「USB出力を備えたネットワークトラポ」を考える
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第15回】「様々な再生方法を整理する」
音楽ファンのための“ネットオーディオ”完全ガイドの第15回目では、ネットオーディオにおける様々な再生方法を紹介する。本連載を熱心に読んでいただいた読者の皆様ならば、“PCオーディオ”や“ネットワークオーディオ”といった言葉が、安易に分割できない概念であることはご理解いただけたはず。最終回では、DELAやAurenderといったブランドの製品が実現する「USB出力を搭載したネットワークオーディオトランスポート」という考え方を軸に、様々な再生方法を紹介していく。
はじめに、PCオーディオとネットワークオーディオの本連載における定義を確認しましょう。
PCオーディオとは、「デジタルファイル音源を再生するうえで、PCそのものを再生機器として用いる形態」です。PCと接続するDACとしてはUSB-DACが支配的であり、PCオーディオは実質的に「USBオーディオ」と呼んでしまってもいい状況にあります。
ネットワークオーディオとは、「デジタルファイル音源の保存と再生にそれぞれサーバーとプレーヤーを用い、独立した端末からそれらをコントロールする形態」です。各機器がLANで接続されるということが、「ネットワーク」の名称の由来となっています。サーバーとプレーヤーも大切ですが、ネットワークオーディオの本質はコントロールと言えます。
そして、PCオーディオとネットワークオーディオの総称として、本連載のタイトルにもなっている「ネットオーディオ」という言葉が用意されています。
ここで、筆者はネットオーディオという言葉に対し、以下の意味を付け加えたいと思います。「デジタルファイル音源を管理運用し、再生する形態」というものです。PCオーディオとネットワークオーディオの前に「まず音源ありき」です。そのうえで大切になるのが「音源をどのように再生するか」という方法論です。
今回は「様々な再生方法」ということで、実際に再生を担う「再生機器」に焦点を当てます。「PCオーディオかネットワークオーディオか」という従来の考え方では微妙な立ち位置にある製品を取り上げ、その実態について考えます。
DELAのデジタルミュージック・ライブラリー「N1Z/N1A」
バッファローの手がけるDELAブランドの「N1Z」と「N1A」はオーディオ機器のレベルで作り込まれたサーバーです。良いサーバーという前提を満たしたうえで高音質を実現し、ネットワークオーディオにおけるサーバーの重要性をあらためて示した画期的な製品です。そしてアップデートによる機能拡張の結果、DELAは「USB-DACと直結」できるようになり、再生機器としても使えるようになりました。
ひとまず、DELAの機能を整理してみましょう。サーバーだ、トランスポートだという前に、DELAはまず「音源の在り処」です。音源を直接ネットワークオーディオプレーヤーに配信すれば純粋な「サーバー」となり、自分で「データ処理としての再生」を行えば「サーバー一体型USB出力搭載ネットワークトランスポート」となります。
トランスポートとして使う場合、DLNA/UPnPに対応しており、幅広い汎用アプリが使用できます。さらにオンデバイス・プレイリストにも対応し、外部からのコントロールが十全に機能します。アップデートにより、DELAはネットワークオーディオトランスポートとしても一線級の能力を獲得しました。
DELAはサーバーとして使えばネットワークオーディオプレーヤーの最高のパートナーとなり、トランスポートとして使えばPCオーディオのボトルネックとなるPCそのものの役割を果たすことができます。
このようにDELAはユーザーの選択肢を増やしこそすれ、PCオーディオとネットワークオーディオ、どちらか一方の価値をなくすことはありません。USB-DACを使おうとネットワークオーディオプレーヤーを使おうと、ユーザビリティは同じ土俵にあります。どちらを選ぶかは、最終的には音質とコントロールアプリ(現状ではDELAは汎用アプリしか使えません)の完成度の勝負となるでしょう。
また、DELAとUSB-DACを組み合わせる場合でも、どのみちネットワークオーディオのノウハウが必要です。DELAを「サーバー一体型ネットワークオーディオトランスポート」として機能させられるだけのスキルがあるなら、ネットワークオーディオプレーヤーはずっと簡単に導入できます。
