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公開日 2018/12/06 15:07
コミュニケーション品質で生産性向上を支援
ゼンハイザー、ビジネス向けマイクやスピーカーも強化。オーディオ技術で「働き方改革」対応
編集部:川田菜月
ゼンハイザージャパンでは2005年より、オフィス・コールセンター向けヘッドセットやスピーカーフォンなどの音声コミュニケーション製品を国内展開している。これらの製品では“人の声”にフォーカスした集音/再生技術を採用しており、ゼンハイザーがイヤホン/ヘッドホンやマイク開発で培ってきた技術やノウハウが活かされているという。
今回、アジア太平洋地域のセールス・マーケティングを統括するSennheiser Vice PresidentのSeah Hong Kiat氏と、国内の製品展開を担当するゼンハイザージャパンの鎌田 健輔氏に、製品の詳細と今後の製品展開について話を伺った。
同社の音声コミュニケーション製品は、コールセンター向け/オフィス・ビジネス向けの大きく2つに分けられる。コールセンター向けには主にヘッドセットをラインナップし、オフィス・ビジネス向けにはヘッドセットに加えて、ウェブ会議などで使用できるスピーカーフォンなども展開している。
鎌田氏いわく、ゲーミング製品も含めてこうしたコミュニケーション機器は需要が高いとのこと。「“働き方改革”が叫ばれる中で、最も大きく見直しが図られているのが、コミュニケーションの取り方。ウェブ会議などは各拠点とつなぐことができ、時間と移動コストも改善できるので、製品の需要も伸びている分野。ヘッドセットやスピーカーフォンなどは末端のデバイスだが、品質の良いものを使うことで、スムーズなコミュニケーションが実現でき、結果として仕事の生産性向上に繋がっていくと思う」と語る。
アジア太平洋地域の統括者であるKiat氏も、市場の伸びを感じているとのこと。「グローバル全体で8 - 9%、APACでは15 - 20%と伸びている。APACはアジア地域に加え、オーストラリア、ニュージーランド、インドも含まれており、国によって成長率は異なるものの、エンタープライズソリューション(オフィス向け製品)の分野は急速に伸長していて、ゼンハイザーの事業の中でも、イヤホン/ヘッドホン、プロオーディオ事業と比べても最も拡大している」と説明する。
特に3年前からスピーカーフォンの展開を開始し、オフィス向けにラインナップを充実させたことが成長に繋がっている点だという。「音声通話の手段が電話機からSkypeなどPCやモバイル端末を用いたツールへとトレンドが移動していること、またオフィスのフリーアドレス化や在宅勤務など働き方の変化も、成長理由のひとつ。そして何よりも、品質面で非常に素晴らしい製品を揃えている事が一番大きい」と語った。
音声コミュニケーション製品の開発は2003年に、ゼンハイザーとデンマークの補聴器メーカー・ウイリアムデマントホールディング(William Demant Holding)社との合弁会社としてゼンハイザーコミュニケーションズ(Sennheiser Communication)を立ち上げてスタート。日本では2005年から販売展開されている。
なお、ゼンハイザーでは現在ゲーミングヘッドセットも幅広く展開している。いずれもクリアな音声コミュニケーションを実現し、相手の声をしっかり聞き取れることを目的とした製品開発は共通しているとのこと。違いとしては、ゲーミングヘッドセットではゲームサウンドに適したチューニングを施しており、スピーカー部の作り込みが大きく異なる点という。
コールセンター向けヘッドセットは、マイクの指向性を口元側に向けており、隣の人の声や周囲の雑音などは集音せず、ヘッドセットを使用している人の声をしっかりと拾うことが可能。ヘッドホン部分にはネオジウムスピーカーを搭載し、声の周波数に合わせたチューニングが施されているという。ゼンハイザーが有するイヤホン/ヘッドホンやマイク開発における独自技術を用いて、音声コミュニケーション製品においても用途に適して作り込まれている。
またすべての製品に、独自のActiveGardテクノロジーを採用。これは103dB以上の大音量が発生すると自動的に音量を減衰させる機能で、特定の周波数帯域をカットするのではなく、全体の音量を下げることで、耳への衝撃を防ぎながら、しっかり音声を聞き取ることが可能となっている。特にコールセンターなどの業務では相手が突発的に大きな声を発する可能性もあり、そうした音響衝撃から耳を保護するために搭載されているという。
