公開日 2019/03/27 18:17
パッシブ最上位はペア480万円
Paradigm、ベリリウム・トゥイーター/ミッドレンジを搭載した旗艦スピーカー「PERSONA」
編集部:小澤貴信
オーディオ製品の輸入販売を行う(株)PDNは、本日27日、同社が4月より取り扱いを開始するスピーカーブランド「MartinLogan(マーティン・ローガン)」と「Paradigm(パラダイム)」の製品発表会を行った。本記事では主にパラダイムと、今回日本に導入される同ブランドのフラグシップシリーズ「PERSONAシリーズ」について紹介する。マーティン・ローガンについてはこちらの記事で紹介している。
マーティン・ローガンは米国、パラダイムはカナダのブランドで、それぞれ約35年の歴史を持つ。両社共に2005年に投資会社 SHORE VIEW社に買収され、現在は同社が設立したPML Sound Internationl社の傘下で運営されている。一方で現在においても、個別に設計部門および営業部門を有しているという。
パラダイムは1982年に創業。カナダの国立研究機関(NRC)におけるオーディオに関する研究結果を反映した製品を実現するために、スコット・バグビー氏とジェリー・バンダーマレル氏によって設立された。
ブランド創立以来、科学・工学・芸術・生産方法などを最適にバランスする製品造りを目指しており、音のくせや色付けを徹底して排していること、多様な環境においてその実力を発揮できることなどを強みとする。また、最先端の製造設備とハンドメイドを組み合わせることで、高精度かつ高品質なモノづくりを実現しているという。
製造はカナダ・オンタリオ州の大規模な自社工場にて行っており、ユニットからエンクロージャー、プリント基盤までを自社で生産・組み立てを行う。また、同社の持つ無響室は北半球で最大規模とのこと。
今回導入されるのはフラグシップのPERSONA(ペルソナ)シリーズ。ラインナップは以下の通り。なお、4月から順次発売される。
<PERSONAシリーズ>
「Persona 9H」(ハイブリッド・フロア型) 6,800,000円/ペア(税抜)
「Persona 7F」(フロア型) 4,800,000円/ペア(税抜)
「Persona 5F」(フロア型) 3,200,000円/ペア(税抜)
「Persona 3F」(フロア型) 1,800,000円/ペア(税抜)
「Persona B」(ブックシェルフ型) 1,500,000円/ペア(税抜)
「Persona C」(センタースピーカ−) 1,500,000円/1台(税抜)
「Persona SUB」(サブウーファー) 1,500,000円/1台(税抜)
「9H」は内蔵アンプで駆動するアクティブ方式のウーファーと、パッシブ方式の中高域を組み合わせたハイブリッド/密閉型で、3.5ウェイ・6ドライバー構成。9H以外はパッシブ/バスレフ型となっている。実質的なシリーズ最上位といえる「7F」は3ウェイ・4ドライバーのフロア型。「5F」は3ウェイ・5ドライバーのフロア型、「3F」は3ウェイ・4ドライバーのフロア型となる。
ブックシェルフ型「B」は2ウェイ・2ドライバー構成。センタースピーカー「C」は3ウェイ・6ドライバー構成となる。6ドライバー搭載のアクティブ型サブウーファー「SUB」もラインナップする。
サブウーファーを除く全モデルに共通する特徴は、 “Truextent” と名付けられた独自のベリリウム・トゥイーター/ベリリウム・ミッドレンジドライバーを搭載した点だ。
いずれも純度99.9%のピュアベリリウムを用いた振動板を採用。独自の製法によって均一な粒子構造を実現しており、一般的なベリリウム振動板と比べて軽量かつ高硬度で、ハイスピードな伝播速度を実現したとする。いずれのモデルもトゥイーターの口径は25mm口径、ミッドレンジは178mm。
これらのトゥイーター/ミッドレンジの正面には、特許技術 PPA(Perforated Phase-Aligning)による音響レンズを配置する。高帯域は反射などの影響で干渉が起こりやすく、透明感を損なう原因になると同社。PERSONAシリーズでは、位相調整機能を持つPPA音響レンズを中高域ユニットに搭載、音の流れをスムーズにして、位相のずれた周波数の相互干渉を低減するという。精密な金属加工は一見すると装飾が主目的のように見えるが、測定や計算を経て導き出された最適形状なのだという。
ウーファーについては、I-beam断面支持アームを介してアウターコーンとボイスコイルを固定する独自の2部構造を採用。ロングストローク仕様で、磁気回路はディファレンシャル駆動方式としている。
