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ハイエンド・ホームシアターつくるならどっち?B&W「700 S3 Signature」/ DALI「RUBIKORE」をマルチchで徹底比較
スピーカーブランドのBowers & Wilkins(以下、B&W)とDALIは、いずれも日本のスピーカー市場で売り上げ五傑から外れることのないベストセラー・ブランドである。2024年度は、期せずして両ブランドの中核機種が “エボリューションモデル” へと発展した。それが、B&W “700 S3 Signature” とDALI “RUBIKORE” のシリーズである。
700 S3 Signatureシリーズは最上位 “800 Signature” の技術要素を取り入れ、RUBIKOREシリーズはオーディオジャーナリズムを驚かせた大作「KORE」の成果を盛り込んで誕生した。当然のように今期のアワードでも高く評価され、オーディオ・ビジュアル機器の総合アワード「VGP2025」、そしてオーディオ機器のトレンドモデルを占う「オーディオ銘機賞2025」を席巻した。
Hi-Fiオーディオとしてのクオリティだけでなく、ホームシアターの構築まで視野に入れながら、上位機種に迫る高音質を実現していることが、両アワードの受賞結果に繋がったと言える。
ブリティッシュモニター最前線のB&Wに対して、北欧サウンドをモダナイズしたDALI。どちらも優れたスピーカーであることは折り紙付きだが、サラウンドシステムとしてのパフォーマンスはどのような違いがあるのか。単体で聴いていたときに隠れていた個性と素顔が、映画や音楽ライブの再生で現れてくる。本稿では、B&Wの700 S3 SignatureとDALIのRUBIKOREで、マルチチャンネルシステムでの音質をチェック。AVアンプはデノンの超弩級・フラグシップモデル「AVC-A1H」を組み合わせた。
本シリーズは、言わずもがな “700 S3” をベースとしており、コストを惜しまないファインチューニングの積み上げで、最大限の音質向上を実現したシリーズ。25mm デカップリング・カーボンドーム・トゥイーターを全ラインナップに搭載し、フロア型「702 S3 Signature」には150mm、センタースピーカー「HTM71 S3 Signature」には130mmの「コンティニュアム・コーン・FSTミッドレンジ」、ブックシェルフ型「705 S3 Signature」には165mm 「コンティニュアム・コーン・バス/ミッドレンジ」を採用している。
ウーファーは「エアロフォイル・プロファイル・バス」が導入されており、フロア型が165mmを3基、センタースピーカーが130mm×2基の構成となっている。ネットワーク回路にはハイ/ミッド/ロー用に新型コンデンサーを搭載。また、ミッド/ウーファー用に新型ダンパー、導電性に優れた真鍮製ターミナルも採用する。
700 S3 Signatureシリーズならではの特徴が、トゥイーター・グリルメッシュを「801 D4 Signature」などと同様に、先進的なデザインとホール・パターンの採用で剛性と開口率のバランスを最適化。加えて、バイパス・コンデンサーの基板上レイアウトの改善、「804 D4」に匹敵するサイズと線径を実現したLF用の新型空芯コイルを導入するなど、細部にまで高音質化が図られている。
700 S3 Signatureシリーズはホームでの音楽再生において最良を追求したスピーカーだが、最上位シリーズのストイックな原音尊重のサウンドが見え隠れする。やはり血は争えない。BD『John Williams in Tokyo』のDolby Atmosを聴くと、「レイアのテーマ」の弦の美しさは圧巻であり、倍音が豊かでシルキーな光沢があり流麗でみずみずしい。また、金管の歪みなさ、淡い上品な光沢、弦のなめらかさに心奪われる。
映画ソフトでもモニター出自の客観性を発揮。4K UHD BD『バッドボーイズ RIDE OR DIE』では、イマーシブサウンドのオブジェクトにおける動線描写が明瞭で、ブレや滲みがない。ガンアクションの着弾点の描写も正確であり、爆発音が重なっても飽和せずに音場の澄明さが保たれる。セリフの音圧感が不足する場合は、レベルを上げるとバランスが整う。
