トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > ホビー&カルチャーニュース

公開日 2019/04/04 17:23
二子玉川 蔦屋家電に新展開。5日オープン

「蔦屋家電+」を体験してきた − ネット時代のリアル店舗の価値を問う次世代型ショールーム

Senka21編集部 徳田ゆかり
(株)蔦屋家電エンタープライズは、同社が展開する店舗「二子玉川 蔦屋家電」内に、日本初のネット時代の次世代型ショールーム “蔦屋家電+” (ツタヤカデンプラス)を開設、明日4月5日よりオープンする。これに先駆けて本日開催されたマスコミ向け内覧会の模様をお送りする。

「蔦屋家電+」

蔦屋家電+は、世界中のユニークなプロダクトに実際に触れることができ、創り手とのコミュニケーションによって来店者自身も製品開発に参加することができる、ショールーム型の次世代店舗と位置付けられている。二子玉川 蔦屋家電の2Fに設けられた12.5坪のスペースに、開設第1期として30ほどのプロダクトが展示された。

歌詞が読めるスピーカー「Lyric Speaker Canvas」

Bluetooth機能付きCDプレーヤー「BCPLAY_」

現場で(株)蔦屋家電エンタープライズ 商品企画部 商品調達unit 新規事業プロデューサー 木崎大佑氏に話を伺った。「蔦屋家電+は、リアル店舗の新しい活用方法のひとつの提案。ただ売り買いするだけではネットの方が便利。しかしリアル店舗にしかできないこととして、プロダクトを直に見られる、触れることにフォーカスしました」。

株)蔦屋家電エンタープライズ 商品企画部 商品調達unit 新規事業プロデューサー 木崎大佑氏

売ることが最終目的ではない、という。「万博、美術、博物、いわゆる “館” がつく空間のような豊富な情報の発信を目指します」。展示されるプロダクトは「未来が見えるような魅力的なもの」。木崎氏を始めとするキュレーターが、ネット上や展示会などさまざまな場所から探し出し、創り手(企業)に声をかける、あるいは声が上がって展示に至るという。料金は30日間のタームで発生するとのことで、「契約料で収益をまかないます。プロダクトが売れてもマージンはいただきません」と話す。

クリエイター用左手入力デバイス「Orbital2」

スマート家電コントローラー「MIRAI REMOCON」

並べられた大小さまざまなプロダクトには、説明書きが掲示されたタブレットが併設されている。テキストは木崎氏らキュレーターで作成するという。「我々が見て感じたことを表現しています。機能とかテクノロジーではなくて、これで何ができるのかが伝わるように」。文体も読みやすく親しみやすい。「ただのPOPでは面白くないですから。ライトな感じになっています」。

3Dサウンド・ハイレゾスピーカー「KISSonix HDS4」

POPのテキストは、木崎氏らキュレーターによるもの

蔦屋家電+では、来店者の行動データが収集されている。(株)オプティムが開発したAI Cameraによる分析システムを応用した「OPTiM AI Camera for Retail CE」を利用して、蔦屋家電+内に設置されたカメラで来店者の属性および行動データをリアルタイムに、個人を特定できないデータに変換し収集する。そのデータや、店頭で聞き取られた来店者の意見などがプロダクトの創り手にフィードバックされる。

来店者の属性および行動データが収集される

「来店者がどのプロダクトの前にどれくらい立ち止まったか。ネットでのページの滞在時間と同様の考え方です。そのプロダクトはどんな属性の人の興味をひいているかがわかります。店頭のスタッフも積極的に来店者に声かけをして、プロダクトに対してどう思うか生の声を引き出します。新しい提案のマーケティング、商品のPRの場として創り手に役立てていただきます」。これからの見通しについては、「オープン後の手応えによって、展示数を増やす、展示の場を拡大するといったことも考えられます。まずは明日からのお客様の反応が楽しみです」。

ヘアケアキャップ「Capillus 202」

「革新的レーザー育毛器」とPOPで紹介。価格は241,000円(税抜)

木崎氏は大手家電量販店の販売員としての経歴をもつという。「当時パソコンからスマートフォンの時代に移行するタイミングでした。ネットの検索がより手軽になって、お客様が多くの情報をもつようになり、店頭ではネットの価格を表示されての値下げ交渉ばかり。商品の魅力を説明するシーンがどんどん減って、非常に危機感をおぼえました」。そうした思いを抱いて10年ほど前にCCCグループに参加。店舗の新たな価値を提案する蔦屋家電の立ち上げにも携わったという。今回の蔦屋家電+にも、総合プロデューサーの立場で関わっている。

ヘアドライヤー「BD-E1」

睡眠装置「EnergyPod」

また二子玉川 蔦屋家電の手応えについて木崎氏は、「2015年5月のオープンから約4年。大きな手応えを感じています。ここは女性客が全体の6割を超えています。女性のお客様が家電店に行くのは年に1~2回と言われるようですが、ここは違いますね。書店とカフェがあり、落ち着いた空間で居心地がいい。店員にせかされることなく家電も手に取りやすいと思っていただけるようです。女性向けの家電商品は数多いですが、実際に女性客との接点は少ないと感じます。ここがその接点になっていると実感します」。

スマート食器「DishCanvas」

魅力的なお客様接点の場づくり、新しい可能性を開く場づくり。木崎氏は、リアル店舗のさまざまな活路を今後も追求していきたいと力強く語った。

蔦屋家電+(ツタヤカデンプラス)
オープン日:2019年4月5日(金)
営業時間:10:00 - 21:00
定休日:1月1日
所在地:二子玉川 蔦屋家電 2階
〒158-0094 東京都世田谷区玉川1丁目14番1号二子玉川ライズS.C. テラスマーケット

関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
2 連載:世界のオーディオブランドを知る(3)日本発ブランドの象徴「デノン」の歴史を紐解く
3 ボーズ、ながら聴きTWS「Bose Ultra Open Earbuds」にさらに新色。計7色のカラバリを用意
4 FX-AUDIO-、ヘッドホンアンプ/プリアンプとしても使えるコンパクトDAC「DAC-T3J」。税込7480円
5 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.1】10000円未満のオススメは?
6 日本発、高コスパイヤホン新本命。final「ZE3000SV」は機能充実、そして何より音が良い!
7 BenQ、ノングレアIPSパネル搭載のプログラミング向け31.5型4Kモニター「RD320U」
8 e☆イヤホン、2025年「福耳袋」を12/20から順次販売開始。スタッフセレクト袋や100万円の「超福耳袋」も
9 装着性が向上してさらに進化! “ハイルドライバー” AMT搭載のオープン型ヘッドホン「HEDDphone TWO」を聴く
10 【インタビュー】エソテリックとティアック、進化し続ける2ブランド。世界にアピールする技術力でオーディオを推進
12/18 9:21 更新

WEB