公開日 2015/04/14 12:31
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第10回】PCオーディオで楽しむ(4)オーディオルームとPCの親和性
PCオーディオを“PCと向き合わずに”操作する方法とは?
“音楽を楽しむ”ためのネットオーディオの基礎知識を紹介していく「音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド」。PCオーディオ編の<その4>では「PCオーディオとオーディオルームの親和性」をテーマに、PCオーディオのコントロールについて考えていく。
音楽を聴くための空間にPCオーディオを
違和感になく組み込むためにはどうすればいいのか
第7回から第9回までPCオーディオについて色々と触れてきましたが、それらはPCの内側か、あくまでごく周辺で起きる内容でした。つまり、精々この程度の空間に限定された話です。
この連載では、PCオーディオを「デジタルファイル音源を再生するうえで、PCそのものを再生機器として用いる形態」と定義しています。しかし再生機器と言っても、PCは「それ自体」では操作できません。情報を表示するためにはディスプレイ、実際の操作にもマウスやキーボードを必要とします。ノートPCを使えば基本的に一台で音楽再生のコントロールが可能ですが、いずれにせよ「どこに置くのか」という問題が生じます。
ヘッドホンしか使わないというのであれば、PCの置き場所は特に関係ありません。スピーカーを置くにしても、システムの規模がデスクトップで完結する大きさなら問題はありません。ディスプレイもマウスもキーボードも目の前にありますし、音楽再生のコントロールには困りません。
それでは、もっと広い空間になればどうでしょうか。ヘッドホンやデスクトップで完結する小型のシステムから、より本格的なスピーカーのシステムに発展させようと思った場合はどうでしょうか。スピーカーのシステムを既に構築しているオーディオファイルが、新たにPCオーディオを導入しようと思った場合はどうでしょうか。
今回のタイトルにはあえてオーディオルームとPCの親和性と書きましたが、要は「音楽を聴くための空間にPCオーディオを違和感なく組み込むにはどうすればよいか」、ということです。
PC的な領域とは無縁だった従来のオーディオファイルの方々には「音源をデジタルファイルとして扱うことで得られる快適さ」を、一方で音楽を聴くうえでデジタルファイルを使うのが当たり前の若い方々には「良い音で音楽を聴く楽しさ」を伝えること、それが本連載の目標です。
この目標を達成するためにも、PCオーディオという領域が真にオーディオとして完成するためにも、「オーディオルームとPCの親和性」という問題は避けて通れません。仮にPCがオーディオルームにまったく馴染まないとすれば、結局システムの設置場所と規模はデスクトップに限定されます。どれだけUSB-DACや再生ソフトを活用して高音質を目指したところで、PCオーディオの発展性は著しく阻害されてしまいます。PCオーディオから良い音の魅力に目覚めたユーザーがさらなる感動を望んでも成就せず、オーディオファイルが新たな手法に快適さを求める試みは始まる前から頓挫します。
連載目次 |
第1回「まず『音源』ありき」 第2回「タグについて理解しよう」 第3回「コーデックの基礎知識」 第4回「ライブラリを構築する」 第5回「音源の入手方法(1) CDのリッピング」 第6回「音源の入手方法(2) 配信サイトからのダウンロード」 第7回「PCオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第8回「PCオーディオで楽しむ(2) USB-DACを活用する」 第9回「PCオーディオで楽しむ(3) 色々な再生ソフト」 第10回「PCオーディオで楽しむ(4) オーディオルームとPCの親和性」 第11回「ネットワークオーディオで楽しむ(1) 基礎知識」 第12回「ネットワークオーディオで楽しむ(2) サーバー」 第13回「ネットワークオーディオで楽しむ(3) プレーヤー」 第14回「ネットワークオーディオで楽しむ(4) コントロール」 第15回「様々な再生方法」 |
音楽を聴くための空間にPCオーディオを
違和感になく組み込むためにはどうすればいいのか
第7回から第9回までPCオーディオについて色々と触れてきましたが、それらはPCの内側か、あくまでごく周辺で起きる内容でした。つまり、精々この程度の空間に限定された話です。
この連載では、PCオーディオを「デジタルファイル音源を再生するうえで、PCそのものを再生機器として用いる形態」と定義しています。しかし再生機器と言っても、PCは「それ自体」では操作できません。情報を表示するためにはディスプレイ、実際の操作にもマウスやキーボードを必要とします。ノートPCを使えば基本的に一台で音楽再生のコントロールが可能ですが、いずれにせよ「どこに置くのか」という問題が生じます。
ヘッドホンしか使わないというのであれば、PCの置き場所は特に関係ありません。スピーカーを置くにしても、システムの規模がデスクトップで完結する大きさなら問題はありません。ディスプレイもマウスもキーボードも目の前にありますし、音楽再生のコントロールには困りません。
それでは、もっと広い空間になればどうでしょうか。ヘッドホンやデスクトップで完結する小型のシステムから、より本格的なスピーカーのシステムに発展させようと思った場合はどうでしょうか。スピーカーのシステムを既に構築しているオーディオファイルが、新たにPCオーディオを導入しようと思った場合はどうでしょうか。
今回のタイトルにはあえてオーディオルームとPCの親和性と書きましたが、要は「音楽を聴くための空間にPCオーディオを違和感なく組み込むにはどうすればよいか」、ということです。
PC的な領域とは無縁だった従来のオーディオファイルの方々には「音源をデジタルファイルとして扱うことで得られる快適さ」を、一方で音楽を聴くうえでデジタルファイルを使うのが当たり前の若い方々には「良い音で音楽を聴く楽しさ」を伝えること、それが本連載の目標です。
この目標を達成するためにも、PCオーディオという領域が真にオーディオとして完成するためにも、「オーディオルームとPCの親和性」という問題は避けて通れません。仮にPCがオーディオルームにまったく馴染まないとすれば、結局システムの設置場所と規模はデスクトップに限定されます。どれだけUSB-DACや再生ソフトを活用して高音質を目指したところで、PCオーディオの発展性は著しく阻害されてしまいます。PCオーディオから良い音の魅力に目覚めたユーザーがさらなる感動を望んでも成就せず、オーディオファイルが新たな手法に快適さを求める試みは始まる前から頓挫します。