4K UHD BD『パーフェクト・デイズ』では、石川さゆりの歌がセンターから出音すると、その生々しい肉声感にただただ聴き惚れた。色付きがなく原音に忠実なのが本シリーズの身上であり、映画の劇伴がしなやかで繊細感があるのも魅力だ。SACD『伊福部昭 SF特撮映画の夕べ』のオーケストラを聴くと、一聴して解像力、分解能に優れ、周波数特性がフラットに整っている。弦楽の肌理が細かく、レスポンスが俊敏で、端正な仕上がりだ。
700 S3 Signatureシリーズは最上位 “800 Signature” の技術要素を取り入れ、RUBIKOREシリーズはオーディオジャーナリズムを驚かせた大作「KORE」の成果を盛り込んで誕生した。当然のように今期のアワードでも高く評価され、オーディオ・ビジュアル機器の総合アワード「VGP2025」、そしてオーディオ機器のトレンドモデルを占う「オーディオ銘機賞2025」を席巻した。
Hi-Fiオーディオとしてのクオリティだけでなく、ホームシアターの構築まで視野に入れながら、上位機種に迫る高音質を実現していることが、両アワードの受賞結果に繋がったと言える。
ブリティッシュモニター最前線のB&Wに対して、北欧サウンドをモダナイズしたDALI。どちらも優れたスピーカーであることは折り紙付きだが、サラウンドシステムとしてのパフォーマンスはどのような違いがあるのか。単体で聴いていたときに隠れていた個性と素顔が、映画や音楽ライブの再生で現れてくる。本稿では、B&Wの700 S3 SignatureとDALIのRUBIKOREで、マルチチャンネルシステムでの音質をチェック。AVアンプはデノンの超弩級・フラグシップモデル「AVC-A1H」を組み合わせた。
■700 S3 Signature、ファインチューニングで最大限に音質を向上
本シリーズは、言わずもがな “700 S3” をベースとしており、コストを惜しまないファインチューニングの積み上げで、最大限の音質向上を実現したシリーズ。25mm デカップリング・カーボンドーム・トゥイーターを全ラインナップに搭載し、フロア型「702 S3 Signature」には150mm、センタースピーカー「HTM71 S3 Signature」には130mmの「コンティニュアム・コーン・FSTミッドレンジ」、ブックシェルフ型「705 S3 Signature」には165mm 「コンティニュアム・コーン・バス/ミッドレンジ」を採用している。
ウーファーは「エアロフォイル・プロファイル・バス」が導入されており、フロア型が165mmを3基、センタースピーカーが130mm×2基の構成となっている。ネットワーク回路にはハイ/ミッド/ロー用に新型コンデンサーを搭載。また、ミッド/ウーファー用に新型ダンパー、導電性に優れた真鍮製ターミナルも採用する。
700 S3 Signatureシリーズならではの特徴が、トゥイーター・グリルメッシュを「801 D4 Signature」などと同様に、先進的なデザインとホール・パターンの採用で剛性と開口率のバランスを最適化。加えて、バイパス・コンデンサーの基板上レイアウトの改善、「804 D4」に匹敵するサイズと線径を実現したLF用の新型空芯コイルを導入するなど、細部にまで高音質化が図られている。
「色付きなく原音に忠実、映画の伴奏はしなやかで繊細」
700 S3 Signatureシリーズはホームでの音楽再生において最良を追求したスピーカーだが、最上位シリーズのストイックな原音尊重のサウンドが見え隠れする。やはり血は争えない。BD『John Williams in Tokyo』のDolby Atmosを聴くと、「レイアのテーマ」の弦の美しさは圧巻であり、倍音が豊かでシルキーな光沢があり流麗でみずみずしい。また、金管の歪みなさ、淡い上品な光沢、弦のなめらかさに心奪われる。
映画ソフトでもモニター出自の客観性を発揮。4K UHD BD『バッドボーイズ RIDE OR DIE』では、イマーシブサウンドのオブジェクトにおける動線描写が明瞭で、ブレや滲みがない。ガンアクションの着弾点の描写も正確であり、爆発音が重なっても飽和せずに音場の澄明さが保たれる。セリフの音圧感が不足する場合は、レベルを上げるとバランスが整う。
4K UHD BD『パーフェクト・デイズ』では、石川さゆりの歌がセンターから出音すると、その生々しい肉声感にただただ聴き惚れた。色付きがなく原音に忠実なのが本シリーズの身上であり、映画の劇伴がしなやかで繊細感があるのも魅力だ。SACD『伊福部昭 SF特撮映画の夕べ』のオーケストラを聴くと、一聴して解像力、分解能に優れ、周波数特性がフラットに整っている。弦楽の肌理が細かく、レスポンスが俊敏で、端正な仕上がりだ。