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公開日 2022/03/23 21:06
「ネットワークスライシング」がキーワード

ソニーとKDDI、「5G SA」を用いたPlayStationリモートプレイをデモ。“場所に縛られない”体験を追求

編集部:成藤 正宣
ソニーならびにKDDIは、「5G スタンドアローン(5G SA)」技術をもちいたゲームストリーミング技術に関する解説、およびデモンストレーションを行う「5G SAゲームストリーミング技術検証説明会」を開催した。

KDDIとソニーが5G SA技術に関する説明会を開催

5G SAとは、5G基地局と5G専用のコア設備(5GC)を組み合わせ、5G技術だけで通信を可能としたシステムのこと。現在各通信事業者で主流となっている、4G設備を活用した「5G ノンスタンドアローン(5G NSA)」方式からより進歩し、様々な新機能が提供可能になるという。

一部4G設備を使用している「5G NSA」に対し、「5G SA」は5G技術のみ用いられる

今回行われた実証実験では、5G SAで実現可能となる新機能のうち、特に「ネットワークスライシング」が活用された。これはネットワークを「スライス」という複数の仮想ネットワークに分割して提供するもので、各スライスを用途に応じてカスタマイズできることが特徴となる。

「ネットワークスライシング」は、スライス(ネットワーク)を用途に応じてカスタマイズできる点が特徴

実証実験においては、PlayStationのゲームを、外出先でスマートフォンからリモートプレイするというシーンを想定し、高精細なゲームグラフィックを安定して配信できるようカスタマイズした、ゲームストリーミング専用スライスを構築。試験施設外のXperiaと施設内のPlayStationを専用スライスで接続した結果、高度なグラフィックのゲームをスムーズかつ安定してプレイできることが確認できたという。

高精細なグラフィックを安定して伝送でき、遅延も抑えるようカスタマイズしたスライスを用いて実証実験が行われた

説明会会場においても、ゲームストリーミング用スライスを用いたデモンストレーションが実施。通常スライスとの接続性の差を実際に比較できた

説明会に登壇したKDDI 事業創造本部 次世代基盤整備室長の泉川晴紀氏は、今回の実証実験の背景について、「これまでの暮らしでは、仕事は会社で、コンサートはスタジアムやホールで、ゲームは自宅で、といったように、体験と場所が密接に関係していた。それがコロナ禍で進んだ“デジタル需要”により切り離されたことで、“場所に縛られない”新しいライフスタイルが定着していくと予想している」と説明する。

KDDI 事業創造本部 次世代基盤整備室長 泉川氏

KDDIとソニーは、この“場所に縛られない”ライフスタイルに向けた研究を2021年から共同で続けており、今回の実験内容についても、自宅にあるコンソールゲームを外出先でも楽しめるという“場所に縛られない”新しい体験を模索するものだと語った。

同じく説明会に登壇したソニー モバイルコミュニケーションズ事業本部 第1ビジネス部統括部長の木山陽介氏は、「ソニーはコロナ禍の時代において“リアルタイム” “リアリティ” “リモート”の体験を届けるということに注力している。デジカメやヘッドホン、テレビなど、ハードウェアに基づく“リアリティ”の技術は蓄積してきたが、“リアルタイム” “リモート”に没入体験を届けるには5Gがどうしても必要」とKDDIとの協業の意義を強調すると共に、「単なるハードウェアだけでなく、5Gの新しい体験を提供することに引き続き注力していく」と述べた。

ソニー モバイルコミュニケーションズ事業本部 第1ビジネス部統括部長 木山氏

また、KDDIの今後の5G展開については、KDDI 技術統括本部モバイル技術本部 次世代ネットワーク開発部長の渡里雅史氏が紹介。KDDIでは今年2月21日より、法人向けに5G SAの商用提供を先行スタートしているが、2022年度からは5G SAインフラの整備を本格的に開始予定。そして2024年を目処に、ネットワークスライシングの本格的な展開を実現すべく、技術要素の確認や導入時期の検討を重ねていくとした。

KDDI 技術統括本部モバイル技術本部 次世代ネットワーク開発部長 渡里氏

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