公開日 2023/08/10 13:02
Volumioを活用した車も多数登場
猛暑も吹き飛ばすカーオーディオの熱気。サウンドウェーブ主催「OTONAMI MEETING」レポート
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
茨城県のカーオーディオショップ、サウンドウェーブが主催するユーザーミーティング「OTONAMI MEETING」が、7月30日(日)にひたちなか市の笠松運動公園第4駐車場にて開催された。
例年は春と秋に開催していたそうだが、今年は会場の予約の関係で初の7月開催。メインの目的はカーオーディオユーザー同士の交流会となるが、各地のコンテストで審査員を務める山之内 正氏によるサウンドクリニックやセミナーも開催されるなど、カーオーディオの音質を深めるさまざまな取り組みが行われている。
サウンドウェーブの根本さんは、「カーオーディオの楽しさを一人でも多くのお客さんに伝えていきたいです」と気合い十分。必ずしもコンテスト目当てのお客さんばかりではなく、「ホームやポータブルも含めて自分の好きな音を追求したい」「他の人に聴いてもらって自分の車の音を客観的に評価してもらいたい」といった目的意識を持ったカーオーディオファンが集結。サウンドウェーブのお客さん以外にも、福島県いわき市のショップ「サウンドエスパス」のお客さんも多く来場し、情報交換が活発に行われてきた。
午前中から30度を超える猛暑日で、アスファルトの照り返しも厳しい駐車場での開催となったため、運営スタッフも「熱中症にはくれぐれも気をつけてください!」と呼びかけてのスタート。
メインのテントは、16台限定の山之内氏によるサウンドクリニック。運転席に山之内氏が座り、課題曲のサウンドをチェック、音質の評価や改善点などをひとつひとつ丁寧に解説していく。クリニックへの参加者はやはりコンテストへの意欲も高く、山之内氏のコメントを一言も聞き漏らすまいと耳を傾ける。
13時からは中央テントに集合してのセミナーを開催。テーマは「クラシック音楽を車でどう鳴らすか?」ということで、コンテストの課題曲としても必ず選定されるクラシックをどう攻略するか、山之内氏の経験も踏まえた具体的なアドバイスが語られた。
たとえばティンパニなど立ち上がり鋭くエネルギー感ある楽器の再生には、アンプのパワーやボディの振動対策が重要となる。また正確なリズムを再現できること、音域ごとにバランスが取れていて、ハーモニーがきちんと描かれているかも採点の重要項目で、これらをクリアできていないと上位は狙いにくい、と音作りのポイントを解説。まずはクラシックでセッティングを追い込んでから、他の楽曲で微調整をするのがバランスが崩れにくいと推奨する。
「ピアノの高音を綺麗に出すためにはどうしたら良いか?」という参加者の質問に対しては、「付帯音の処理に課題があるのかもしれません。信号経路に余分な成分が入り込んでいるかもしれないので、歪みが少ない取り付け方法を探ると良いかもしれません」とコメント。コンサートに足を運び、実際に生のピアノの音に触れることも耳を鍛える良い方法だとアドバイスを送る。
実は山之内氏はこの春にフォルクスワーゲン「ゴルフ」の新車を購入、サウンドウェーブがカーオーディオの取り付けをおこなっている。完成したばかりのカーオーディオシステムもこのイベントで初お披露目され、参加者が自由に試聴できるように公開されていた。
DYNAUDIOの2ウェイ「MD-102」&「MW-162」をフロントに、サブウーファー「MW-182」をトランクに設置。山之内氏のリクエストで「荷物を乗せることも多いので、トランクのスペースは確保したい」ということから、アンプはARC AUDIOのDSP内蔵アンプ「PS8-50」と比較的シンプルなシステムで構築。スピーカーケーブルにはサエクの「SPC-650」を活用している。
何曲か聴かせてもらったが、涼やかな風が駆け抜けるような爽やかなサウンドが特徴で、三次元的な立体感や広がり感はさすがのもの。ギターのビートの色濃さも印象的で、ドライブの時間がぐっと豊かなものになりそうだ。
