PHILE WEB

ニュース

HOME > ニュース > ホビー&カルチャーニュース

公開日 2022/06/01 12:03
「不可避だと見なしてはならない(言語の)劣化」として

フランス政府、“eスポーツ”など英語由来のゲーム専門用語を公式に禁止【Gadget Gate】

Kiyoshi Tane
早くからゲーム界隈では「ゲーマー」など英語由来の専門用語が定着しており、日本をはじめとした世界各国でも事情は似ているようだ。が、フランス政府は「ストリーマー」や「クラウドゲーミング」といった英語由来のゲーム専門用語を公式に禁止したことを発表した。

仏AFPによると、フランス語の保存と純化を目的とするアカデミー・フランセーズ(国立学術団体の1つ。1635年に宰相リシュリューが設立)は2月、「不可避だと見なしてはならない(言語の)劣化」につき警告を発したとのこと。その中では「ビッグデータ」や「ドライブイン」といった直訳の外来語(英語)も取り上げられていたという。

これを受けて5月31日(現地時間)、フランス当局は英語由来のゲーム用語を禁止することを官報に掲載した次第だ。今後、公務員は「クラウドゲーム」や「eスポーツ」という英語は使えず、代わりに例えばストリーマー(配信者)は「joueur-animateur en direct」、クラウドゲームは「jeu video en nuage」といった複雑な用語に代えることを義務づけられる。

Image Credit:by Sergey Galyonkin is licensed under CC BY-SA 2.0.

この決定に関与したフランス文化省はAFPに対し、ビデオゲームの分野では非ゲーマーにとって「理解の障壁」になりうる英語主義に満ちていると語っている。さらに専門家がビデオゲームのWebサイトや雑誌を検索し、フランス語の用語が存在するかどうかを確認した、とも付け加えている。その主な狙いは、国民がより簡単に(ゲームについて)コミュニケーションできるようにすることだそうだ。

上記のアカデミー・フランセーズは早くからビデオゲームに英語が広まっていることに懸念を示しており、2017年にフランス語の代替用語の辞書を発表している

その試みは現地メディアTheLocalFranceによれば、「Wi-Fi」の代わりに「l’access sans fil à internet」を使わせようとしたときと同じく失敗したという。が、嘲笑や無関心に晒されながらも繰り返された言語純化主義の努力は、今後も続けられそうだ。

Source:TheGuardian
via:Engadget



※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 「今、売れているオーディオアクセサリー」<売れ筋ランキング3月 番外編>
2 ヘッドホン再生の極地に挑め! ラックスマン「P-100 CENTENNIAL」 2台使いの音質を徹底レビュー
3 Bowers & Wilkins、新ワイヤレスヘッドホン「Px7 S3」。aptX Lossless対応、ハウジング薄型化など大幅刷新
4 デノンはディスクを諦めない。CD/レコード派こそ最上位「3000NEシリーズ」を手にしてほしい理由
5 WIREWORLDの最新ケーブル“10シリーズ”徹底レビュー!新DNA Helix構造の効果はいかに!?
6 ハイセンス、4K Mini LED液晶テレビをハイグレード「U8R」/エントリー「U7R」まで拡げる
7 カナルワークス、FIIOとコラボしたLDAC対応の第3世代ワイヤレスケーブル
8 トライオード、高精度電子ボリューム搭載のA級真空管プリメインアンプ「JUNONE 845SE」
9 「Switch 2」量販店の予約状況・方法まとめ。Amazon、ヨドバシ、ビックなどの現状は?【4/23更新】
10 スピーカーはDALI「OBERONシリーズ」ブックシェルフがワンツー<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング3月>
4/25 10:49 更新

WEB