公開日 2016/02/29 10:28
これが“北米ハイエンド”の実力。SIMAUDIO「MOON Neo」のセパレートアンプを聴く
プリ&モノラル/ステレオパワーアンプをレビュー
北米を代表するハイエンド・メーカーであるSIMAUDIOが手がける“MOON”ブランド。そのミドルレンジ「Neoシリーズ」のコンポーネントを井上千岳氏がレビューする。今回はプリアンプとステレオ&モノラル・パワーアンプを取り上げ、セパレートアンプの優位性を改めて確認していく。
■北米を代表するハイエンド・メーカーに成長したSIMAUDIO
SIMAUDIOはカナダの専業メーカーで、1980年に設立されている。現在まで35年、北米でハイエンド・ブランドの一角を占めるまでに着々と成長を続けてきた。ラスベガスのCESなどへ行くとあちこちのブースで使われているのを見るが、それくらいポピュラーなブランドとなっている。
これだけのブランドが近年までわが国で取り扱われたことがないのも不思議だが、カナダでのディストリビューションの関係もあって、ディナウディオ・ジャパンが輸入を開始することになったのが数年前のことである。
設立当初はSIMA Electronicsという社名だったようだが、現在はSIMAUDIOとなっている。またある時期にMOONというシリーズを立ち上げたのを機会に、現在では「MOON」がブランドネームとなっているようだ。
米国ハイエンド・ブランドが軒並み消滅してゆく中で、少々遅れてきたカナダのメーカーはかえって堅調である。SIMAUDIOもそのひとつで、同社が手がけるMOONは、現在では北米を代表するハイエンド・ブランドとなっている。ただし米国のそれとは違って、常識外れの超高額製品は手がけていない。我々日本人が見ても納得できるような製品ばかりで、その中でハイエンドモデルと中堅モデルが住み分けられているという具合だ。ハイエンドの方はEvolutionというシリーズ。そのジュニアモデルとなる中堅機が、これから紹介するNeo(“ニーオ”と読む)というラインアップである。
■手頃な価格で国産ハイエンドに匹敵する内容を備える“Neoシリーズ”
まずシリーズ全体の概要を説明しておこう。ソース系としてはCDトランスポート「Neo 260D」と「Neo 380D」というD/Aコンバーターがある。260DはオプションのDACボードを搭載すれば通常のCDプレーヤーになるユニークな構成で、その場合はUSBも含めて多彩な入力を装備することになる。
380Dは非常に多彩なD/Aコンバーターで、USBも含めて8系統のデジタル入力を装備。DSDにも対応し、PCMでは384kHz/32bitまで対応する。独自のデュアル・ジッター・コントロール・システムによって1ピコ秒以下というほぼジッターフリーとも言える特性を実現。アナログ回路は全段バランス構成となっている。国産のハイエンド機に匹敵する内容だが、価格はもっと手頃なのが注目される。
プリメインアンプは3機種を用意する。このうち「Neo 220i」と「Neo 250i」は出力の違いで、同社のエントリーモデルと言ってもよさそうだ。ただしエントリーとはいってもハイエンド入門という意味と取っておいてもらいたい。独自開発のバイポーラ・トランジスターを採用し、220iは40W×2、250iは50W×2(いずれも8Ω)の出力を得ている。5WまではクラスA動作だから、実用上はほとんどA級と考えてもいい。ヘッドホン端子も装備し、意外に数の少ないミドルクラスのプリメインとして期待される製品である。
■北米を代表するハイエンド・メーカーに成長したSIMAUDIO
SIMAUDIOはカナダの専業メーカーで、1980年に設立されている。現在まで35年、北米でハイエンド・ブランドの一角を占めるまでに着々と成長を続けてきた。ラスベガスのCESなどへ行くとあちこちのブースで使われているのを見るが、それくらいポピュラーなブランドとなっている。
これだけのブランドが近年までわが国で取り扱われたことがないのも不思議だが、カナダでのディストリビューションの関係もあって、ディナウディオ・ジャパンが輸入を開始することになったのが数年前のことである。
設立当初はSIMA Electronicsという社名だったようだが、現在はSIMAUDIOとなっている。またある時期にMOONというシリーズを立ち上げたのを機会に、現在では「MOON」がブランドネームとなっているようだ。
米国ハイエンド・ブランドが軒並み消滅してゆく中で、少々遅れてきたカナダのメーカーはかえって堅調である。SIMAUDIOもそのひとつで、同社が手がけるMOONは、現在では北米を代表するハイエンド・ブランドとなっている。ただし米国のそれとは違って、常識外れの超高額製品は手がけていない。我々日本人が見ても納得できるような製品ばかりで、その中でハイエンドモデルと中堅モデルが住み分けられているという具合だ。ハイエンドの方はEvolutionというシリーズ。そのジュニアモデルとなる中堅機が、これから紹介するNeo(“ニーオ”と読む)というラインアップである。
■手頃な価格で国産ハイエンドに匹敵する内容を備える“Neoシリーズ”
まずシリーズ全体の概要を説明しておこう。ソース系としてはCDトランスポート「Neo 260D」と「Neo 380D」というD/Aコンバーターがある。260DはオプションのDACボードを搭載すれば通常のCDプレーヤーになるユニークな構成で、その場合はUSBも含めて多彩な入力を装備することになる。
380Dは非常に多彩なD/Aコンバーターで、USBも含めて8系統のデジタル入力を装備。DSDにも対応し、PCMでは384kHz/32bitまで対応する。独自のデュアル・ジッター・コントロール・システムによって1ピコ秒以下というほぼジッターフリーとも言える特性を実現。アナログ回路は全段バランス構成となっている。国産のハイエンド機に匹敵する内容だが、価格はもっと手頃なのが注目される。
プリメインアンプは3機種を用意する。このうち「Neo 220i」と「Neo 250i」は出力の違いで、同社のエントリーモデルと言ってもよさそうだ。ただしエントリーとはいってもハイエンド入門という意味と取っておいてもらいたい。独自開発のバイポーラ・トランジスターを採用し、220iは40W×2、250iは50W×2(いずれも8Ω)の出力を得ている。5WまではクラスA動作だから、実用上はほとんどA級と考えてもいい。ヘッドホン端子も装備し、意外に数の少ないミドルクラスのプリメインとして期待される製品である。