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公開日 2023/06/22 12:27
「X95L」「X90L」「A80L」3モデルはここに注目
FF16も公認の画質! “BRAVIA XR” 2023年モデルの4つのこだわりポイント
編集部:成藤 正宣
5月20日より順次販売が開始されたソニーの4Kテレビ “BRAVIA XR” 2023年モデル。液晶モデル「X95L」「X90L」、有機ELモデル「A80L」の3シリーズが展開されているが、従来のモデルからどのような点で変わったのか。今回、開発陣から特にこだわったというポイントについて聞くことができたので、改めてレポートしよう。
2021年から展開が始まったソニーの4Kテレビ “BRAVIA XR” は、映像処理に人間の脳の仕組みを取り入れた独自の “認知特性プロセッサー”「XR」が最大の特徴。この度発売される3モデルも引き続きこのXRを搭載し、さらなる改良も重ねている。その改良の成果というべき新機能が「XRクリアイメージ」だ。
XRクリアイメージは、まったく新規に作り出された機能というよりも、従来モデルが搭載していた精細化機能「リアリティクリエーション」や、ノイズリダクション機能をより進化させたものという位置づけ。被写体が動く際のボケ感や、ギザギザとしたジャギー、ブロックノイズなどを抑え、映像をより明瞭に表示することができ、特に放送波や低ビットレートのストリーミング動画のようないわば “低品位コンテンツ” で効果を発揮するというものだ。
この機能のこだわりポイントは「分析系」にあるという。表示する映像の解像度や圧縮、テロップの位置などを細かく分析し、それぞれの部位に最適な処理を施すのだ。例えば、MPEG2方式で映像圧縮している日本の地上波放送では、被写体やテロップの輪郭がモヤモヤと乱れる「モスキートノイズ」が顕著に現れるので、これを重点的に補正するのだという。
また古い映画においては、フィルム撮影特有のザラザラとしたフィルムグレインは残したまま、顔や目のクッキリ感、髪の毛のシャープさなどを際立たせるようにチューニングされている。
UHD BDや4K HDRといった高品位コンテンツを美しく表示するのはもちろんとして、より多くの人に視聴されているコンテンツも大画面で高品質に楽しめるようにするというこだわりが、XRクリアイメージに込められている。開発陣によれば“まだ第1段階”とのことで、今後のモデルでさらにブラッシュアップを図っていくそうだ。
このほか、“BRAVIA XR” の画作りは、映像制作の基準として使われている「マスターモニター」を意識しており、中でも標準の映像モードである「スタンダード」でいかにマスターモニターのクオリティに近づけるかに力を入れているのだとか。もちろん、細かな画質調整ができる「カスタム」モードも用意しているので、視聴環境を含めマスターモニターの画をより忠実に再現したいというニーズにも対応している。
“BRAVIA XR”有機ELモデルには、内蔵サウンドシステムとして「Acoustic Surface Audio+(アコースティックサーフェスオーディオ プラス)」が搭載されている。これは有機ELパネルの裏に配置された「アクチュエーター」がパネルを振動させることで、画面そのものから音を出すという仕組み。
スクリーン裏にスピーカーを設置する映画館と同じように、映像と音声が同じ場所から視聴者に向けて飛び込んでくるため一体感が生まれるだけでなく、テレビ本体のスリム化/狭額縁化も両立できる発想だ。
2023年モデルの「A80L」においては、画面中央部にメインとなる「ダイナミックアクチュエーター」を、その左右に高音域を受け持つ「ピエゾアクチュエーター」を配置するというアクチュエーター3基構成を採用している。本体下部にはサブウーファーも2基搭載しており、低音の迫力も支えている。
アコースティックサーフェスオーディオプラスは、パネルを振動させるという構造上、これまで有機ELモデルにのみ採用されてきた。しかし今回、液晶モデル「X95L」にも、有機ELモデルに近い音体験を実現すべく「Acoustic Multi Audio+(アコースティックマルチオーディオプラス)」が搭載された。
アコースティックマルチオーディオプラスでは、中域/低域は通常のスピーカーユニットで再生しつつ、高域にはアクチュエーターを用いた「フレームトゥイーター」を採用。アクチュエーターが振動させるのは、画面左右のフレーム部分。だいたい視聴者の目線くらいの位置から出た音は、テレビ本体を回り込んだり壁に反射したりせずストレートに耳まで届くため、やはり映像との一体感が深まるのだそうだ。
有機ELのパネルを振動させることも困難だったが、フレームトゥイーターでも多数の課題をクリアする必要があった。歪みを減らすためのアクチュエーター配置に、音圧向上のための材質、さらにスピーカーユニットの音とのつながりを滑らかにするためフレームの形状自体を検討したりと、ここにも様々なこだわりが積み重ねられている。
音質面では、“BRAVIA XR” 初代モデルから受け継いでいるサウンドバーとの連携機能「アコースティックセンターシンク」もこだわりポイント。テレビ音声の迫力や広がりを大きく強化してくれるサウンドバーだが、設置位置がテレビの下になることから、人の声も不自然に低い位置から聴こえてしまうことがひとつの課題になっているという。
そこで、“BRAVIA XR” 対応モデルとソニーのサウンドバー「HT-A7000/A5000/A3000」を接続する際、テレビ内蔵スピーカーを高域担当のセンタースピーカーとして使い、定位や臨場感を向上させる。これがアコースティックセンターシンクという機能だ。
この機能を実現するため、サウンドバーと内蔵スピーカーの周波数帯域を分けるクロスオーバーや、ゲインのバランス調整、発音タイミングをテレビのモデルごとに調整。そして、サウンドバーやテレビの音響設計担当者が様々な視聴位置から最終確認を行うことで、セリフが聞き取りやすく、空間の広がりが強く感じられるサウンドに仕上げてあるとのこと。
4つめのこだわりは、エンターテインメントとの融合。これまで “BRAVIA XR” では、テレビとサウンドバーで好きなコンテンツを壁一面に楽しむ「THEグランドシアター」、“BRAVIA XR” のモデルに応じて最大2年間見放題となるコンテンツサービス「BRAVIA CORE(ブラビアコア)」など、映画やゲームも展開するソニーグループならではのエンターテインメントが体験できることをアピールしてきた。
“BRAVIA XR” 2023年モデルでは、ゲーム体験において充実が図られている。新たに搭載された「ゲームメニュー」では、画面のチラつきやカクつきを抑えるVRR機能や残像低減機能、暗部を持ち上げて視認性を高めるブラックイコライザー機能などのゲームに関する設定項目、解像度やHDRなど映像フォーマットの情報にすばやくアクセスできる。
また「Perfect for PlayStaion 5」として、PS5との連携も強化。“BRAVIA XR” のモデルに応じてPS5側が自動的にHDR表示を最適化する「オートHDRトーンマッピング」、ゲームや動画など表示するコンテンツの種類に応じ、画質優先モードか低遅延モードかを自動的に切り替える「コンテンツ連動画質モード」など、複雑な設定をできる限り排除しつつ、よりゲームに没入できるよう計らっている。
そして “BRAVIA XR” 2023年モデルは、本日6/22にスクウェア・エニックスより発売されるPlayStation 5用ソフト『FINAL FANTASY XVI』(FF16)の映像を存分に引き出せる “公認画質” のテレビとして認定されたとのこと。
画面の色合いや明暗、登場人物の髪の毛の質感など、FF16開発スタッフがこだわった通りの画質を引き出せるということで、大画面/高画質の “BRAVIA XR” ならではのゲーム体験を開拓できるか注目だ。
■こだわり1:古い/荒い映像も高品質に大画面で見せる映像処理
2021年から展開が始まったソニーの4Kテレビ “BRAVIA XR” は、映像処理に人間の脳の仕組みを取り入れた独自の “認知特性プロセッサー”「XR」が最大の特徴。この度発売される3モデルも引き続きこのXRを搭載し、さらなる改良も重ねている。その改良の成果というべき新機能が「XRクリアイメージ」だ。
XRクリアイメージは、まったく新規に作り出された機能というよりも、従来モデルが搭載していた精細化機能「リアリティクリエーション」や、ノイズリダクション機能をより進化させたものという位置づけ。被写体が動く際のボケ感や、ギザギザとしたジャギー、ブロックノイズなどを抑え、映像をより明瞭に表示することができ、特に放送波や低ビットレートのストリーミング動画のようないわば “低品位コンテンツ” で効果を発揮するというものだ。
この機能のこだわりポイントは「分析系」にあるという。表示する映像の解像度や圧縮、テロップの位置などを細かく分析し、それぞれの部位に最適な処理を施すのだ。例えば、MPEG2方式で映像圧縮している日本の地上波放送では、被写体やテロップの輪郭がモヤモヤと乱れる「モスキートノイズ」が顕著に現れるので、これを重点的に補正するのだという。
また古い映画においては、フィルム撮影特有のザラザラとしたフィルムグレインは残したまま、顔や目のクッキリ感、髪の毛のシャープさなどを際立たせるようにチューニングされている。
UHD BDや4K HDRといった高品位コンテンツを美しく表示するのはもちろんとして、より多くの人に視聴されているコンテンツも大画面で高品質に楽しめるようにするというこだわりが、XRクリアイメージに込められている。開発陣によれば“まだ第1段階”とのことで、今後のモデルでさらにブラッシュアップを図っていくそうだ。
このほか、“BRAVIA XR” の画作りは、映像制作の基準として使われている「マスターモニター」を意識しており、中でも標準の映像モードである「スタンダード」でいかにマスターモニターのクオリティに近づけるかに力を入れているのだとか。もちろん、細かな画質調整ができる「カスタム」モードも用意しているので、視聴環境を含めマスターモニターの画をより忠実に再現したいというニーズにも対応している。
■こだわり2:映像との一体感を与える内蔵スピーカー
“BRAVIA XR”有機ELモデルには、内蔵サウンドシステムとして「Acoustic Surface Audio+(アコースティックサーフェスオーディオ プラス)」が搭載されている。これは有機ELパネルの裏に配置された「アクチュエーター」がパネルを振動させることで、画面そのものから音を出すという仕組み。
スクリーン裏にスピーカーを設置する映画館と同じように、映像と音声が同じ場所から視聴者に向けて飛び込んでくるため一体感が生まれるだけでなく、テレビ本体のスリム化/狭額縁化も両立できる発想だ。
2023年モデルの「A80L」においては、画面中央部にメインとなる「ダイナミックアクチュエーター」を、その左右に高音域を受け持つ「ピエゾアクチュエーター」を配置するというアクチュエーター3基構成を採用している。本体下部にはサブウーファーも2基搭載しており、低音の迫力も支えている。
アコースティックサーフェスオーディオプラスは、パネルを振動させるという構造上、これまで有機ELモデルにのみ採用されてきた。しかし今回、液晶モデル「X95L」にも、有機ELモデルに近い音体験を実現すべく「Acoustic Multi Audio+(アコースティックマルチオーディオプラス)」が搭載された。
アコースティックマルチオーディオプラスでは、中域/低域は通常のスピーカーユニットで再生しつつ、高域にはアクチュエーターを用いた「フレームトゥイーター」を採用。アクチュエーターが振動させるのは、画面左右のフレーム部分。だいたい視聴者の目線くらいの位置から出た音は、テレビ本体を回り込んだり壁に反射したりせずストレートに耳まで届くため、やはり映像との一体感が深まるのだそうだ。
有機ELのパネルを振動させることも困難だったが、フレームトゥイーターでも多数の課題をクリアする必要があった。歪みを減らすためのアクチュエーター配置に、音圧向上のための材質、さらにスピーカーユニットの音とのつながりを滑らかにするためフレームの形状自体を検討したりと、ここにも様々なこだわりが積み重ねられている。
■こだわり3:サウンドバーと組み合わせて “画面の高さから声がする” 音体験
音質面では、“BRAVIA XR” 初代モデルから受け継いでいるサウンドバーとの連携機能「アコースティックセンターシンク」もこだわりポイント。テレビ音声の迫力や広がりを大きく強化してくれるサウンドバーだが、設置位置がテレビの下になることから、人の声も不自然に低い位置から聴こえてしまうことがひとつの課題になっているという。
そこで、“BRAVIA XR” 対応モデルとソニーのサウンドバー「HT-A7000/A5000/A3000」を接続する際、テレビ内蔵スピーカーを高域担当のセンタースピーカーとして使い、定位や臨場感を向上させる。これがアコースティックセンターシンクという機能だ。
この機能を実現するため、サウンドバーと内蔵スピーカーの周波数帯域を分けるクロスオーバーや、ゲインのバランス調整、発音タイミングをテレビのモデルごとに調整。そして、サウンドバーやテレビの音響設計担当者が様々な視聴位置から最終確認を行うことで、セリフが聞き取りやすく、空間の広がりが強く感じられるサウンドに仕上げてあるとのこと。
■こだわり4:FF最新作も十二分に楽しめる「ソニーだからこそのエンタメ体験」
4つめのこだわりは、エンターテインメントとの融合。これまで “BRAVIA XR” では、テレビとサウンドバーで好きなコンテンツを壁一面に楽しむ「THEグランドシアター」、“BRAVIA XR” のモデルに応じて最大2年間見放題となるコンテンツサービス「BRAVIA CORE(ブラビアコア)」など、映画やゲームも展開するソニーグループならではのエンターテインメントが体験できることをアピールしてきた。
“BRAVIA XR” 2023年モデルでは、ゲーム体験において充実が図られている。新たに搭載された「ゲームメニュー」では、画面のチラつきやカクつきを抑えるVRR機能や残像低減機能、暗部を持ち上げて視認性を高めるブラックイコライザー機能などのゲームに関する設定項目、解像度やHDRなど映像フォーマットの情報にすばやくアクセスできる。
また「Perfect for PlayStaion 5」として、PS5との連携も強化。“BRAVIA XR” のモデルに応じてPS5側が自動的にHDR表示を最適化する「オートHDRトーンマッピング」、ゲームや動画など表示するコンテンツの種類に応じ、画質優先モードか低遅延モードかを自動的に切り替える「コンテンツ連動画質モード」など、複雑な設定をできる限り排除しつつ、よりゲームに没入できるよう計らっている。
そして “BRAVIA XR” 2023年モデルは、本日6/22にスクウェア・エニックスより発売されるPlayStation 5用ソフト『FINAL FANTASY XVI』(FF16)の映像を存分に引き出せる “公認画質” のテレビとして認定されたとのこと。
画面の色合いや明暗、登場人物の髪の毛の質感など、FF16開発スタッフがこだわった通りの画質を引き出せるということで、大画面/高画質の “BRAVIA XR” ならではのゲーム体験を開拓できるか注目だ。