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高音質&低遅延なBluetoothオーディオの今とこれから。「Snapdragon」特別イベントの模様をお届け!

公開日 2024/10/16 06:30 PHILE WEB編集部
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■最新技術「Auracast」を体感!ハイエンドオーディオによるコーデック比較試聴も



デモンストレーションのパートでは、まず次世代Bluetooth規格のLE Audioの新機能「Auracast」の体験、続いて特別仕様のハイエンドオーディオシステムを介したBluetoothコーデック比較試聴が順に行われた。


試聴パートの進行を担当するファイルウェブ編集部員、小野
Auracastは、1台の送信機から台数無制限の受信機に向けて音声を伝送できる技術。例えばスマートフォンの音楽を、自分のイヤホンだけでなく友人や家族のイヤホンやスピーカーにもシェアリングしたり、公共施設の放送でオリジナル言語と多言語通訳を同時配信し、ユーザーが聴きたい方を自分のイヤホンから再生するといった用途が考えられている。

次世代Bluetooth規格LE Audioの新機能「Auracast」利用イメージ

本イベントでは、1台のスマートフォンから3台のスピーカーで同じ楽曲を流すシェアリング機能を体験できるデモを用意した。JBLのパーティスピーカー「PartyBox Club 120」を会場に3台設置。1台目を通常の手順を踏んでペアリングした後、2台目以降のPartyBoxの電源を入れ、天面部のAuracast接続ボタンを押すだけで、1台目と同じ曲がほとんどズレ無く流れ出す。そのセッティングの手軽さと、会場の3方に設置されたスピーカーからの迫力ある同時再生で、Auracastの利便性を来場者の肌へ直に届けていた。

Auracast試聴デモに使用した「PartyBox Club 120」。筐体天面にAuracastの“A”を象った接続ボタンを配置する

コーデックの比較試聴においては、Snapdragon Soundに対応するCopilot+ PCと、通常のPCとの接続を切り替える形で、aptX LosslessとSBC音源の聴き比べを行った。

試聴システムは各PCを、Bluetoothのレシーバーとなる評価ボードとペアリング。評価ボードは、DACボード「DAC-60」を装着されたアキュフェーズのプリメインアンプ「E800」、そしてB&Wのスピーカー「803D3」へと繋がる。総額約600万円のハイエンドコンポーネントを用いた、贅沢な構成を用意した。

ハイエンドコンポーネントで構成されるBluetooth比較試聴システム

実際の製品開発にも用いられる「評価ボード」をBluetoothレシーバーとして接続

音の再生に先立ち、クアルコムのエクステンションパートナーとして、当日のデモでも技術協力してくれたシーイヤーの村山好孝氏が、aptX LosslessとSBCとの具体的な差について解説。Snapdragon Soundの認証試験で実際に用いられるというマルチトーン信号を再生した際の、各コーデックの周波数スペクトルのグラフを披露してくれた。

SBCとaptX Losslessとでマルチトーン信号再生時周波数を比較

シーイヤー 村山好孝氏

グラフは横軸が周波数で、縦軸が幅。青がSBCで赤がaptX Losslessを示している。村山氏によると、「櫛状に下の方まで伸びているaptX Losslessは余計な音が乗っていない。対するSBCは、間に挟まっているように見える下側の波形形状が雑音や音の定位感に影響する」という。

このようなデータを踏まえて、実際にマルチトーン信号をSBC/aptX Losslessコーデックで交互に再生する。どちらも均一な音が鳴らされているようでいて、SBCのみ「耳を澄ますと “ジー” っとセミの鳴き声のようなノイズが背景で聴こえる」と鴻池氏は指摘。aptX Losslessではそのような “余計な音” は乗っておらず、均一なトーンがより正確に再現されていると聴き所を説明する。トールボーイスピーカーを用いて、会場いっぱいの大音量で再生したことも手伝ってか、一聴してコーデックによる音質差に気付けた来場者も多く見られた。

SBCコーデックPCと、aptX Losslessに対応する「Snapdragon X Elite」搭載PCを切り替え

コーデックの違いを判別できたか尋ねると、多くの来場者からフィードバックが

続けて楽曲再生によるデモを行うと、やはりaptX Lossless再生の圧倒的なクオリティ差が際立った。鴻池氏も「aptX Losslessに変えた瞬間音の厚みが増して、ボーカルも気持ちよく鳴らしてくれる。これだけのシステムでも音源が負けず、Bluetoothでもきちんとオーディオを楽しめる」と、効果のほどを絶賛した。

イベントの終わりには、会場に展示されたSnapdragon Sound対応デバイスの試聴会も賑わいを見せた。試聴機は、BOSEから「Ultra Open Earbuds」「QuietComfort Ultra Earbuds」「QuietComfort Ultra Headphones」、finalから「ZE8000MK2」、Shureから「AONIC 50 Gen2」がラインナップ。再生機としてSHARP製のスマートフォン「AQUOS R9」が用意されており、来場者は各ブランドの製品や手持ちのオーディオ製品と聴き比べながら、Snapdragon Soundを思い思いに体感していた。

イベント会場後方ではSnapdragon Sound対応デバイスの試聴コーナーを用意

さらに、デモ協力として参加したシーイヤーから、ポータブルスピーカー「pave(パヴェ)」の体験ブースも出展。こちらはスピーカーカテゴリで世界初のSnapdragon Sound対応プロダクトとして、2023年9月よりクラウドファンディングサイトGREENFUNDINGにてプロジェクトをスタート。最終的に目標金額の2345%、234,504,207円もの支援を集めた注目のアイテムだ。

「pavé」

3Dサラウンド体験に、ブース前は来場者が多く集った

現在は一般販売に向けて準備中とのことだが、クラファン支援者のみしか体験できない「3Dサウンド」に耳を傾ける来場者の姿も多く見られた。

(提供:クアルコム)

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