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公開日 2019/05/09 06:30

「アベンジャーズ/エンドゲーム」観るならドルビーシネマが熱い? IMAXと比較した(後編)

ドルビービジョン+アトモスの威力は?
永井光晴
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世界を席巻している話題作『アベンジャーズ/エンドゲーム』。日本でも初日から満席・売り切れが続いている。

ゴールデンウィーク初日の朝イチから、深夜回まで満席・売り切れになった『アベンジャーズ / エンドゲーム』

本稿では、前編となるIMAXの2種の3D上映形式につづいて、映画ファンにとって新たな魅力となるドルビーシネマ上映について紹介していきたいと思う。

あらためてご注意申し上げる。ネタバレをできる限り回避したいとは思っていたが、本項では解説のためにさらに核心的な部分にツッこんでしまう。残念なことにならないためにも、1度は鑑賞してから、お読みいただきたい。

今回の『エンドゲーム』が全編IMAXカメラで撮影された作品であることは前編で述べたが、IMAX上映はすべて3D字幕のみ。2DのIMAXはない。これは製作者の意図というよりも、国内にあるIMAXスクリーンの数に限りがあるからではないだろうか。

またこちらもすでに紹介したとおり、日本国内での『エンドゲーム』は、2D、3D、IMAX、ドルビーシネマ、4Dなど字幕・吹替の違いも含めて、11種類の上映形式がある。

これは近年のディズニーの大作に共通の傾向だ。マーベルはディズニーの完全子会社であり、複数バージョン戦略は『スター・ウォーズ』シリーズしかり、ディズニーアニメ、ピクサーアニメなども例外ではない。

アニメ作品にいたっては、吹替版のローカライズ(地域化)も徹底され、作品中のタイトル表記や劇中の看板や小道具まで、日本語になっていたりする。さらにミュージカル作品『アナと雪の女王』などの歌を世界各国バージョンにローカライズする手間とコストの掛け方は、他社はなかなか真似できないレベルだ。

ディズニーは3D化の急先鋒にして、映画の技術革命をリードする

一方で、ディズニーは3D映画の急先鋒である。世界初のデジタル3D映画は、同社の『チキン・リトル』(2005)だった。MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)での3D作品化は、第4作目『マイティ・ソー』(2011)から。そして完全ディズニー配給の第6作目『アベンジャーズ』(2012)以降はすべて3Dとなっている。

ちなみに『アバター』のジェームズ・キャメロン監督は、「3D映画は3Dカメラで撮るべき」と主張している。最新作の『アリータ :バトル・エンジェル』(2019)も例外ではない。そして「3D変換するしかない場合は正しい変換技術を用いるべき」とも述べている。MCUの3D作品は2D-3D変換だが、MCU作品をずっと見ていると、その2D-3D変換も急速に進化してきている。最近では2D-3D変換に気づかないほどの出来映えだ。

世界的なヒットとなった3D映画『アバター』(2014)

AVファンのもうひとつの興味は、高音質化・高画質化の流れではないか。MCUでは第7作目『アイアンマン3』(2013)からドルビーアトモスを採用している。なお日本のドルビーアトモス対応スクリーンは、同2013年の「TOHOシネマズ ららぽーと船橋」からである。そして『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』(2016)からドルビービジョン作品にもなっている。

MCUの初ドルビービジョン作品の『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』

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