ユーザーカーもいくつか聴かせてもらったが、Volumioのアプリを活用したネットワークオーディオ再生を実践している車がいくつかあった。話を聞くとサウンドエスパスの田巻さんが積極的に推進しているスタイルだそうで、Tinker BoardにVolumioをインストールすることで、送り出しを比較的安価に抑えたカーオーディオシステムを構築することができる。カーオーディオにもPCオーディオのノウハウが生かされていることは新鮮な驚きであった。
「OTONAMI MEETING」にはカーオーディオメーカー各社も参加し、新製品の紹介や最新のデモカー体験会などを実施。トライム(株)は、スズキの「MR ワゴン」のダッシュボード上にポン置き+ドアユニットの入れ替えのみ、20万少々で実現できるエントリーセットを紹介。抜けの良さとダッシュボード上に展開するステージングは聴きごたえたっぷりで、新しいカーオーディオユーザーの開拓にもつながりそうだ。
オーディオテクニカは、DSPからアンプ間について、ノーマルケーブルとグレードの高いRexat(レグザット)ケーブルが聴き比べできるデモカーを用意。RexatケーブルではS/Nが明らかに向上し、特にピアノの質感の向上は目を見張るものがある。カーオーディオでも上質なケーブルを使うことの重要性をあらためて確認できた。
ほかにも、ジャンライン&パートナーズは、新製品となるARC AUDIOの「Blackbird Amplifier」を装着した三菱アウトランダーを用意。このアウトランダーはこれまで各地のカーオーディオイベントで記者も何度か試聴してきた車だが、スピーカーやアンプ/DSPの交換やチューニングを調整するだけでここまで音の違いが現れるのか、といつも驚かされる。今回はアンプの強靭なパワーも相まって、モレルのスピーカーから極上の豊穣感を引き出していた。
日差しも強さも相まってか、これまで取材してきたどのイベントよりもユーザーのカーオーディオに対する熱意が高い印象を受ける。長時間試聴しながらメーカー担当者に積極的に質問を投げかけ、今後の方針について相談する参加者が多く見られたのも驚きであった。
関東からカーオーディオ市場を盛り上げるサウンドウェーブ。今後の取り組みにも注目だ。
例年は春と秋に開催していたそうだが、今年は会場の予約の関係で初の7月開催。メインの目的はカーオーディオユーザー同士の交流会となるが、各地のコンテストで審査員を務める山之内 正氏によるサウンドクリニックやセミナーも開催されるなど、カーオーディオの音質を深めるさまざまな取り組みが行われている。
サウンドウェーブの根本さんは、「カーオーディオの楽しさを一人でも多くのお客さんに伝えていきたいです」と気合い十分。必ずしもコンテスト目当てのお客さんばかりではなく、「ホームやポータブルも含めて自分の好きな音を追求したい」「他の人に聴いてもらって自分の車の音を客観的に評価してもらいたい」といった目的意識を持ったカーオーディオファンが集結。サウンドウェーブのお客さん以外にも、福島県いわき市のショップ「サウンドエスパス」のお客さんも多く来場し、情報交換が活発に行われてきた。
午前中から30度を超える猛暑日で、アスファルトの照り返しも厳しい駐車場での開催となったため、運営スタッフも「熱中症にはくれぐれも気をつけてください!」と呼びかけてのスタート。
メインのテントは、16台限定の山之内氏によるサウンドクリニック。運転席に山之内氏が座り、課題曲のサウンドをチェック、音質の評価や改善点などをひとつひとつ丁寧に解説していく。クリニックへの参加者はやはりコンテストへの意欲も高く、山之内氏のコメントを一言も聞き漏らすまいと耳を傾ける。
13時からは中央テントに集合してのセミナーを開催。テーマは「クラシック音楽を車でどう鳴らすか?」ということで、コンテストの課題曲としても必ず選定されるクラシックをどう攻略するか、山之内氏の経験も踏まえた具体的なアドバイスが語られた。