さらにウーファーのエッジ部には、射出成形の熱可塑性エラストマー素材を使用したエッジをドライバーコーンにダイレクトに被せる特許技術ART(Active Ridge Technology)エッジを採用。低歪みかつ強力な低音再生を可能にした。ウーファーの口径は9H/7Fが215mm、5F/3F/B/Cが178mm。
ラウンド形状のエンクロージャーは、音響解析を元にしたブレーシングやダンピング処理が施され、キャビネットの響きを活かしつつ、音の濁りの原因となる不要振動や内部定在波を低減する。
カラーバリエーションは、5色のスタンダードカラーに加えて、特注となる18色のプレミアムカラーも用意(価格はスタンダードと異なる。詳細は要・問い合わせとのこと)。スピーカーキャビネットのカラーだけでなく、音響レンズ、フロントバッフルやスピーカーコーン、リングのカラーも選択できる。
ハイブリッドモデルの「9H」は、ウーファー用として総出力1,400WのクラスDアンプを搭載。アダプティブPWM(パルス幅変調)を採用することで、正確かつスムーズな信号増幅を可能にするとする。さらに、リスニング環境に合わせて最適な音質が得られるアンセム・ルーム・コレクション(ARC)に対応。専用マイクでリスニングルームの低周波音の出力を測定、最適な応答曲線と比較してスピーカーの低周波数曲線を最適な数値に調整することができる。
■優れた北米ブランドの導入によって選択肢を広げたい
発表会の冒頭では、PDNの会長である佐藤卓が挨拶。PDNとは「Premium Distribution Network」の略であり、オーディオ・ビジュアルの優れた製品を提供することを目的に同社を設立したと説明。今回のパラダイム、マーティン・ローガンにとどまらず、今後はネットワークオーディオなど新しい時代のオーディオ製品にも取り組んでいくとした。
パラダイムとマーティン・ローガンを取り扱う理由として、「両ブランド共に、大きな企業であり、ガレージメーカーではない。開発手法に最新の音響工学を用い、生産体制も自動化して品質を向上させつつ、手作りの要素も残している。こうしたアプローチはオーディオにとって重要なことだ」と述べた。
また、今回北米の2ブランドを導入したことについて「近年、日本に輸入されているスピーカーが欧州ブランドに偏っていて、オーディオファイルの選択肢は狭まっているといえる。この北米の2ブランドを導入することで、より多様な選択ができると考えている」とした。
マーティン・ローガンは米国、パラダイムはカナダのブランドで、それぞれ約35年の歴史を持つ。両社共に2005年に投資会社 SHORE VIEW社に買収され、現在は同社が設立したPML Sound Internationl社の傘下で運営されている。一方で現在においても、個別に設計部門および営業部門を有しているという。
パラダイムは1982年に創業。カナダの国立研究機関(NRC)におけるオーディオに関する研究結果を反映した製品を実現するために、スコット・バグビー氏とジェリー・バンダーマレル氏によって設立された。
ブランド創立以来、科学・工学・芸術・生産方法などを最適にバランスする製品造りを目指しており、音のくせや色付けを徹底して排していること、多様な環境においてその実力を発揮できることなどを強みとする。また、最先端の製造設備とハンドメイドを組み合わせることで、高精度かつ高品質なモノづくりを実現しているという。
製造はカナダ・オンタリオ州の大規模な自社工場にて行っており、ユニットからエンクロージャー、プリント基盤までを自社で生産・組み立てを行う。また、同社の持つ無響室は北半球で最大規模とのこと。
今回導入されるのはフラグシップのPERSONA(ペルソナ)シリーズ。ラインナップは以下の通り。なお、4月から順次発売される。
<PERSONAシリーズ>
「Persona 9H」(ハイブリッド・フロア型) 6,800,000円/ペア(税抜)
「Persona 7F」(フロア型) 4,800,000円/ペア(税抜)
「Persona 5F」(フロア型) 3,200,000円/ペア(税抜)
「Persona 3F」(フロア型) 1,800,000円/ペア(税抜)
「Persona B」(ブックシェルフ型) 1,500,000円/ペア(税抜)
「Persona C」(センタースピーカ−) 1,500,000円/1台(税抜)
「Persona SUB」(サブウーファー) 1,500,000円/1台(税抜)
