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公開日 2018/07/20 13:40
オーディオは2018年に8.8億台出荷

Bluetooth誕生から20年、幹部が語る今後の展望。4年後には8割のスピーカーが対応へ

編集部:小野佳希
Bluetoothの仕様策定などを行っているBlutooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、最新の市場動向を発表。オーディオ分野ではワイヤレススピーカーやワイヤレスヘッドホンが市場全体の80%以上を占め、2022年には80%のスピーカーにBluetoothが搭載される見込みであることなどを明かした。

Bluetooth SIG シニアリージョナルマーケティングマネージャーのロリー・リー氏らが登壇し発表会を開催

■2018年のBluetooth対応端末は39億台が出荷見込み

市場調査は米ABIリサーチにBluetooth SIGが依頼して行ったもの。Bluetooth端末は2018年に39億台を出荷する見込みで、2022年には52億台出荷に達すると予測している。2013年から2022年まで年平均12%の成長率で市場が拡大するという。

Bluetooth搭載端末は右肩上がりで増え続けている

オーディオおよびエンターテインメント分野では、ワイヤレススピーカー、ワイヤレスヘッドホン/ヘッドセット、車載システムなど8億8,000万台が2018年に出荷される見込み。上記のようにBluetooth対応端末が市場全体の80%以上を占め、2022年には80%のスピーカーにBluetoothが搭載されるとした。

オーディオ関連端末は2018年に8億8,000万台を出荷する見込み

また新たなトレンドとして、Bluetooth搭載スマートスピーカーの年間出荷台数は2018年末までに現在の2倍になり、2022年末までに3倍に増加すると予測。さらにBluetoothは、医療グレードのオーディオ品質を提供できるとして補聴器メーカーからの期待が集まっているとも紹介した。

スマートフォン、タブレット、ノートPCにおいても、2018年以降に出荷されるすべての製品にBluetoothは搭載されると予測。2017年だけで20億台を超える数のデバイスが出荷されたとのこと。Bluetooth 5を搭載するスマホの登場や、イヤホンジャック非搭載のスマホが発売されるなどハブデバイスの無線化や機能強化の傾向が続いていること、そして、産業用途においても専用の端末ではなく、スマホをハブデバイスとして活用される傾向にあることに触れ、今後もBluetoothがさらなる成長を続けるだろうとした。

自動車業界においては、2018年には新車の86%にBluetooth技術が搭載されると予測。その85%はハンズフリー通話やオーディオストリーミングを可能にする車載インフォテインメントシステムに活用されているが、キーレスエントリーシステム、仮想キーの共有、車両メンテナンス、ドライバー用ウエアラブルデバイスなど、新たな用途にもBluetoothが活用されているという。

スマートウォッチやウェアラブル端末などのいわゆるコネクテッドデバイスは、2018年に5億5,000万台を出荷する見込み。2022年にはエンタープライズ向けウエアラブルデバイスの出荷台数は1億台を超えると予測している。またBluetoothを搭載するロボットの出荷台数が2017年に2,900万台に到達し、2022年には約3倍の8千万台を超えると予測している。

Bluetooth SIGでは仕様策定、認証、普及という3点について活動している組織

現在は15のワーキンググループで70のプロジェクトが活動中。2017年には11の仕様策定および仕様改定を行った

■Bluetooth meshで新たな分野へも一層の広がり

Bluetooth SIGのロリー・リー氏は、「私がBLuetooth SIGに加わった6年前、参加企業は1万社ほどだった。しかし今では3万4,000に迫ろうとしているし、世界中の企業が参加している」と、今年で誕生から20周年を迎えるBluetoothが世界各国で幅広く受け入れられていることをアピール。

世界各国の企業がBlueooth SIGに参加

そして、2017年に正式ローンチしたBluetooth meshなどによって、スマートホームやスマートシティ、工場の自動化や制御といったスマートインダストリーなどの新しい領域でも今後ますますBluetooth活用が広がるだろうとアピール。「今後はより“ソリューション”にフォーカスしていく」とし、「Bluetoothがこうした“新興市場”でどのような役割を果たせるかを我々は考えている」と述べた。

新興市場で新たなビジネス機会を創出していくと説明

無線通信のあり方も日々新しくなっている

続いて登壇したカイ・レン氏は「これまでのように1対1の通信ではなく、多対多での通信が行えるようになった。Bluetoothにとっては非常に革命的なものだ」と、Bluetooth meshについてコメントした。

Bluetooth SIG デベロッパー リレーションズ マネージャーのカイ・レン氏

Bluetooth meshでネットワークを構築することで、例えばビルでは施錠や入退室管理、照明にエアコンなど様々な要素を制御可能であったり、スーパーなどの小売店、空港など様々なシーンでBluetooth meshネットワークが同様に活用できると紹介。拡張性が高いだけでなくセキュリティ性能も高く、産業分野に有効な技術であることをアピールする。

センサー外気温の高まりをカーテンを閉めてエアコンを動作させるなどといったスマートビルディングをBluetooth meshネットワークによって構築可能

また、Bluetooth 5についても、従来と比べて通信可能距離は4倍、通信速度も2倍、アドバタイジングパケット容量も8倍と技術としてのスペックが大幅に上がっていることをあらためてアピール。「Bluetooth 4.xは5人乗りの車のようものだったが、Bluetooth 5なら40人乗りバスだ」とパケット容量増加を例えるなどし、Bluetooth 5も新興市場の成長を後押しするものであるとした。

Bluetooth 5の特徴をあらためて紹介

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