウンド・ラボラトリー」(千葉市稲毛区)試聴募集中(予約制)



「シルヴァン/アンク」 過去のレポート/レビュー記事
 
サムネイル日東紡音響のルームチューニング材「コーナーアンク」の効果は? 愛用ユーザーを訪ねる

サムネイル低域の定在波を見事に解消 − 日東紡音響のルームチューニング材「アンク」実例訪問

サムネイル「不満点の解消だけに終わらないルームチューニング材」 − ユーザーが語る「シルヴァン/アンク」の魅力

サムネイル「狭い空間だからこそルームチューニングが重要」 − 日東紡音響「シルヴァン/アンク」ユーザーを訪ねる

サムネイルルームチューニング材「シルヴァン/アンク」ユーザー訪問記 − 新製品「アンクIII」は「霧が晴れるような効果」

サムネイルルームチューニング材「シルヴァン/アンク」ユーザーを訪ねる − 新設のリスニング室でどう効果を発揮した?

サムネイルパラゴンやGIYAの鳴り方はどう変わった? − 「シルヴァン」ユーザーを訪ねる

サムネイル「オーディオの経験値が上がった気がします」 − 日東紡音響「シルヴァン/アンク」ユーザー訪問レポート

サムネイルあのジャズ喫茶がルームチューニング材「アンク」を採用 − 導入過程と効果を徹底レポート!

サムネイル“響き過ぎる”広大な空間でも絶大な効果 − 日東紡音響「シルヴァン/アンク」ユーザーを訪ねる

サムネイルリビングが理想の音響空間に変貌するマンション・オーディオの必需品 − 「シルヴァン」愛用ユーザーを訪ねる

サムネイル【AGS vs ジャズ喫茶】全国にその名を轟かせる“名物”オーナーに「シルヴァン」の効果は通用するのか!?

サムネイルSYLVAN vs. アバンギャルド - ルームチューニング特別レビュー

サムネイル柱状拡散体“AGS”初の民生用モデル「Sylvan」を聴く

サムネイルルームチューニング材“AGS”に新モデル「アンク」登場

サムネイル都市と森林の共生を図り、“音も良い銀行”がeco japan cup を受賞 - キーパーソンが狙いを語る

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ヤマダデンキ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ベスト電器、マツヤデンキでも開催
2 iPhone買い換え、手持ちモデルを手放す際に必ずやっておくべきこととは?
3 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
4 「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」11月23日・24日開催。出展メーカーや連続試聴イベントの内容はコチラ!
5 <Inter BEE>ゼンハイザー、国内未発売製品を初お披露目/NHK、“自由に変形する”ディスプレイ/コルグ「Live Extreme」試聴デモ
6 THIEAUDIO「Origin」は低音好き垂涎!骨伝導搭載・クアッドハイブリッド構成のイヤホンを聴く
7 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
8 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
9 MUSE HiFi、真空管搭載ポータブルDAC/AMP「M5 ULTRA」。ESS社と独自回路を共同開発
10 スピーカーの“原音再生”をデジタルフィルターで解決!テレビや車に搭載広がるEilex PRISMの秘密に迫る
11/15 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX