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公開日 2018/02/02 19:46
「感動を提供する」ミッションは変わらず
ソニーCEO交代、平井氏「良い状況でバトンを渡す」。吉田氏「危機感持ち競争力高める」
編集部:小野佳希
既報の通り、ソニーは2018年4月1日付け人事で平井一夫CEOが退き、現CFOの吉田憲一郎氏が新たなCEOに就任することを発表した。記者会見が開かれ、CEO交代の理由や今後の展望が説明された。
■「良い状況でバトンを渡すのがソニーにとってベストだと判断した」
平井氏は「就任してから2回目の中期経営計画の最終年となる今年度、掲げた目標を上回って終わることができる見通しがたった。新しい中期経営計画を考えるタイミングであり、こうした良い状況でバトンを渡すのが、ソニーにとっても、私自身の人生を次のライフステージに移すためにもベストだと判断した」と、退任理由を説明した。
「幅広い知見とリーダーシップを兼ね備えていて、これからのソニーを牽引するのに最もふさわしい人物」と吉田氏を評し、「経営のパートナーとして4年間一緒にやってきて、ソニーが進むべき方向についての考え方が自分が似ていると感じた。経営には強力なリーダーシップも必要とされる。吉田は様々なビジネスに携わって幅広い知見を持っていることから最適な人物と思い、指名委員会に推薦した」と、吉田氏を後継者に指名した背景を述べた。
一方で「構造改革を含めて、これまでには厳しい判断を下さざるを得ない場面もあった。社員やビジネスパートナーへの大きな影響があるため、毎回大変苦しい判断だった」と、ここまでの苦労にも言及。「そうした判断がうまく回りだして、ソニーの業績をここまで回復させることができた。好業績に向かっていくソニーを、このタイミングで吉田さんにバトンタッチできるのは本当にうれしいことだ」と続けた。
新社長/CEOを検討する指名委員会では「短期的な場合での最適な候補、中長期的な候補ということで両面から議論していた」とのこと。「そのなかで、私(平井氏)が6年という比較的短いタームで退任するので、それも踏まえて吉田が適任だと指名委員会が判断した」という。また取締役会では、全会一致で吉田氏の社長・CEO就任が可決されたという。
なお平井氏は、今後も会長としてソニーに関わっていく。ただし、「こういうときに大事なのは、誰がリーダーなのかをグループにしっかり示すこと。そのリーダーは吉田だ」とし、あくまでも吉田氏のサポート役であることを強調した。
「エンターテイメントやゲーム、ネットワークビジネスを中心にアドバイスをしたりとか、現地のエンタメとのマネジメントとの対話をお手伝いしたりとか、そうした新社長の補佐が私の役目。また、ダボスやサンバレーのイベントなど様々な会議があるが、ソニーの代表としてそうした会議に出席するのも、吉田から要請されている」と述べた。
■ソニーの課題は「グローバル企業としての競争力をいかに高めていくか」
「昨年末に平井から最初の打診を受け非常に驚いた」という吉田氏。今後の具体的な経営方針などは「年度決算後に開催予定の経営方針説明会でお知らせしたい」としたが、「本日発表した以外にも組織変更を議論しており、それらについては決まり次第案内する」と説明する。
吉田氏はソニーの現状について「目標を上回って、1997年以来の最高業績を残せるのは喜ばしいが、逆に言えば過去20年間で自分自身を超えられなかった会社だということでもある」とコメント。「この20年でグローバルの環境は大きく変わり、世界市場におけるソニーの位置づけも20年前と大きく異なっている。今後グローバル企業として競争力をいかに高めていくかという部分には危機感を持っている」と続けた。
また、グローバル市場での競争力については「時価総額を仮にひとつの指標として考えると、昔はグローバルのトップ企業は資源の会社が多かった。だが今はテクノロジーの会社が上位にいる」と言及。「ソニーもテクノロジーの会社だ。そうした部分に対する危機感は常に持っている」と語った。
そして、「ソニーの最大の強みは“SONY”というブランドが世界中の皆さんに親しまれていること。これまでもこれからもこれは最大の資産だ」とコメント。「多様な社員によって多様な事業を展開しているソニーだが、この多様性を強みにできるかどうかが課題だとも思っている」とした。
また、会見に出席したメディアからコンシューマーエレクトロニクス事業への取り組みについて問われた吉田氏は、「ソニーのミッションは平井が従来から掲げているとおり、『お客様に感動を提供すること』で変わらない」とコメント。
「感動を届けるためには感動をつくらないといけない。つまりクリエイターに近づくことが必要だ。その技術はどちらかというとBtoBにも近いと思う」とし、「BtoBでもBtoCでも、感動をつくる人、感動を届ける先に少しでも近づくことがソニーの方向性だと思っているし、そういう意味でコンシューマエレクトロニクスへの考え方は変わらない」と続けた。
また「平井はカメラオタクで本当に詳しい(笑)。私もモノは好きだし、ゲームを結構やったりするが、平井と同じようなこだわりレベルで社内に色々と指摘したり、同じ見せ方ができるかというとそれは難しい」と吉田氏はコメント。「ただ、ソニーの商品は大好きだし、ラストワンインチハードという考え方は非常に素晴らしいと私も思っている。そこにコミットする姿勢をトップとしてしっかり見せていきたい」と述べた。