また音声品質だけでなく、耐久性の高さも特長のひとつ。ビジネスの現場においては、日々長時間使用されることが多く、軽量で壊れにくい製品づくりも必須だという。実際製品は非常に軽く、ヘッドバンドやマイク部分は曲げ伸ばしに強い素材が採用されている。製品保証はコンシューマー製品と同じく2年保証が付帯するかたちだが、耐久性をしっかり担保することで長く使い続けられるとアピールしている。
ハウジング部は角度調整ができ、使用する人の頭の形状に合わせてしっかりフィットさせることが可能。側圧も強すぎず、耳にしっかりとフィットさせながらも疲れにくい装着感の実現を目指し、長時間使うことを考慮したユーザー目線の製品づくりがなされている。
ウェブ会議向けのスピーカーフォンは、約3年前ほどからラインナップに追加した。昨今ではモバイル端末やPCを用いた様々なコミュニケーションツールがあり、それらを利用してウェブ会議を行う企業も増えている。そうした中、スピーカー製品の需要も伸長しているが、安価なマイクスピーカーでは品質面で、結果的にコミュニケーションが取りづらく、うまく活用できないケースも多い。ゼンハイザーの製品ではSkype for Businessの認証を受けており、高い音声品質と安定した接続性から市場でも好評だという。
同社のスピーカーフォン「SP220」は円形デザインで、USB端子と3.5mmジャックを備えたケーブルを装備している。天面部の中央にスピーカーを配置、側面にマイクを配置して、360度方向の集音/音声の拡散を実現。5名くらいの小会議を想定し、1台で約1.5-2mの範囲内に対応可能で、アダプターを使用して2台をつなげることでより大きな会議にも使用できるとしている。
ヘッドセットと異なる点としては、会議シーンにおいて複数人が同時に話した時にどれだけ双方の声を通せるかがポイントとのこと。声がぶつかると音が乱れてしまう事が多いが、同社のマイク技術を用いてそれぞれの声をしっかり集音し、被った音声もクロスして鮮明に再生することができる。
声の周波数に特化したクリアな音声再生により、複数人の会議では誰が発言したか分かりやすく、また声の輪郭がはっきりと聞こえることで発音なども聞き取りやすくなり、海外拠点とのやりとりなどにも有効だとしている。さらにブリッジ機能を備えており、三者通話も可能。実際にデモを行ってみたが、同時に話した場合でも全くと言っていいほど音の乱れがなく、各々の声をはっきり聞き取ることができた。
また音楽再生にも対応可能。基本的に声に特化したチューニングがなされているが、3.5mmジャック接続時の機能として、中央部にあるミュートボタンを長押しすると低域など少しブーストして再生。音楽再生スピーカーとしての性能も高めているという。
デザイン面でも、各製品ともにゼンハイザーらしいプレミアム感のあるデザインを心がけているとのこと。レザータイプのイヤーパッドやアルミニウムなどを採用し、高級感のある外観に仕上げられており、コンシューマー向け製品と同じゼンハイザーのデザインコンセプトが継承されているという。
また最近ではBluetooth対応製品も増加している。一方でコールセンター向け製品では安定した接続が必要なこともあり、主に有線タイプの製品をラインナップ。端子部は電話回線に直接繋げられるようになっている。Bluetooth対応製品では、片耳イヤホンタイプの「PRESENCE UC」やヘッドホン「MB660」などを展開。外出先での使用などを想定して、音声集音性能を高めてノイズキャンセリング機能を強化し、3つの内蔵マイクにより周囲の騒音を軽減するSpeakFocus テクノロジーや、屋外での風切り音を軽減するWindSafe テクノロジーなどを搭載する。
MB660では、常に周囲のノイズレベルを感知しながら最適化を図る独自のアクティブノイズキャンセリング技術「NoiseGard」も搭載する。本機はコンシューマー向けワイヤレスヘッドホン「PXC 550 WIRELESS」をベースに、音声コミュニケーションだけでなく、音楽再生などにも十分使用できる性能を備えており、MB660対応のiOS/Androidアプリ「CapTune」によって音質やEQ、ノイズキャンセリングレベル調整なども行える。
ラインナップの中で最新製品にあたるものが、DECT規格の無線ヘッドセット「SDW 5015-JP」だ。電波周波数は1.9GHz帯を使用するため、2.4GHz帯と干渉せず安定性も高く、デスクを離れた業務やコールセンターの管理者などに適した製品とのことだ。
今後はさらにビジネスとして確固たる地位の確立を目指すとのこと。ゼンハイザーが創業以来、“The pursuit of Perfect Sound(完璧な音への追求)”という企業理念のもとで、高品質なオーディオ製品を開発してきたその技術力を活かし、高音質かつユーザー目線の製品作り、プレミアムな良質デザインと各面において優位性を発揮し、イヤホン/ヘッドホンやプロオーディオ事業と同様に、ビジネスの分野においても高音質・高品質な“プレミアムブランド”として成長させていきたいとした。
今回、アジア太平洋地域のセールス・マーケティングを統括するSennheiser Vice PresidentのSeah Hong Kiat氏と、国内の製品展開を担当するゼンハイザージャパンの鎌田 健輔氏に、製品の詳細と今後の製品展開について話を伺った。
同社の音声コミュニケーション製品は、コールセンター向け/オフィス・ビジネス向けの大きく2つに分けられる。コールセンター向けには主にヘッドセットをラインナップし、オフィス・ビジネス向けにはヘッドセットに加えて、ウェブ会議などで使用できるスピーカーフォンなども展開している。
鎌田氏いわく、ゲーミング製品も含めてこうしたコミュニケーション機器は需要が高いとのこと。「“働き方改革”が叫ばれる中で、最も大きく見直しが図られているのが、コミュニケーションの取り方。ウェブ会議などは各拠点とつなぐことができ、時間と移動コストも改善できるので、製品の需要も伸びている分野。ヘッドセットやスピーカーフォンなどは末端のデバイスだが、品質の良いものを使うことで、スムーズなコミュニケーションが実現でき、結果として仕事の生産性向上に繋がっていくと思う」と語る。
アジア太平洋地域の統括者であるKiat氏も、市場の伸びを感じているとのこと。「グローバル全体で8 - 9%、APACでは15 - 20%と伸びている。APACはアジア地域に加え、オーストラリア、ニュージーランド、インドも含まれており、国によって成長率は異なるものの、エンタープライズソリューション(オフィス向け製品)の分野は急速に伸長していて、ゼンハイザーの事業の中でも、イヤホン/ヘッドホン、プロオーディオ事業と比べても最も拡大している」と説明する。
特に3年前からスピーカーフォンの展開を開始し、オフィス向けにラインナップを充実させたことが成長に繋がっている点だという。「音声通話の手段が電話機からSkypeなどPCやモバイル端末を用いたツールへとトレンドが移動していること、またオフィスのフリーアドレス化や在宅勤務など働き方の変化も、成長理由のひとつ。そして何よりも、品質面で非常に素晴らしい製品を揃えている事が一番大きい」と語った。
音声コミュニケーション製品の開発は2003年に、ゼンハイザーとデンマークの補聴器メーカー・ウイリアムデマントホールディング(William Demant Holding)社との合弁会社としてゼンハイザーコミュニケーションズ(Sennheiser Communication)を立ち上げてスタート。日本では2005年から販売展開されている。
なお、ゼンハイザーでは現在ゲーミングヘッドセットも幅広く展開している。いずれもクリアな音声コミュニケーションを実現し、相手の声をしっかり聞き取れることを目的とした製品開発は共通しているとのこと。違いとしては、ゲーミングヘッドセットではゲームサウンドに適したチューニングを施しており、スピーカー部の作り込みが大きく異なる点という。
コールセンター向けヘッドセットは、マイクの指向性を口元側に向けており、隣の人の声や周囲の雑音などは集音せず、ヘッドセットを使用している人の声をしっかりと拾うことが可能。ヘッドホン部分にはネオジウムスピーカーを搭載し、声の周波数に合わせたチューニングが施されているという。ゼンハイザーが有するイヤホン/ヘッドホンやマイク開発における独自技術を用いて、音声コミュニケーション製品においても用途に適して作り込まれている。
またすべての製品に、独自のActiveGardテクノロジーを採用。これは103dB以上の大音量が発生すると自動的に音量を減衰させる機能で、特定の周波数帯域をカットするのではなく、全体の音量を下げることで、耳への衝撃を防ぎながら、しっかり音声を聞き取ることが可能となっている。特にコールセンターなどの業務では相手が突発的に大きな声を発する可能性もあり、そうした音響衝撃から耳を保護するために搭載されているという。
また音声品質だけでなく、耐久性の高さも特長のひとつ。ビジネスの現場においては、日々長時間使用されることが多く、軽量で壊れにくい製品づくりも必須だという。実際製品は非常に軽く、ヘッドバンドやマイク部分は曲げ伸ばしに強い素材が採用されている。製品保証はコンシューマー製品と同じく2年保証が付帯するかたちだが、耐久性をしっかり担保することで長く使い続けられるとアピールしている。
ハウジング部は角度調整ができ、使用する人の頭の形状に合わせてしっかりフィットさせることが可能。側圧も強すぎず、耳にしっかりとフィットさせながらも疲れにくい装着感の実現を目指し、長時間使うことを考慮したユーザー目線の製品づくりがなされている。
ウェブ会議向けのスピーカーフォンは、約3年前ほどからラインナップに追加した。昨今ではモバイル端末やPCを用いた様々なコミュニケーションツールがあり、それらを利用してウェブ会議を行う企業も増えている。そうした中、スピーカー製品の需要も伸長しているが、安価なマイクスピーカーでは品質面で、結果的にコミュニケーションが取りづらく、うまく活用できないケースも多い。ゼンハイザーの製品ではSkype for Businessの認証を受けており、高い音声品質と安定した接続性から市場でも好評だという。
同社のスピーカーフォン「SP220」は円形デザインで、USB端子と3.5mmジャックを備えたケーブルを装備している。天面部の中央にスピーカーを配置、側面にマイクを配置して、360度方向の集音/音声の拡散を実現。5名くらいの小会議を想定し、1台で約1.5-2mの範囲内に対応可能で、アダプターを使用して2台をつなげることでより大きな会議にも使用できるとしている。
ヘッドセットと異なる点としては、会議シーンにおいて複数人が同時に話した時にどれだけ双方の声を通せるかがポイントとのこと。声がぶつかると音が乱れてしまう事が多いが、同社のマイク技術を用いてそれぞれの声をしっかり集音し、被った音声もクロスして鮮明に再生することができる。
声の周波数に特化したクリアな音声再生により、複数人の会議では誰が発言したか分かりやすく、また声の輪郭がはっきりと聞こえることで発音なども聞き取りやすくなり、海外拠点とのやりとりなどにも有効だとしている。さらにブリッジ機能を備えており、三者通話も可能。実際にデモを行ってみたが、同時に話した場合でも全くと言っていいほど音の乱れがなく、各々の声をはっきり聞き取ることができた。
また音楽再生にも対応可能。基本的に声に特化したチューニングがなされているが、3.5mmジャック接続時の機能として、中央部にあるミュートボタンを長押しすると低域など少しブーストして再生。音楽再生スピーカーとしての性能も高めているという。
デザイン面でも、各製品ともにゼンハイザーらしいプレミアム感のあるデザインを心がけているとのこと。レザータイプのイヤーパッドやアルミニウムなどを採用し、高級感のある外観に仕上げられており、コンシューマー向け製品と同じゼンハイザーのデザインコンセプトが継承されているという。
また最近ではBluetooth対応製品も増加している。一方でコールセンター向け製品では安定した接続が必要なこともあり、主に有線タイプの製品をラインナップ。端子部は電話回線に直接繋げられるようになっている。Bluetooth対応製品では、片耳イヤホンタイプの「PRESENCE UC」やヘッドホン「MB660」などを展開。外出先での使用などを想定して、音声集音性能を高めてノイズキャンセリング機能を強化し、3つの内蔵マイクにより周囲の騒音を軽減するSpeakFocus テクノロジーや、屋外での風切り音を軽減するWindSafe テクノロジーなどを搭載する。
MB660では、常に周囲のノイズレベルを感知しながら最適化を図る独自のアクティブノイズキャンセリング技術「NoiseGard」も搭載する。本機はコンシューマー向けワイヤレスヘッドホン「PXC 550 WIRELESS」をベースに、音声コミュニケーションだけでなく、音楽再生などにも十分使用できる性能を備えており、MB660対応のiOS/Androidアプリ「CapTune」によって音質やEQ、ノイズキャンセリングレベル調整なども行える。
ラインナップの中で最新製品にあたるものが、DECT規格の無線ヘッドセット「SDW 5015-JP」だ。電波周波数は1.9GHz帯を使用するため、2.4GHz帯と干渉せず安定性も高く、デスクを離れた業務やコールセンターの管理者などに適した製品とのことだ。
今後はさらにビジネスとして確固たる地位の確立を目指すとのこと。ゼンハイザーが創業以来、“The pursuit of Perfect Sound(完璧な音への追求)”という企業理念のもとで、高品質なオーディオ製品を開発してきたその技術力を活かし、高音質かつユーザー目線の製品作り、プレミアムな良質デザインと各面において優位性を発揮し、イヤホン/ヘッドホンやプロオーディオ事業と同様に、ビジネスの分野においても高音質・高品質な“プレミアムブランド”として成長させていきたいとした。
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