公開日 2018/07/17 07:30
さらに忠実な色再現。プロが認めた4K有機ELテレビ「ビエラ FZ1000」実力チェック
【特別企画】VGP2018 SUMMER 総合金賞受賞
ハリウッドの映画スタジオでマスモニとして採用されるほど、色忠実再現に定評があるパナソニックの有機ELテレビ。その最新モデル「FZ1000」シリーズが実現する高画質は、評論家諸氏からも激賞され、総合金賞に輝いた。本機を高く評価する折原一也氏とともに、その魅力を紐解いていこう。
■新世代の有機ELパネルから原画に忠実な色を引き出した
高画質テレビの雌雄を決するVGPアワードで総合金賞、そして65型4K有機ELテレビ部門で金賞に選ばれたパナソニック「TH-65FZ1000」。同社の国内での有機ELテレビとしては第2世代となる有機ELテレビだが、パナソニックは2年連続で総合金賞の栄誉に輝いたことになる。4K/HDRを高画質のトレンドの基準に据えて、ハリウッドの映画スタジオのエンジニアたちも認める原画忠実再現をさらに磨き上げた。
FZ1000の最大の画質改善ポイントは「ヘキサクロマドライブ プラス」による色忠実再現の進化だ。一般的に3Dルックアップテーブル(3D-LUT)は、パネル特性と映像信号の間の合わせ込み、色補正に用いられ、そのポイント数が多いほど、すべての階調下で色忠実再現が高まる。FZ1000では、まず暗部の補正点数を従来モデル比で約1.6倍にまで増やし、暗部階調の正確さを向上させた。
そして新規の取り組みとなるのが「ダイナミック3D-LUT」だ。従来モデルは暗部階調に注力し、正確なトーンマッピングを実現していたが、FZ1000には改めて中高輝度にも最適化した3D-LUTを追加。中高輝度の信号に対して、信号の平均輝度(APL)に応じた3D-LUTを映像に応じて生成し、シーンに応じた最適な3D-LUTを作り出す。新世代の有機ELパネルの特性に合わせて、暗部に加えて明部まで正確な合わせ込みを行い、色忠実再現を進化させたのだ。
■暗部だけでなく明部まで階調表現に優れ、ノイズも抑制
視聴室で最初にチェックしたのはデモコンテンツ『ホラー』だ。ホラー映画をイメージし、暗所のなかに仄かな階調を残す高難易度コンテンツである。
照明のついていない室内、さらにライティング上も影という闇に近い状況でも、緑や赤の光出しの安定感が高く、まさにコンテンツの極限の暗部情報を抉るように描写する。他社製テレビと比較したが、パナソニックの暗部表現のよさは傑出していた。
明るいシーンは『ラ・ラ・ランド』で視聴した。パナソニックが昨年から安定した実力を見せていた映像の明所ノイズを抑えつつ、中域のディテールも目の冴えるような解像度の向上を見せた。
『4K 宮古島』は「ダイナミック3D-LUT」の効果が目に見えて分かるコンテンツで、砂浜やパラソルの質感をまざまざと描写し全体の解像感を向上し、そして光の明部まで色飽和なく描写する。
有機ELパネルの制御技術もEZ1000から向上させており、光の輝きとピーク感を出せることも画質向上に一役買っており、空を浮かぶ雲のディテールまで見違えるほどの表現力だ。
有機ELテレビというと、各社近い画質のものと思われがちだが、有機ELパネルの制御、4K/HDR信号の特性と有機ELパネルの合わせ込みの領域が確かな違いを生むことは、AVファンとしては必ず知っておくべきだ。
そしてFZ1000のもうひとつの進化が、新規設計された「Tuned by Technics」のスピーカーだ。FZ1000のスピーカーではボックス容量を1.4倍、ウーファーユニットは直径1.75倍にもなる70mmに拡大している。
実際にFZ1000のサウンドを聴くと、歌声のリニアリティをHi-Fiと呼ぶべきクオリティにまで引き上げている事を確認できた。映画では低音の沈み込みと臨場感も確保し、高画質だけでなく、高音質でも有機ELテレビの頂点を極めようとしている。
映像と音響のための美しい佇まいと、最高峰のクオリティ。まさに薄型テレビの全ての側面で妥協なく進化を続けた、総合金賞にふさわしいモデルといえよう。
(提供:パナソニック株式会社)