「9H」は内蔵アンプで駆動するアクティブ方式のウーファーと、パッシブ方式の中高域を組み合わせたハイブリッド/密閉型で、3.5ウェイ・6ドライバー構成。9H以外はパッシブ/バスレフ型となっている。実質的なシリーズ最上位といえる「7F」は3ウェイ・4ドライバーのフロア型。「5F」は3ウェイ・5ドライバーのフロア型、「3F」は3ウェイ・4ドライバーのフロア型となる。
ブックシェルフ型「B」は2ウェイ・2ドライバー構成。センタースピーカー「C」は3ウェイ・6ドライバー構成となる。6ドライバー搭載のアクティブ型サブウーファー「SUB」もラインナップする。
サブウーファーを除く全モデルに共通する特徴は、 “Truextent” と名付けられた独自のベリリウム・トゥイーター/ベリリウム・ミッドレンジドライバーを搭載した点だ。
いずれも純度99.9%のピュアベリリウムを用いた振動板を採用。独自の製法によって均一な粒子構造を実現しており、一般的なベリリウム振動板と比べて軽量かつ高硬度で、ハイスピードな伝播速度を実現したとする。いずれのモデルもトゥイーターの口径は25mm口径、ミッドレンジは178mm。
これらのトゥイーター/ミッドレンジの正面には、特許技術 PPA(Perforated Phase-Aligning)による音響レンズを配置する。高帯域は反射などの影響で干渉が起こりやすく、透明感を損なう原因になると同社。PERSONAシリーズでは、位相調整機能を持つPPA音響レンズを中高域ユニットに搭載、音の流れをスムーズにして、位相のずれた周波数の相互干渉を低減するという。精密な金属加工は一見すると装飾が主目的のように見えるが、測定や計算を経て導き出された最適形状なのだという。
ウーファーについては、I-beam断面支持アームを介してアウターコーンとボイスコイルを固定する独自の2部構造を採用。ロングストローク仕様で、磁気回路はディファレンシャル駆動方式としている。
さらにウーファーのエッジ部には、射出成形の熱可塑性エラストマー素材を使用したエッジをドライバーコーンにダイレクトに被せる特許技術ART(Active Ridge Technology)エッジを採用。低歪みかつ強力な低音再生を可能にした。ウーファーの口径は9H/7Fが215mm、5F/3F/B/Cが178mm。
ラウンド形状のエンクロージャーは、音響解析を元にしたブレーシングやダンピング処理が施され、キャビネットの響きを活かしつつ、音の濁りの原因となる不要振動や内部定在波を低減する。
カラーバリエーションは、5色のスタンダードカラーに加えて、特注となる18色のプレミアムカラーも用意(価格はスタンダードと異なる。詳細は要・問い合わせとのこと)。スピーカーキャビネットのカラーだけでなく、音響レンズ、フロントバッフルやスピーカーコーン、リングのカラーも選択できる。
ハイブリッドモデルの「9H」は、ウーファー用として総出力1,400WのクラスDアンプを搭載。アダプティブPWM(パルス幅変調)を採用することで、正確かつスムーズな信号増幅を可能にするとする。さらに、リスニング環境に合わせて最適な音質が得られるアンセム・ルーム・コレクション(ARC)に対応。専用マイクでリスニングルームの低周波音の出力を測定、最適な応答曲線と比較してスピーカーの低周波数曲線を最適な数値に調整することができる。
■優れた北米ブランドの導入によって選択肢を広げたい
発表会の冒頭では、PDNの会長である佐藤卓が挨拶。PDNとは「Premium Distribution Network」の略であり、オーディオ・ビジュアルの優れた製品を提供することを目的に同社を設立したと説明。今回のパラダイム、マーティン・ローガンにとどまらず、今後はネットワークオーディオなど新しい時代のオーディオ製品にも取り組んでいくとした。
パラダイムとマーティン・ローガンを取り扱う理由として、「両ブランド共に、大きな企業であり、ガレージメーカーではない。開発手法に最新の音響工学を用い、生産体制も自動化して品質を向上させつつ、手作りの要素も残している。こうしたアプローチはオーディオにとって重要なことだ」と述べた。
また、今回北米の2ブランドを導入したことについて「近年、日本に輸入されているスピーカーが欧州ブランドに偏っていて、オーディオファイルの選択肢は狭まっているといえる。この北米の2ブランドを導入することで、より多様な選択ができると考えている」とした。
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