• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/11/05 10:00

B&O PLAY 「FORM2i」を聴く − 外観もサウンドも「普遍的な理想」を体現したモデル

山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

Bang&Olufsenブランドから開発思想を受け継ぐトラディショナルなポータブルヘッドホン「FORM2」をベースに、iOS対応のマイクリモコンユニットを追加した「FORM2i」が誕生した。

優れた音質と高いポータビリティ、ミニマルなデザインをハイレベルに融合させたB&O PLAYブランドのセミオープン型ヘッドホン。1983年にアメリカのインダストリアルデザイナー、Steve McGugan氏が23歳の時にデザインした「FORM2」は、流行を超えるデザインが高く評価され、1992年にニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションに選定。「FORM2i」も、現代のポータブルヘッドホンとしていわば「最高の回答」の一つであるデザインをそのまま継承している。

外観は同じだが、音づくりは新設計のドライバーにより大きく進化している。鉄道をはじめ公共交通での通勤・通学時などアウトドアで音楽を楽しむユーザーが増えたことをうけて、クリアな中高域による鮮明なボーカルと、タイトで引き締まった低音にチューニング。イヤーパッドも音楽を長時間リスニングしても装着感の心地よさが失われないよう、よりソフトに改良を加えた。

FORM2i

本体は90gという圧倒的なライトウェイトを実現。ヘッドバンドの長さは片側28mmずつ伸ばせるので、頭のサイズが大きめな筆者でも余裕をもって装着できた。さらにイヤーパッドが前後上下に稼働するので、ユーザーによって異なる耳の形や向きに応じてジャストフィットしてくれる。

音楽を聴いていないときは首元に掛けてもファッションのアクセントになる

長さ1.2mのケーブルはインラインにiOS対応のマイク付きリモコンを搭載する。マイクのポジションはちょうど左側顎の下にくるよう位置を整えた。両出しY型のケーブルなので、音楽を聴いていないときは本体を首もとに掛けていてもバランスが良いし、ちょっとしたアクセサリーを身につける感覚でスタイリッシュに着飾れる。カラーバリエーションはグレー/ブルー/グリーン/ブラック/ホワイトの5色。オレンジやイエローを揃えていた「FORM2」とは対称的な寒色系をラインナップ。ブルーやグリーンは北欧らしいナチュラルな色調が好印象だ。


外観もサウンドも「普遍的な理想」を体現したモデル

ボーカルは土岐麻子のアルバム「Bittersweet」から『さよなら90's Girl』を聴いた。ボーカルは音像の輪郭がシャープに描かれ、声の透明感が心地良い。セミオープン型のハウジングなので、特に中高域の抜けがよく、余韻の切れ味も爽やか。シンセサイザーやギターのメロディラインもフォーカスが精緻。演奏を緻密に描き出す。低音の分離もよく、力強く芯を捉えた鳴りっぷりだ。

小沼ようすけのアルバム「GNJ」の楽曲『Explorer』では、一音一音に感覚が研ぎ澄まされるようだ。ギターの弦がしなる様子が目に浮かぶほど、楽器の音色がリアルでディティールが緻密。ベースラインはもっと大型なヘッドホン並にパワーがあって、アタックの鋭さや正確さに滲みがない。低音のボディがぎっしりと詰まっていて、この軽量でコンパクトなヘッドホンが、よくこれほどまでに音楽の底力を引き出せるものだと感心させられる。

長さ1.2mのケーブルはインラインにiOS対応のマイク付きリモコンを搭載

本機の魅力は透明感とシャープな切れ味だけではない。ミロシュのクラシックギターでは柔らかく広がる余韻と肉厚なハーモニーが織りあげる贅沢なサウンドが楽しめた。しっとりとしたきめ細かな質感はボーカル系や小編成のクラシックにもよくマッチすると思う。

   ◇   


ポータブルオーディオリスニングの草創期に生まれたヘッドホンが、いまもなお全くもって色あせない輝きを放ち続けている。それはBang&OlufsenとB&O PLAYが目指す理想のサウンドとリスニングスタイルが、多くの音楽ファンが求める理想と重なり合っていることの証明なのかもしれない。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ヤマダデンキ、「ブラックフライデー」セールを11/16より開始。ベスト電器、マツヤデンキでも開催
2 iPhone買い換え、手持ちモデルを手放す際に必ずやっておくべきこととは?
3 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
4 「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ」11月23日・24日開催。出展メーカーや連続試聴イベントの内容はコチラ!
5 <Inter BEE>ゼンハイザー、国内未発売製品を初お披露目/NHK、“自由に変形する”ディスプレイ/コルグ「Live Extreme」試聴デモ
6 THIEAUDIO「Origin」は低音好き垂涎!骨伝導搭載・クアッドハイブリッド構成のイヤホンを聴く
7 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
8 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
9 MUSE HiFi、真空管搭載ポータブルDAC/AMP「M5 ULTRA」。ESS社と独自回路を共同開発
10 スピーカーの“原音再生”をデジタルフィルターで解決!テレビや車に搭載広がるEilex PRISMの秘密に迫る
11/15 10:43 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX