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公開日 2021/11/06 07:00
太陽インターナショナルではTAIKO AUDIOのサーバーもデモ

<TIAS>エアータイト、一部関係者限定のプライベートイベント/SOULNOTEの“ハイパーリアリズム”を聴く

ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
東京・有楽町の東京国際フォーラムにて、国内外のオーディオブランドが集う「2021東京インターナショナルオーディオショウ」が、11月5日〜7日にわたり開催されている。本稿ではそのイベントから、エアータイト、ソウルノート、太陽インターナショナルのブースについてレポートする。

■エアータイト

エアータイト(D401)は、今年はフリー試聴と、メディア並びにディーラー関係者限定のプライベートイベントを開催。11月5日(土)の限定イベントでは評論家の小原由夫氏による製品デモが展開された。

小原由夫氏によるプライベートイベントを開催。アヴァンギャルドの「DUO XD」と、フランコ・セルブリンの「Accordo Essence」を切り替えてデモ

今回の組み合わせスピーカーには、アバンギャルドの「DUO XD」と、フランコ・セルブリンの「Accordo Essence」という特徴の大きく異なるスピーカーを使用。211真空管を活用した「ATM-2211J」を「Accordo Essence」で、300Bを使用した「ATM-300R」には「DUO XD」という興味深い組み合わせで展開された。

エアータイトのパワーアンプ「ATM-300R」。TAKATSUKIの300Bを組み合わせている

アヴァンギャルドの「DUO XD」のウーファー部はパワーアンプを搭載するアクティブ駆動となっているため、出力の取りづらい300Bシングルのアンプでも十分に駆動できるというメリットがある。三浦社長によると、実際にこういった組み合わせは海外のオーディオショウでもよく展開される組み合わせだという。

エアータイトは今年は新製品はなかったが、その代わり既存のモデルの魅力を深掘りするデモを展開。

エアータイトの須田幸男氏がレコードデモを展開

前半は「ATM-2211J」を「Accordo Essence」で鳴らす時間。非常に印象的だったのが、ヒラリー・ハーンによるショーソンの「詩曲」。この曲は小原氏のフェイバリット作品で、これまでさまざまな演奏家の作品を聴いてきたというが、この曲には「とても興奮した」と語る。ヴァイオリンの“歌わせ方”が素晴らしく、実在感のある彼女の立ち姿がスピーカー中央にリアルに立ち現れる。

後半は「ATM-300R」と「DUO XD」の組み合わせだが、これはまたひとつリアリティの次元を切り拓いたような非常に印象的な組み合わせ。まさにライブの生っぽさそのものを切り出してきたよう。ドナルド・フェイゲンの「I.G.Y.」はさまざまなシステムで聴いてきた音源だが、これまで聴いたどんなサウンドとも違う新しいリアリティに到達している。

小原氏もエアータイトブランドの魅力について、「古典的な回路に固執せず、新しいことを取り入れる攻めの真空管ブランド」という姿勢にあるという。まさに音からもその意気は感じられ、決して懐古趣味に陥ることのない、真空管の新しい可能性を開くブランドであると感じられた。

参考出品としてヘッドホンアンプも展示

■太陽インターナショナル

太陽インターナショナル(G610)のブースでは、NAGRA、dCS、ジェフ・ロゥランドなどの人気ブランドを中心にデモンストレーションを展開。スピーカーにはアヴァロン・アコースティクスの「Precision Monitor 4」などを展開、クラシック音楽を中心に非常に精緻で音楽性豊かなハイエンドサウンドを奏でていた。

太陽インターナショナルのデモンストレーションの様子

さらに、今回のイベントで初お披露目となるTAIKO AUDIOのオーディオサーバー「SGM Extreme」への関心も高い。Windows PCをベースに、強力なCPUと電源部を搭載、Roon等のソフトウェアを活用してDSD11.2MHz等のハイスペック音源もスムーズに再生できるものとして注目されている。

TAIKO AUDIOのサーバー「SGM Extreme」

今回のデモでは、「SGM Extreme」から、NAGRAのUSB-DAC「HD DAC X」にデジタルデータを送り、同じくNAGRAのプリ、パワーで鳴らすという超ハイエンドなデジタル再生システムを展開。ミュージシャンが現前するようなリアリティと三次元的なステージ感に来場者も聴き惚れていた。

TAIKO AUDIOについて解説する太陽インターナショナル社長の内田眞一氏

■SOULNOTE

SOULNOTE(G508)のブースでは、すでに発表されている「ZEUS」の名を冠するネットワーク再生システムに加えて、新登場のモノラルパワーアンプ「M-3」が初お披露目された。「M-3」は、開発担当の加藤秀樹氏が、持てる技術やアイデアを全て投入して組み上げたというモデル。

SOULNOTEのデモンストレーション。手前2台が「M-3」、左上からDAコンバーター「D-2」、プリアンプ「P-3」、SACDプレーヤー「S-3 ver2」、左下は「X-3」、ネットワークトランポート「Z-3」となっている

山之内 正氏の講演では、SACDプレーヤー「S-3 ver2」からと、「ZEUS」によるハイレゾ再生の両方がデモンストレーションされた。山之内氏は“ハイパーリアリティ”という言葉でその音を表現したが、まさに音楽だけがそこにある、圧倒的な実在感を全身で感じることができた。

新規出展のモノラルパワーアンプ「M-3」

たとえばストラヴィンスキーの「兵士の物語」という作品は、語りや打楽器などさまざまな聴きどころのある楽曲だが、パーカッションの立ち上がりの良さやブレのなさ、ヴァイオリンの弦を弾く躍動感などが、まさに生楽器さながらに展開されて息を呑む。

山之内氏もソウルノートのシステムについて、「空間的な立体感に加えて、時間軸情報をリアルに再現する」ことも大きな特徴だという。楽器の立ち上がりはもちろん、隣り合う音同士のセパレーションやブラスの陰影感などにそういった特徴が現れており、高精度の外部クロックやゼロリンクなどの規格が大きく貢献していることを解説した。

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