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公開日 2022/06/07 17:11
1台2万5900ドル(約345万円)からの予定
航続距離1600kmうたう3輪EVのAptera、量産に向け4000万ドルを調達【Gadget Gate】
Munenori Taniguchi
電気自動車スタートアップのApteraが、航続距離1000マイル(約1600km)を謳う3輪電気自動車Aptera Solar Electric Vehicle(SEV)の量産に入るべく、4000万ドルの資金を調達したと電気自動車ニュースサイトElectrekが報じている。
Apteraが開発する電気自動車の特徴は、典型的な自動車のデザインにとらわれず、とにかく空気抵抗削減を最優先したかのような未来的造形。これは軽飛行機に着想を得た設計だと説明される。また、「Aptera」とはギリシャ語で翼がないと言う意味なのだそうだ。また、車輪は前2輪、後ろ1輪の3輪自動車とすることで路面の抵抗を減らしている。
同社は、これまでに数奇な運命をたどってきた。2005年に創業した当初、非常に未来的なデザインの3輪EVの開発を目指していたAptera Motorsは、資金繰りの不運が重なって2011年に一度廃業している。
しかし、2012年に中国の自動車メーカーZhejiang Jonway Groupが知財を購入し、創業者を呼び戻して復活。そして北京モーターショーで市販に向けたプロトタイプ車両Aptera 2eを公開した。ただ、この復活も結局うまくいかず、翌2013年に再びApteraは表舞台から姿を消した。
それから6年が経った2019年、なんと三たび創業者Chris Anthony氏とSteve Fambro氏によってAtpteraが再編成されたことが伝えられた。さらにその年の内にAptera EVの開発を再開するための資金調達を開始。2020年半ばにはエンジニアリングチームを60人体制にまで拡充し、その年の後半には世界で初めてソーラーパネル搭載の電気自動車となる、新たなAptera SEVのプロトタイプを公開し、予約受付を開始したのだ。
3度目の正直なのか、今回の復活はこれまでのところ順調なようだ。2021年には3台のエンジニアリングプロトタイプを製造し、室内空間の拡大や、足回りの改良を行った。そしてElectrekによれば記事執筆時点で資金調達は4000万ドルに達し、生産に向けて十分な額が確保できたとのことだ。
3輪EVの市販に向けて同社は、100kWhバッテリー搭載の上位モデルから40kWhのエントリーモデルまで、4つのバリエーションを用意している。100kWhバッテリーなら約1000マイル(約1600km)の航続距離があり、40kWh仕様車においても、その分バッテリー重量が軽くなることで距離が延びて400マイル(約640km)を超える距離になるとのことだ。なお、ルーフのソーラーパネルはこのEVの航続距離を最大で40マイルほど伸ばす可能性があると説明されている。
また、5月30日には、ソーラーEVの予約件数が2万2000台を超えたと発表している。今回の資金確保によって今度こそ販売開始に漕ぎ着けることができそうだ。
ちなみに、Aptera SEVの価格は最も安価な40kWh版で2万5900ドル(約345万円)、最も高価な100kW版で4万4900ドル(約597万円)とのこと。
Source:Electrek
Coverage:Green Authority, Issuance
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。
Apteraが開発する電気自動車の特徴は、典型的な自動車のデザインにとらわれず、とにかく空気抵抗削減を最優先したかのような未来的造形。これは軽飛行機に着想を得た設計だと説明される。また、「Aptera」とはギリシャ語で翼がないと言う意味なのだそうだ。また、車輪は前2輪、後ろ1輪の3輪自動車とすることで路面の抵抗を減らしている。
同社は、これまでに数奇な運命をたどってきた。2005年に創業した当初、非常に未来的なデザインの3輪EVの開発を目指していたAptera Motorsは、資金繰りの不運が重なって2011年に一度廃業している。
しかし、2012年に中国の自動車メーカーZhejiang Jonway Groupが知財を購入し、創業者を呼び戻して復活。そして北京モーターショーで市販に向けたプロトタイプ車両Aptera 2eを公開した。ただ、この復活も結局うまくいかず、翌2013年に再びApteraは表舞台から姿を消した。
それから6年が経った2019年、なんと三たび創業者Chris Anthony氏とSteve Fambro氏によってAtpteraが再編成されたことが伝えられた。さらにその年の内にAptera EVの開発を再開するための資金調達を開始。2020年半ばにはエンジニアリングチームを60人体制にまで拡充し、その年の後半には世界で初めてソーラーパネル搭載の電気自動車となる、新たなAptera SEVのプロトタイプを公開し、予約受付を開始したのだ。
3度目の正直なのか、今回の復活はこれまでのところ順調なようだ。2021年には3台のエンジニアリングプロトタイプを製造し、室内空間の拡大や、足回りの改良を行った。そしてElectrekによれば記事執筆時点で資金調達は4000万ドルに達し、生産に向けて十分な額が確保できたとのことだ。
3輪EVの市販に向けて同社は、100kWhバッテリー搭載の上位モデルから40kWhのエントリーモデルまで、4つのバリエーションを用意している。100kWhバッテリーなら約1000マイル(約1600km)の航続距離があり、40kWh仕様車においても、その分バッテリー重量が軽くなることで距離が延びて400マイル(約640km)を超える距離になるとのことだ。なお、ルーフのソーラーパネルはこのEVの航続距離を最大で40マイルほど伸ばす可能性があると説明されている。
また、5月30日には、ソーラーEVの予約件数が2万2000台を超えたと発表している。今回の資金確保によって今度こそ販売開始に漕ぎ着けることができそうだ。
ちなみに、Aptera SEVの価格は最も安価な40kWh版で2万5900ドル(約345万円)、最も高価な100kW版で4万4900ドル(約597万円)とのこと。
Source:Electrek
Coverage:Green Authority, Issuance
※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。
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