6作品の画質・音質を徹底チェック
発売直前最速レポート!『スター・ウォーズ』BD-BOXのクオリティ&見どころを総力検証
エピソードIV 新たなる希望
■画質チェック:1977年制作の映画としては非常にハイレベル
宇宙がきちんと黒い。そしてフィルム由来の傷も見当たらなければ、暗部にざわめくノイズも無い。この時点で、ソフト化にあたって実に丁寧な作業が行われたということがわかる。情報量、解像感といった画質の基本要素は、1977年制作の映画としては相当なレベルに達している。
全編を通して見ると、ごくわずかながら、カットごと・フレームごとに微妙に色調がずれるシーンがある。タトゥイーンの砂漠、特にR2-D2とC-3POの脱出艇が不時着してからの一連のシーンなどはかなりノイジーで厳しい。マスターフィルムを徹底的に洗浄したそうだが、画質的にはこういった限界もある。
だが、タトゥイーンの岩場が映ると一転してはっとするような精細感と透明感を見せるなど、浮き沈みの激しい画である。
フィルム由来のグレインは、エピソードIに比べるとはるかに多く、これがうまい具合にディティールの向上に寄与している。
宇宙戦での特撮など、1977年でよくここまでやったものだと改めて驚愕し、デススターの素晴らしいディティールに感嘆するが、やはり画質的にはそれほどクオリティが高いわけではない。本編のそこかしこに後付けのCGIが登場するが、さすがに浮いている。もちろん、それはそれとして楽しむのがマナーというものだろう。
全体的に、本作はあくまで「1977年という年代相応に優れた画質」と言うべきレベルであり、新三部作に共通して見られたような“スター・ウォーズの画”といったようなものはまだ見られない。
【画質評価】
情報量:75
解像感:75
安定感:70
総合評価:77
■音質チェック:元気いっぱいで威勢が良いサウンドに好印象
「きちんとサラウンドしている」という印象だ。オープニングも素晴らしいサラウンドミックスが行われており、少なくともサラウンド感において古臭さは感じられない。
恐らく1997年の特別編公開に合わせて作り直されたであろう音響は、新三部作のそれに比べると明らかにナローレンジであり、音抜けもそれほどでもないが、そのぶん元気いっぱいで威勢が良い。
ブラスターの音一つをとっても、野太く、激しい。お行儀よく上品になった新三部作とは別物である。ミレニアム・ファルコン号のエンジンも、まさしく雷の如き咆哮を上げる。
音響的なハイライトはやはり宇宙戦で、ミレニアム・ファルコン号をはじめとする宇宙船の軌跡、ブラスターの火線など、しかるべき音は全てマルチチャンネルを活かし、空間を縦横無尽に動き回る目まぐるしい移動感と、厚い包囲感の最後に、デススターの爆発という特大のクライマックスが待っている。爆発に際しての光輪も、きちんとフロントレフト→サラウンドレフトに広がる。
また声の表現に関しても、新三部作に比べてナローレンジながら力強さでは勝っており、これも好印象だ。
【音質評価】
技術:80
力感:85
品位:75
総合評価:84
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