DELAという製品を考えるうえで大切なのは、使い方以上に「音源」の存在です。やはり、BUFFALO自身が製品に冠した「デジタルミュージック・ライブラリー」という言葉が最も核心をついています。どのような使い方をしようと、「音源の在り処」としての高い完成度こそがDELAの根幹にあります。
はじめに、PCオーディオとネットワークオーディオの本連載における定義を確認しましょう。
PCオーディオとは、「デジタルファイル音源を再生するうえで、PCそのものを再生機器として用いる形態」です。PCと接続するDACとしてはUSB-DACが支配的であり、PCオーディオは実質的に「USBオーディオ」と呼んでしまってもいい状況にあります。
ネットワークオーディオとは、「デジタルファイル音源の保存と再生にそれぞれサーバーとプレーヤーを用い、独立した端末からそれらをコントロールする形態」です。各機器がLANで接続されるということが、「ネットワーク」の名称の由来となっています。サーバーとプレーヤーも大切ですが、ネットワークオーディオの本質はコントロールと言えます。
そして、PCオーディオとネットワークオーディオの総称として、本連載のタイトルにもなっている「ネットオーディオ」という言葉が用意されています。
ここで、筆者はネットオーディオという言葉に対し、以下の意味を付け加えたいと思います。「デジタルファイル音源を管理運用し、再生する形態」というものです。PCオーディオとネットワークオーディオの前に「まず音源ありき」です。そのうえで大切になるのが「音源をどのように再生するか」という方法論です。
今回は「様々な再生方法」ということで、実際に再生を担う「再生機器」に焦点を当てます。「PCオーディオかネットワークオーディオか」という従来の考え方では微妙な立ち位置にある製品を取り上げ、その実態について考えます。
DELAのデジタルミュージック・ライブラリー「N1Z/N1A」
バッファローの手がけるDELAブランドの「N1Z」と「N1A」はオーディオ機器のレベルで作り込まれたサーバーです。良いサーバーという前提を満たしたうえで高音質を実現し、ネットワークオーディオにおけるサーバーの重要性をあらためて示した画期的な製品です。そしてアップデートによる機能拡張の結果、DELAは「USB-DACと直結」できるようになり、再生機器としても使えるようになりました。
ひとまず、DELAの機能を整理してみましょう。サーバーだ、トランスポートだという前に、DELAはまず「音源の在り処」です。音源を直接ネットワークオーディオプレーヤーに配信すれば純粋な「サーバー」となり、自分で「データ処理としての再生」を行えば「サーバー一体型USB出力搭載ネットワークトランスポート」となります。
トランスポートとして使う場合、DLNA/UPnPに対応しており、幅広い汎用アプリが使用できます。さらにオンデバイス・プレイリストにも対応し、外部からのコントロールが十全に機能します。アップデートにより、DELAはネットワークオーディオトランスポートとしても一線級の能力を獲得しました。
DELAはサーバーとして使えばネットワークオーディオプレーヤーの最高のパートナーとなり、トランスポートとして使えばPCオーディオのボトルネックとなるPCそのものの役割を果たすことができます。
このようにDELAはユーザーの選択肢を増やしこそすれ、PCオーディオとネットワークオーディオ、どちらか一方の価値をなくすことはありません。USB-DACを使おうとネットワークオーディオプレーヤーを使おうと、ユーザビリティは同じ土俵にあります。どちらを選ぶかは、最終的には音質とコントロールアプリ(現状ではDELAは汎用アプリしか使えません)の完成度の勝負となるでしょう。
また、DELAとUSB-DACを組み合わせる場合でも、どのみちネットワークオーディオのノウハウが必要です。DELAを「サーバー一体型ネットワークオーディオトランスポート」として機能させられるだけのスキルがあるなら、ネットワークオーディオプレーヤーはずっと簡単に導入できます。
DELAという製品を考えるうえで大切なのは、使い方以上に「音源」の存在です。やはり、BUFFALO自身が製品に冠した「デジタルミュージック・ライブラリー」という言葉が最も核心をついています。どのような使い方をしようと、「音源の在り処」としての高い完成度こそがDELAの根幹にあります。