たとえばティンパニなど立ち上がり鋭くエネルギー感ある楽器の再生には、アンプのパワーやボディの振動対策が重要となる。また正確なリズムを再現できること、音域ごとにバランスが取れていて、ハーモニーがきちんと描かれているかも採点の重要項目で、これらをクリアできていないと上位は狙いにくい、と音作りのポイントを解説。まずはクラシックでセッティングを追い込んでから、他の楽曲で微調整をするのがバランスが崩れにくいと推奨する。
「ピアノの高音を綺麗に出すためにはどうしたら良いか?」という参加者の質問に対しては、「付帯音の処理に課題があるのかもしれません。信号経路に余分な成分が入り込んでいるかもしれないので、歪みが少ない取り付け方法を探ると良いかもしれません」とコメント。コンサートに足を運び、実際に生のピアノの音に触れることも耳を鍛える良い方法だとアドバイスを送る。
実は山之内氏はこの春にフォルクスワーゲン「ゴルフ」の新車を購入、サウンドウェーブがカーオーディオの取り付けをおこなっている。完成したばかりのカーオーディオシステムもこのイベントで初お披露目され、参加者が自由に試聴できるように公開されていた。
DYNAUDIOの2ウェイ「MD-102」&「MW-162」をフロントに、サブウーファー「MW-182」をトランクに設置。山之内氏のリクエストで「荷物を乗せることも多いので、トランクのスペースは確保したい」ということから、アンプはARC AUDIOのDSP内蔵アンプ「PS8-50」と比較的シンプルなシステムで構築。スピーカーケーブルにはサエクの「SPC-650」を活用している。
何曲か聴かせてもらったが、涼やかな風が駆け抜けるような爽やかなサウンドが特徴で、三次元的な立体感や広がり感はさすがのもの。ギターのビートの色濃さも印象的で、ドライブの時間がぐっと豊かなものになりそうだ。
ユーザーカーもいくつか聴かせてもらったが、Volumioのアプリを活用したネットワークオーディオ再生を実践している車がいくつかあった。話を聞くとサウンドエスパスの田巻さんが積極的に推進しているスタイルだそうで、Tinker BoardにVolumioをインストールすることで、送り出しを比較的安価に抑えたカーオーディオシステムを構築することができる。カーオーディオにもPCオーディオのノウハウが生かされていることは新鮮な驚きであった。
「OTONAMI MEETING」にはカーオーディオメーカー各社も参加し、新製品の紹介や最新のデモカー体験会などを実施。トライム(株)は、スズキの「MR ワゴン」のダッシュボード上にポン置き+ドアユニットの入れ替えのみ、20万少々で実現できるエントリーセットを紹介。抜けの良さとダッシュボード上に展開するステージングは聴きごたえたっぷりで、新しいカーオーディオユーザーの開拓にもつながりそうだ。
オーディオテクニカは、DSPからアンプ間について、ノーマルケーブルとグレードの高いRexat(レグザット)ケーブルが聴き比べできるデモカーを用意。RexatケーブルではS/Nが明らかに向上し、特にピアノの質感の向上は目を見張るものがある。カーオーディオでも上質なケーブルを使うことの重要性をあらためて確認できた。
ほかにも、ジャンライン&パートナーズは、新製品となるARC AUDIOの「Blackbird Amplifier」を装着した三菱アウトランダーを用意。このアウトランダーはこれまで各地のカーオーディオイベントで記者も何度か試聴してきた車だが、スピーカーやアンプ/DSPの交換やチューニングを調整するだけでここまで音の違いが現れるのか、といつも驚かされる。今回はアンプの強靭なパワーも相まって、モレルのスピーカーから極上の豊穣感を引き出していた。
日差しも強さも相まってか、これまで取材してきたどのイベントよりもユーザーのカーオーディオに対する熱意が高い印象を受ける。長時間試聴しながらメーカー担当者に積極的に質問を投げかけ、今後の方針について相談する参加者が多く見られたのも驚きであった。
関東からカーオーディオ市場を盛り上げるサウンドウェーブ。今後の取り組みにも注目だ。
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