そのほか、「経営に必要なのは方向性をしっかり出していくこと。決めるべきことを決めるべきタイミングで決めて、責任をとる。逆に、自分で決めなくていいことは下に任せるのも大切だと心がけている」と、経営者としての自身の考え方を紹介。「経営には攻めも守りも両方必要。守るべきところはしっかり守って、攻めるべきところは攻める。そのバランスをしっかりとってやっていきたい」とした。
■「良い状況でバトンを渡すのがソニーにとってベストだと判断した」
平井氏は「就任してから2回目の中期経営計画の最終年となる今年度、掲げた目標を上回って終わることができる見通しがたった。新しい中期経営計画を考えるタイミングであり、こうした良い状況でバトンを渡すのが、ソニーにとっても、私自身の人生を次のライフステージに移すためにもベストだと判断した」と、退任理由を説明した。
「幅広い知見とリーダーシップを兼ね備えていて、これからのソニーを牽引するのに最もふさわしい人物」と吉田氏を評し、「経営のパートナーとして4年間一緒にやってきて、ソニーが進むべき方向についての考え方が自分が似ていると感じた。経営には強力なリーダーシップも必要とされる。吉田は様々なビジネスに携わって幅広い知見を持っていることから最適な人物と思い、指名委員会に推薦した」と、吉田氏を後継者に指名した背景を述べた。
一方で「構造改革を含めて、これまでには厳しい判断を下さざるを得ない場面もあった。社員やビジネスパートナーへの大きな影響があるため、毎回大変苦しい判断だった」と、ここまでの苦労にも言及。「そうした判断がうまく回りだして、ソニーの業績をここまで回復させることができた。好業績に向かっていくソニーを、このタイミングで吉田さんにバトンタッチできるのは本当にうれしいことだ」と続けた。
新社長/CEOを検討する指名委員会では「短期的な場合での最適な候補、中長期的な候補ということで両面から議論していた」とのこと。「そのなかで、私(平井氏)が6年という比較的短いタームで退任するので、それも踏まえて吉田が適任だと指名委員会が判断した」という。また取締役会では、全会一致で吉田氏の社長・CEO就任が可決されたという。
なお平井氏は、今後も会長としてソニーに関わっていく。ただし、「こういうときに大事なのは、誰がリーダーなのかをグループにしっかり示すこと。そのリーダーは吉田だ」とし、あくまでも吉田氏のサポート役であることを強調した。
「エンターテイメントやゲーム、ネットワークビジネスを中心にアドバイスをしたりとか、現地のエンタメとのマネジメントとの対話をお手伝いしたりとか、そうした新社長の補佐が私の役目。また、ダボスやサンバレーのイベントなど様々な会議があるが、ソニーの代表としてそうした会議に出席するのも、吉田から要請されている」と述べた。
■ソニーの課題は「グローバル企業としての競争力をいかに高めていくか」
「昨年末に平井から最初の打診を受け非常に驚いた」という吉田氏。今後の具体的な経営方針などは「年度決算後に開催予定の経営方針説明会でお知らせしたい」としたが、「本日発表した以外にも組織変更を議論しており、それらについては決まり次第案内する」と説明する。
吉田氏はソニーの現状について「目標を上回って、1997年以来の最高業績を残せるのは喜ばしいが、逆に言えば過去20年間で自分自身を超えられなかった会社だということでもある」とコメント。「この20年でグローバルの環境は大きく変わり、世界市場におけるソニーの位置づけも20年前と大きく異なっている。今後グローバル企業として競争力をいかに高めていくかという部分には危機感を持っている」と続けた。
また、グローバル市場での競争力については「時価総額を仮にひとつの指標として考えると、昔はグローバルのトップ企業は資源の会社が多かった。だが今はテクノロジーの会社が上位にいる」と言及。「ソニーもテクノロジーの会社だ。そうした部分に対する危機感は常に持っている」と語った。
そして、「ソニーの最大の強みは“SONY”というブランドが世界中の皆さんに親しまれていること。これまでもこれからもこれは最大の資産だ」とコメント。「多様な社員によって多様な事業を展開しているソニーだが、この多様性を強みにできるかどうかが課題だとも思っている」とした。
また、会見に出席したメディアからコンシューマーエレクトロニクス事業への取り組みについて問われた吉田氏は、「ソニーのミッションは平井が従来から掲げているとおり、『お客様に感動を提供すること』で変わらない」とコメント。
「感動を届けるためには感動をつくらないといけない。つまりクリエイターに近づくことが必要だ。その技術はどちらかというとBtoBにも近いと思う」とし、「BtoBでもBtoCでも、感動をつくる人、感動を届ける先に少しでも近づくことがソニーの方向性だと思っているし、そういう意味でコンシューマエレクトロニクスへの考え方は変わらない」と続けた。
また「平井はカメラオタクで本当に詳しい(笑)。私もモノは好きだし、ゲームを結構やったりするが、平井と同じようなこだわりレベルで社内に色々と指摘したり、同じ見せ方ができるかというとそれは難しい」と吉田氏はコメント。「ただ、ソニーの商品は大好きだし、ラストワンインチハードという考え方は非常に素晴らしいと私も思っている。そこにコミットする姿勢をトップとしてしっかり見せていきたい」と述べた。
そのほか、「経営に必要なのは方向性をしっかり出していくこと。決めるべきことを決めるべきタイミングで決めて、責任をとる。逆に、自分で決めなくていいことは下に任せるのも大切だと心がけている」と、経営者としての自身の考え方を紹介。「経営には攻めも守りも両方必要。守るべきところはしっかり守って、攻めるべきところは攻める。そのバランスをしっかりとってやっていきたい」とした。