公開日 2023/12/05 14:24
誰でもフラッと立ち寄れる開かれた空間に
「Technics cafe KYOTO」12/6オープン。音楽との出会いの場を提供する“入りやすい”オーディオ体験施設
編集部:押野由宇
パナソニックは、テクニクスサウンドの新たな体感拠点となる「Technics café KYOTO」を、“音の日” 12月6日にオープンする。場所は京都四条通りに面したオフィスビル「Panasonic Design Kyoto」の1階。
Technics café KYOTOは試聴室のような空間ではなく、「cafe」という名のとおりコーヒーや軽食とともにリラックスしながら、様々なプロフェッショナルが選んだプレイリストをテクニクスのオーディオシステムで楽しめる場所となっている。
オープンに先駆けて、本日12月5日にメディアを対象としたお披露目会が行われた。会場ではまずテクニクスブランド事業推進室の小川理子室長が登壇し、Technics café KYOTOについて紹介した。
まずブランドの現況として、テクニクスは2014年の「ブランド復活宣言」から来年で10年を迎える。その間、様々な独自技術で、スピーカーから完全ワイヤレスイヤホン、オールインワンコンポーネントなどをグローバルに展開。なかでもここ5年間は、評論家やユーザーから、「すべての商品カテゴリーで高い評価をいただく商品の連打を実現」できたと小川室長は語る。
現代はアナログレコードの復権、サブスクの普及など音楽の楽しみ方が多様化しているが、このような潮流のなか、テクニクスのアイコンであるダイレクトドライブターンテーブルは第四世代に突入した。そして完全ワイヤレスイヤホンやネットワークオーディオアンプなど、サブスク音源をワンランク上の再生できる環境をテクニクスは提供している。
この商品展開の根拠は、テクニクスの「音楽愛好家」についての分析にも寄る。「オーディオマニア」「オーディオや音質にはあまりこだわらない」という層のほか、音楽だけでなくアーティストや視聴環境など、様々な視点で音楽を楽しむ「文化的高感度層」が全体の40%を占めるとし、そこへのアプローチを強化する構えだ。
「アンプ、プレーヤー、スピーカーと音の入口から出口まで総合的に提供できるブランドとして、蓄積された技術、先進のデジタル技術も活かして、これからの技術に適応した商品を展開していきたい」と小川室長。Technics café KYOTOは、そうした「良い音で音楽を聴きたい」という音楽ファンへとリーチするための施策の1つでもある。
テクニクスでは「若い世代や女性が入りにくい。ハイエンドオーディオのハードルを取り払うことが使命」だとの考えを示し、食事やお酒とともにテクニクスサウンドを楽しむ「オーディオライブ」を実験的にスタート。いまその輪は広がりを見せ、好評を博しているという。
そしてこうした取り組みが総合的に楽しめる、ハイエンド・オーディオと音楽表現への探求がミックスされた非日常空間がTechnics café KYOTOであると、小川室長は紹介する。
「京都は人口あたりの学生数が日本一。外国の方も多く訪れる。この文化の交流地で、日本発の新たな音楽スタイルを発信していきたい」として、「気負いなくいい音で、いい音楽に出会える空間」を提案。「2025年、テクニクス誕生60周年を迎える際には、さらなる進化を遂げていたい」と締めくくった。
Technics café KYOTOは、テクニクスのブランドメッセージ「Rediscover Music」を体感でき、多様な人・音楽文化の出会いを創出し、グローバルにテクニクスの価値を発信する新たな拠点として期待されている施設だ。
そのためには、閉じた空間ではなく明るく開かれたスペースであり、またテクニクスの理念が感じられる場所であることも求められる。このミッションに応えたのが建築デザイナー 関裕介氏。関氏は「引き算の美学」を大切にTechnics café KYOTOを設計したという。
これはテクニクスの音響チームが残響音などを排除することを重要視していたことから、「装飾的な派手な演出ではなく、要素を引きながらデザインを考えた」とのことだ。そこで関氏が提案したのは床の切込み、そしてコンクリートのカウンターだった。
レコードが回ることからインスパイアされたという床は、建物の床を実際に一回切って、レコードが回るようにずらして貼り直している。そしてカフェメニューを提供するコンクリートのカウンターは、豆腐が崩れているようなテクスチャーが入っている。
これらに共通するのは、いずれも人の手作業が加えられていること。テクニクスの製品が “人の手” により生み出されていることと繋げる意図があり、建物を外から見ればシンプルだが、入りにくいという敷居の高さを感じさせないデザインになっている。
またフードにも力を入れ、小川珈琲監修のもと、オリジナルカフェメニューも提供。ベーカリーはパナソニックの調理家電「Bistro」で調理できるようになっている。地元のクラフトビールも4 - 5種類を用意するそうだ。
Technics café KYOTOでは、常設のオーディオシステムによりアナログレコードを中心とした試聴が行える。ダイレクトドライブターンテーブル「SL-1000R」、SACD/ネットワークプレーヤー「SL-G700M2」、プリメインアンプ「SU-R1000」、スピーカー「SB-R1」という布陣だ。またDJターンテーブル「SL-1200MK7」も設置される。
