ニュース
HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2019/11/20 06:32
登録ユーザー100万人、音声のハイレゾ化はいつ?
「正しい道のり」だったベルリン・フィル「デジタル・コンサートホール」の10年。担当者が語るこれまでとこれから
編集部:小澤麻実
世界最高峰の音楽性と人気を誇るオーケストラのひとつ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。現在来日公演中だが、会場にいけなくても、自宅にいながら高品位な映像と音でベルリン・フィルの演奏会を楽しめる「デジタル・コンサートホール(DCH)」というサービスを用意していることは、既に多くの方がご存知のことだろう。
このサービスは、今年でスタートから10周年を迎える。同楽団のソロ・チェロ奏者であり、ベルリン・フィル・メディア代表であるオラフ・マニンガー氏が、「デジタル・コンサートホール」のこれまでとこれからについて会見をおこなった。
■登録ユーザーは今や100万人。「10年間、正しい道のりを歩んで来たと確信」
現在「デジタル・コンサートホール」の登録ユーザーは100万人、有料会員は35,000人にのぼるという。有料会員の内訳はドイツが最も多く、次いでアメリカと日本がそれぞれ約20%を占めているとのことだ。
マニンガー氏は「DCHは、世界中の方に、ベルリン・フィルのコンサートに日常的にアクセスしてもらえるようにと2008年に始まりました。10年前、このサービスはクレイジーだと言われました。でも今や100万人もの方々に利用していただいています。自主レーベルのパッケージソフトも、こんなの大きくて棚に入らないじゃないかと言われましたが、今やコレクターズアイテムとして受け入れていただいています。我々は10年間、正しい道のりを歩んで来られたと自負しています」と自信を見せる。
映像のクオリティも、当初は720pだったが現在は4K/HDRに進化。今年2月には、ストリーミングパートナーであるインターネットイニシアティブ(IIJ)とともにインターネットを使った4K映像・ハイレゾ音源のライブストリーミング配信という世界初の試みを実施(関連ニュース)。IIJはこのほかにも、同社が運営するハイレゾストリーミングサービス「PrimeSeat」にて、日本限定でベルリン・フィル2019-2020シーズン定期演奏会をDSD 11.2MHzライブ配信している(関連ニュース)。
DCHの音声のハイレゾ化も待たれるが、これについては「技術的にできることは追求していく姿勢ですが、安定した提供ができるかが一番。今は実験段階なので、その確証が持てればすぐに導入したいと思っています」とのことだった。
■DCHは利益追求ではなく「芸術を広めるための活動」
DCHはスタート当初からマイナスにはならない運営をしてきたという。「有料会員のチケットで財源を全てまかなえているわけではありません」とマニンガー氏も言うように、それにはドイツ銀行やソニー、パナソニック、IIJなどの支援も大きく寄与してきた。
しかしマニンガー氏は「そもそもDCHは利益を追求するためのものではなく、クラシックという芸術を広めたいという芸術家による活動」であると強調する。「なので仮に収入が増えたとしてもコンテンツの制作に投入していく、というのが考えです。この姿勢は、ここ数年でコンサート以外の様々なコンテンツ − 団員インタビューやドキュメンタリー映像などが増えたことからもお分かりいただけると思います」(マニンガー氏)。
なお直近で大きな反響があったコンテンツは、8月のペトレンコ氏の就任記念公演だという。5年前に氏が首席指揮者に選ばれてから、ようやく本格的な活動をスタートするということで注目度が集まったのだろう、とのこと。氏とは年末のジルベスターコンサートから本格的に活動をスタート。年末〜来年初頭にかけて、ベルリン・フィルとの様々なプログラムが用意されているとのことだった。
■DCHの12ヶ月チケットを買うとペトレンコの非売品音源が貰えるキャンペーンも
「デジタル・コンサートホール」の年末年始キャンペーンも行われる。これは2020年1月5日までに12ヶ月チケット(149ユーロ)を購入したユーザー全員に、キリル・ペトレンコ指揮のCDとDVDがプレゼントされるというものだ。
その内訳は、
・8月23日に行われた首席指揮者就任演奏会でのベートーヴェン「第九」ライブCD
・翌24日のベルリン・ブランデンブルク門前での野外演奏会の収録映像(DVD)
のふたつ。
このセットは2,000個限定で、当キャンペーンのためだけの非売品。他では手に入らない貴重なものとのことだ。申込みは「デジタル・コンサートホール」のサイトから行える。
演奏会にチェロ奏者として参加していたマニンガー氏は「ペトレンコの録音やDVDは非常に数が限られているのでとても貴重。音楽的にも本当に素晴らしい瞬間だったので、演奏していた側としてもオススメしたいです」とアピールしていた。
このサービスは、今年でスタートから10周年を迎える。同楽団のソロ・チェロ奏者であり、ベルリン・フィル・メディア代表であるオラフ・マニンガー氏が、「デジタル・コンサートホール」のこれまでとこれからについて会見をおこなった。
■登録ユーザーは今や100万人。「10年間、正しい道のりを歩んで来たと確信」
現在「デジタル・コンサートホール」の登録ユーザーは100万人、有料会員は35,000人にのぼるという。有料会員の内訳はドイツが最も多く、次いでアメリカと日本がそれぞれ約20%を占めているとのことだ。
マニンガー氏は「DCHは、世界中の方に、ベルリン・フィルのコンサートに日常的にアクセスしてもらえるようにと2008年に始まりました。10年前、このサービスはクレイジーだと言われました。でも今や100万人もの方々に利用していただいています。自主レーベルのパッケージソフトも、こんなの大きくて棚に入らないじゃないかと言われましたが、今やコレクターズアイテムとして受け入れていただいています。我々は10年間、正しい道のりを歩んで来られたと自負しています」と自信を見せる。
映像のクオリティも、当初は720pだったが現在は4K/HDRに進化。今年2月には、ストリーミングパートナーであるインターネットイニシアティブ(IIJ)とともにインターネットを使った4K映像・ハイレゾ音源のライブストリーミング配信という世界初の試みを実施(関連ニュース)。IIJはこのほかにも、同社が運営するハイレゾストリーミングサービス「PrimeSeat」にて、日本限定でベルリン・フィル2019-2020シーズン定期演奏会をDSD 11.2MHzライブ配信している(関連ニュース)。
DCHの音声のハイレゾ化も待たれるが、これについては「技術的にできることは追求していく姿勢ですが、安定した提供ができるかが一番。今は実験段階なので、その確証が持てればすぐに導入したいと思っています」とのことだった。
■DCHは利益追求ではなく「芸術を広めるための活動」
DCHはスタート当初からマイナスにはならない運営をしてきたという。「有料会員のチケットで財源を全てまかなえているわけではありません」とマニンガー氏も言うように、それにはドイツ銀行やソニー、パナソニック、IIJなどの支援も大きく寄与してきた。
しかしマニンガー氏は「そもそもDCHは利益を追求するためのものではなく、クラシックという芸術を広めたいという芸術家による活動」であると強調する。「なので仮に収入が増えたとしてもコンテンツの制作に投入していく、というのが考えです。この姿勢は、ここ数年でコンサート以外の様々なコンテンツ − 団員インタビューやドキュメンタリー映像などが増えたことからもお分かりいただけると思います」(マニンガー氏)。
なお直近で大きな反響があったコンテンツは、8月のペトレンコ氏の就任記念公演だという。5年前に氏が首席指揮者に選ばれてから、ようやく本格的な活動をスタートするということで注目度が集まったのだろう、とのこと。氏とは年末のジルベスターコンサートから本格的に活動をスタート。年末〜来年初頭にかけて、ベルリン・フィルとの様々なプログラムが用意されているとのことだった。
■DCHの12ヶ月チケットを買うとペトレンコの非売品音源が貰えるキャンペーンも
「デジタル・コンサートホール」の年末年始キャンペーンも行われる。これは2020年1月5日までに12ヶ月チケット(149ユーロ)を購入したユーザー全員に、キリル・ペトレンコ指揮のCDとDVDがプレゼントされるというものだ。
その内訳は、
・8月23日に行われた首席指揮者就任演奏会でのベートーヴェン「第九」ライブCD
・翌24日のベルリン・ブランデンブルク門前での野外演奏会の収録映像(DVD)
のふたつ。
このセットは2,000個限定で、当キャンペーンのためだけの非売品。他では手に入らない貴重なものとのことだ。申込みは「デジタル・コンサートホール」のサイトから行える。
演奏会にチェロ奏者として参加していたマニンガー氏は「ペトレンコの録音やDVDは非常に数が限られているのでとても貴重。音楽的にも本当に素晴らしい瞬間だったので、演奏していた側としてもオススメしたいです」とアピールしていた。
- トピック
- Panasonic_ハイレゾ