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PR 公開日 2024/10/16 06:30

高音質&低遅延なBluetoothオーディオの今とこれから。「Snapdragon」特別イベントの模様をお届け!

クアルコムの最新ソリューションを紹介
PHILE WEB編集部
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今や外に出ると、眼にしない日はないというほどに普及した完全ワイヤレスイヤホン。オーディオ製品というカテゴリ留まることなく、生活を彩るライフスタイルグッズとしても普及しているワイヤレススピーカー。そんなワイヤレスオーディオを “高音質” “低遅延” で楽しめる最新ソリューションが、クアルコム社による「Snapdragon Sound」だ。

本稿では、Snapdragon Soundのプレゼンテーションや、次世代Bluetooth規格のLE Audioの新機能「Auracast」のデモンストレーションなどを行った、特別体験イベントの模様をレポートする。


■モバイルデバイスに留まらない「Snapdragon」。PCへの普及で拡がるオーディオの可能性



Snapdragon Soundとは、クアルコム社のワイヤレスオーディオ関連の独自技術をまとめたプラットフォーム。対応デバイスとの組み合わせで最大96kHz/24bit相当のハイレゾサウンド伝送と、環境に応じてビットレートを動的に調整し、最適なオーディオ品質と低遅延接続の提供を同時に実現する「aptX Adaptive」や、CD品質の音楽再生をワイヤレス通信で実現する「aptX Lossless」といった高品質コーデックをサポートする。

同プラットフォームに対応するワイヤレスイヤホン/ヘッドホンは、日本国内においても日々増加。デバイス側も「Snapdragon」チップセット搭載するモバイル端末を中心に普及しているが、PC向けのチップセット「Snapdragon X Elite」の登場により、その潮目が大きく変わろうとしている。

イベント講師を務める、オーディオ評論家の鴻池賢三氏

イベント冒頭では、クアルコムにとって大きなトピックであるSnapdragonのPC分野への普及、そしてオーディオビジュアル分野への影響について、オーディオ評論家の鴻池賢三氏がスピーチを行った。

同社SoCのPC分野への拡大を担うSnapdragon X Eliteは、マイクロソフトの発表したAI機能対応PC「Copilot+ PC」の性能要件に初めて対応したチップセット。搭載NPUによるオンデバイスAI演算能力や、バッテリーライフを向上させる省電力機能などが主な特長として挙げられる。

その中で、一番のポイントであるAI機能は、「オーディオビジュアル的にもアドバンテージがある」と鴻池氏。音源のアップサンプリングや、映像のアップスケーリング、超解像技術、フレーム補完といった技術も今後は自然に行えるようになるのでは、と私見を述べた。

またSnapdragon X Elite搭載PCは、低発熱プロセッサーに由来する冷却ファン駆動音の静粛性や、上述したaptX Adaptive/aptX Losslessコーデックのサポートといった特徴を持つことから、「PCオーディオの核になりうる」として大きな期待を寄せていた。

また、クアルコムのマーケティング担当の泉氏は、Snapdragon X Elite/Proを通した、同社のラップトップ分野における取り組みを紹介してくれた。

この数年 “The PC Reborn” と銘打ち、ラップトップの分野に技術、マーケティングの両側面で投資を実施してきたとのこと。その結果マイクロソフトから高い評価を受け、Snapdragon X Elite/Proが搭載されたPCのみがCopilot+の要件を満たしたプロダクトとして他社に先んじていると自信を見せる。

“The PC Reborn” と銘打ち、ラップトップへ注力。今後はモバイルデバイスに留まらない訴求を狙う

クアルコムマーケティング担当の泉氏

Snapdragon X Elite/Proの強みは、CPU、GPU、NPUを内製で完結していることに加え、モバイルで培った省電力性能だと泉氏はコメント。実際に、他社のチップセットと比較した際の電力パフォーマンス実測値は、2.6倍、5.4倍もの電力効率を実現したとグラフを交えて紹介。さらに、チップの省電力性能がそのままCPUの発熱低下にも繋がり、安定稼働を実現するという、高い完成度を紹介してくれた。

■なお進化し続ける「Snapdragon Sound」。 最新チップセットの新機能に注目



イベントでは本国から来日した、クアルコム社 製品マネジメント担当のClement Pang(クレメント・パン)氏による、Snapdragon Soundを始めとするBluetooth技術のプレゼンテーションを実施。同社のワイヤレスオーディオ向けSoCの最新動向や、ロードマップについて語ってくれた。

クアルコム社 製品マネジメント担当のClement Pang(クレメント・パン)氏

通訳などを担当したクアルコムジャパン 大島氏

現在同社の展開するワイヤレスオーディオ向けSoCは、「Qualcomm S7/S7 Pro Gen 1 Sound Platform」をフラグシップ= “Ultra-premium tier” と位置づけ、“Premium tier” “Mid tier” からなる、3グレード5ラインナップで展開。いずれもSnapdragon Soundに対応しており、デバイスを問わず豊かなサウンドが体験できることを強くアピール。

現在クアルコムが展開する、ワイヤレスオーディオ向けSoCのラインナップ

年々増加するSnapdragon Sound対応デバイス

さらに、Snapdragon Soundは今に至るまで全世界で100以上のブランドが採用し、200以上の対応製品があることも紹介。シャープのAQUOS PhoneやソニーXperiaといったスマートフォン、オーディオテクニカ、ボーズを始めとする各メーカーのイヤホンなど、日本のオーディオビジュアルファンに馴染み深い人気ブランドが多数参画していることがあらためて説明された。

これまでは、モバイルデバイスでの採用がメインとなっていたが、上記したSnapdragon X Eliteの登場を期に、Windows PCへの本格普及と、オートモーティブの分野での採用を見越し、Snapdragon Soundエコシステムの拡大を図っていくと力を込めた。

現在のフラグシップワイヤレスオーディオSoC、Qualcomm S7/S7 Pro Gen 1 Sound Platformについては、ハード/ソフトの両側面で大幅な刷新を実施したとのこと。ハードの面では電源に関する部分を改良することでノイズの抑制を図り、ソフトの面では、環境に応じたベストなリスニング環境の生成を、エッジAI(デバイスによるAI演算)によって処理しているという。

そして、シリーズ最大の特長となるのが、「XPAN(Expanded Personal Area Network Technology)」だとクレメント氏。これは、従来のBluetoothの2.4GHz帯をベースに、超低消費電力Wi-Fiの5GHz/6GHz帯にまで伝送帯域を拡大するというもの。「1階のリビングに端末を置いて、自分がイヤホンを付けながら2階に行ってもWi-Fiを使って途切れることなくオーディオを楽しめる」といった使い方も可能になるとのことだ。

フラグシップワイヤレスオーディオSoCのQualcomm S7/S7 Pro Gen 1 Sound Platformに搭載される「XPAN」

質疑応答の段では、QualcommSoCや、Bluetoothに関連する質問が多く寄せられた

次ページ「Auracast」体感や、コーデック比較試聴といった内容満載のデモを実施!

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