店内では、音楽プロデューサーの立川直樹氏、DJ RENA、DJ/建築家のMasaki Tamura、シンガー/DJ ナツ・サマー、モデル/DJ 矢部ユウナ、レコードショップSECOND ROYAL RECORDSらがそれぞれ選定したプレイリストが鳴らされる。開店からしばらくはこの運用になるが、いずれは来店者の持ち込みにも対応する考えだという。
前述のオーディオライブも積極的に行っていく。立川直樹氏はビデオメッセージで、「オープンの話を聞いてからずっとワクワクしていました。初めてテクニクスのシステムでレコードを聴いたとき、これまで100回単位で聴いていたレコードに衝撃を受けた。Technics café KYOTOでもオーディオライブを行っていくので、ぜひ楽しみにしてください」とコメントを寄せた。
なおオープニングイベントとして、12月6日18:00から立川氏をゲストに招いた「AUDIO LIVE vol.1」が行われる予定だ。
また当日のゲストとしてお気に入りのレコードを流したピーター・バラカン氏は、「Technics café KYOTOの良いところは、誰でもフラッと入ってきて、高級オーディオの音が聴けること。また来て、また聴いて、そして良い音楽を良い音で聴くということが習慣になる。日本ではジャズ喫茶の文化があるが、音が良くても暗くて、喋ってはいけないこともあったりする。ここは明るくて、気軽に体験できる」として、この場所が話題になるのではと期待を寄せる。
基本的にTechnics café KYOTOは年中無休(年末年始を除く)で、テクニクスサウンドに触れることができる。またオーディオライブは月1 - 2回、DJイベントも月1 - 2回と、毎週なにかしらのイベントが実施される予定だそうだ。
小川室長は、Technics café KYOTOのような場所を複数展開する予定について問われると、「夢は大きく、グローバルでも展開できればと思うが、まずはこの拠点で頑張っていきたい」と答えた。これまでにないオーディオ空間、音楽との出会いの場として、多くの方が訪れるようになれば、身近にTechnics caféがオープンする未来もあるだろう。
【Technics café KYOTOの詳細】
・ホームページURL:https://jp.technics.com/cafe-kyoto/
・名称:Technics café KYOTO
・住所:京都府京都市中京区新町通錦小路下る小結棚町444番地 京都四条新町ビル1F
・営業開始日:2023年12月6日(水)
・営業時間:日〜木曜日 11:00〜20:00/金〜土曜日 11:00〜22:00
・定休日:年末年始
Technics café KYOTOは試聴室のような空間ではなく、「cafe」という名のとおりコーヒーや軽食とともにリラックスしながら、様々なプロフェッショナルが選んだプレイリストをテクニクスのオーディオシステムで楽しめる場所となっている。
■文化の交流地である京都で、音楽との出会いの場を提供する
オープンに先駆けて、本日12月5日にメディアを対象としたお披露目会が行われた。会場ではまずテクニクスブランド事業推進室の小川理子室長が登壇し、Technics café KYOTOについて紹介した。
まずブランドの現況として、テクニクスは2014年の「ブランド復活宣言」から来年で10年を迎える。その間、様々な独自技術で、スピーカーから完全ワイヤレスイヤホン、オールインワンコンポーネントなどをグローバルに展開。なかでもここ5年間は、評論家やユーザーから、「すべての商品カテゴリーで高い評価をいただく商品の連打を実現」できたと小川室長は語る。
現代はアナログレコードの復権、サブスクの普及など音楽の楽しみ方が多様化しているが、このような潮流のなか、テクニクスのアイコンであるダイレクトドライブターンテーブルは第四世代に突入した。そして完全ワイヤレスイヤホンやネットワークオーディオアンプなど、サブスク音源をワンランク上の再生できる環境をテクニクスは提供している。
この商品展開の根拠は、テクニクスの「音楽愛好家」についての分析にも寄る。「オーディオマニア」「オーディオや音質にはあまりこだわらない」という層のほか、音楽だけでなくアーティストや視聴環境など、様々な視点で音楽を楽しむ「文化的高感度層」が全体の40%を占めるとし、そこへのアプローチを強化する構えだ。
「アンプ、プレーヤー、スピーカーと音の入口から出口まで総合的に提供できるブランドとして、蓄積された技術、先進のデジタル技術も活かして、これからの技術に適応した商品を展開していきたい」と小川室長。Technics café KYOTOは、そうした「良い音で音楽を聴きたい」という音楽ファンへとリーチするための施策の1つでもある。
テクニクスでは「若い世代や女性が入りにくい。ハイエンドオーディオのハードルを取り払うことが使命」だとの考えを示し、食事やお酒とともにテクニクスサウンドを楽しむ「オーディオライブ」を実験的にスタート。いまその輪は広がりを見せ、好評を博しているという。
そしてこうした取り組みが総合的に楽しめる、ハイエンド・オーディオと音楽表現への探求がミックスされた非日常空間がTechnics café KYOTOであると、小川室長は紹介する。
