公開日 2017/06/09 11:00
【特別企画】一瞬で引き込まれる、美しい4K有機ELテレビ
ソニーの4K有機ELテレビ「ブラビア A1」誕生。画質・音質を山之内正がチェック
山之内 正
遂にソニーから4K有機ELテレビが登場する。その名は「A1」シリーズ。圧倒的な高画質を実現するプロセッサー「X1 Extreme」を搭載。映像への没入感を高めるために音やデザインに革新を盛り込んだ意欲作。NEW BRAVIA OLEDがいま、衝撃のデビューを飾る。
■新しい有機ELテレビにソニーらしさはあるか?
画質志向が強いソニーがテレビの次の一手として何を選ぶのか、つねに注目を集めてきた。そして、その最新の答えがOLEDパネルを採用した「A1」シリーズである。
ブラビアで有機ELテレビの製品化がついに実現したのは画期的なことだが、製品化が予期し得なかったわけではない。10年前すでに卓上型の有機ELテレビ「XEL-1」を発売して高コントラストの鮮やかな映像を印象づけたり、プロフェッショナル分野では同社のOLEDマスターモニターが映像製作のレファレンスとして活躍中だ。有機EL製品へのソニーの取り組みは15年以上に及び、もちろんパネルの特性も熟知している。その知識とノウハウを投入した家庭用大型テレビの発売は当然予測できたことであった。
予想を超えていたのは「ソニーらしさ」が期待を上回っていたことだ。大型のOLEDはパネル供給元が限られているので、画質や機能面でどこまで製品の個性を発揮できるか、各メーカーの実力が問われる。ソニーらしさという表現は曖昧に聞こえるかもしれないが、ブラビアの高性能モデルには独自のこだわりと価値観が感じられる製品が多いことはたしかだ。それをA1はどこまで実現できているのか、画質、音質、デザインの3点について検証してみよう。
まずは画質。A1はOLEDならではの優れた基本性能を活かして4K&HDRのポテンシャルを最大限引き出すことに成功している。自然光で撮影された『レヴェナント』は画面内のどの部分を見ても明暗表現に強調や演出がなく、しばらく見ていると作品の世界にすっかり入り込んでしまったような錯覚に陥る。それが撮影監督の意図なのだ。
一方、広角レンズでとらえた薄暮のシーンなどは、コントラスト感を強調しすぎてしまうと一気にリアリティが失われ、作品との距離が遠のいてしまう。A1で見ると冒頭の澄んだ水の流れや焚き火の場面の顔の火照りが自然で、色が過剰に乗るなどのあざとい表現とは一線を画す。
暗部をつぶさず僅かな明暗差まで正確に再現するため、山肌などに低輝度領域が多い場面からも立体的な陰影が浮かび上がる。特に、マジックアワーと呼ばれる限られた時間帯での撮影にこだわったと思われる場面は息を呑むほど美しい。
■新しい有機ELテレビにソニーらしさはあるか?
画質志向が強いソニーがテレビの次の一手として何を選ぶのか、つねに注目を集めてきた。そして、その最新の答えがOLEDパネルを採用した「A1」シリーズである。
ブラビアで有機ELテレビの製品化がついに実現したのは画期的なことだが、製品化が予期し得なかったわけではない。10年前すでに卓上型の有機ELテレビ「XEL-1」を発売して高コントラストの鮮やかな映像を印象づけたり、プロフェッショナル分野では同社のOLEDマスターモニターが映像製作のレファレンスとして活躍中だ。有機EL製品へのソニーの取り組みは15年以上に及び、もちろんパネルの特性も熟知している。その知識とノウハウを投入した家庭用大型テレビの発売は当然予測できたことであった。
予想を超えていたのは「ソニーらしさ」が期待を上回っていたことだ。大型のOLEDはパネル供給元が限られているので、画質や機能面でどこまで製品の個性を発揮できるか、各メーカーの実力が問われる。ソニーらしさという表現は曖昧に聞こえるかもしれないが、ブラビアの高性能モデルには独自のこだわりと価値観が感じられる製品が多いことはたしかだ。それをA1はどこまで実現できているのか、画質、音質、デザインの3点について検証してみよう。
まずは画質。A1はOLEDならではの優れた基本性能を活かして4K&HDRのポテンシャルを最大限引き出すことに成功している。自然光で撮影された『レヴェナント』は画面内のどの部分を見ても明暗表現に強調や演出がなく、しばらく見ていると作品の世界にすっかり入り込んでしまったような錯覚に陥る。それが撮影監督の意図なのだ。
一方、広角レンズでとらえた薄暮のシーンなどは、コントラスト感を強調しすぎてしまうと一気にリアリティが失われ、作品との距離が遠のいてしまう。A1で見ると冒頭の澄んだ水の流れや焚き火の場面の顔の火照りが自然で、色が過剰に乗るなどのあざとい表現とは一線を画す。
暗部をつぶさず僅かな明暗差まで正確に再現するため、山肌などに低輝度領域が多い場面からも立体的な陰影が浮かび上がる。特に、マジックアワーと呼ばれる限られた時間帯での撮影にこだわったと思われる場面は息を呑むほど美しい。