「京都は人口あたりの学生数が日本一。外国の方も多く訪れる。この文化の交流地で、日本発の新たな音楽スタイルを発信していきたい」として、「気負いなくいい音で、いい音楽に出会える空間」を提案。「2025年、テクニクス誕生60周年を迎える際には、さらなる進化を遂げていたい」と締めくくった。
■誰でもフラッと立ち寄れる開かれた空間に
Technics café KYOTOは、テクニクスのブランドメッセージ「Rediscover Music」を体感でき、多様な人・音楽文化の出会いを創出し、グローバルにテクニクスの価値を発信する新たな拠点として期待されている施設だ。
そのためには、閉じた空間ではなく明るく開かれたスペースであり、またテクニクスの理念が感じられる場所であることも求められる。このミッションに応えたのが建築デザイナー 関裕介氏。関氏は「引き算の美学」を大切にTechnics café KYOTOを設計したという。
これはテクニクスの音響チームが残響音などを排除することを重要視していたことから、「装飾的な派手な演出ではなく、要素を引きながらデザインを考えた」とのことだ。そこで関氏が提案したのは床の切込み、そしてコンクリートのカウンターだった。
レコードが回ることからインスパイアされたという床は、建物の床を実際に一回切って、レコードが回るようにずらして貼り直している。そしてカフェメニューを提供するコンクリートのカウンターは、豆腐が崩れているようなテクスチャーが入っている。
これらに共通するのは、いずれも人の手作業が加えられていること。テクニクスの製品が “人の手” により生み出されていることと繋げる意図があり、建物を外から見ればシンプルだが、入りにくいという敷居の高さを感じさせないデザインになっている。
またフードにも力を入れ、小川珈琲監修のもと、オリジナルカフェメニューも提供。ベーカリーはパナソニックの調理家電「Bistro」で調理できるようになっている。地元のクラフトビールも4 - 5種類を用意するそうだ。
Technics café KYOTOでは、常設のオーディオシステムによりアナログレコードを中心とした試聴が行える。ダイレクトドライブターンテーブル「SL-1000R」、SACD/ネットワークプレーヤー「SL-G700M2」、プリメインアンプ「SU-R1000」、スピーカー「SB-R1」という布陣だ。またDJターンテーブル「SL-1200MK7」も設置される。
店内では、音楽プロデューサーの立川直樹氏、DJ RENA、DJ/建築家のMasaki Tamura、シンガー/DJ ナツ・サマー、モデル/DJ 矢部ユウナ、レコードショップSECOND ROYAL RECORDSらがそれぞれ選定したプレイリストが鳴らされる。開店からしばらくはこの運用になるが、いずれは来店者の持ち込みにも対応する考えだという。
前述のオーディオライブも積極的に行っていく。立川直樹氏はビデオメッセージで、「オープンの話を聞いてからずっとワクワクしていました。初めてテクニクスのシステムでレコードを聴いたとき、これまで100回単位で聴いていたレコードに衝撃を受けた。Technics café KYOTOでもオーディオライブを行っていくので、ぜひ楽しみにしてください」とコメントを寄せた。
なおオープニングイベントとして、12月6日18:00から立川氏をゲストに招いた「AUDIO LIVE vol.1」が行われる予定だ。
また当日のゲストとしてお気に入りのレコードを流したピーター・バラカン氏は、「Technics café KYOTOの良いところは、誰でもフラッと入ってきて、高級オーディオの音が聴けること。また来て、また聴いて、そして良い音楽を良い音で聴くということが習慣になる。日本ではジャズ喫茶の文化があるが、音が良くても暗くて、喋ってはいけないこともあったりする。ここは明るくて、気軽に体験できる」として、この場所が話題になるのではと期待を寄せる。
基本的にTechnics café KYOTOは年中無休(年末年始を除く)で、テクニクスサウンドに触れることができる。またオーディオライブは月1 - 2回、DJイベントも月1 - 2回と、毎週なにかしらのイベントが実施される予定だそうだ。
小川室長は、Technics café KYOTOのような場所を複数展開する予定について問われると、「夢は大きく、グローバルでも展開できればと思うが、まずはこの拠点で頑張っていきたい」と答えた。これまでにないオーディオ空間、音楽との出会いの場として、多くの方が訪れるようになれば、身近にTechnics caféがオープンする未来もあるだろう。
【Technics café KYOTOの詳細】
・ホームページURL:https://jp.technics.com/cafe-kyoto/
・名称:Technics café KYOTO
・住所:京都府京都市中京区新町通錦小路下る小結棚町444番地 京都四条新町ビル1F
・営業開始日:2023年12月6日(水)
・営業時間:日〜木曜日 11:00〜20:00/金〜土曜日 11:00〜22:00
・定休日:年末年始
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