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公開日 2017/07/20 10:00
CDプレーヤー「102」との使用を想定

【製品批評】Burmester「101 Integrated Amplifier」 ー アナログ電源でクラスDアンプの音質をさらに昇華

角田郁雄



プリメインアンプ
Burmester
101 Integrated Amplifier
¥1,200,000(税別)



ドイツのブルメスターは、1978年に創業を開始したブランドだ。毎年新しいモデルを発売するのではなく、デザインを変えずに、静かに技術を昇華させ、実に息の長いモデルを製作している。ブリリアントなフロントパネルやアルミボディの美しい切削模様は手作業によるもので、内部基盤も自社製。全てが受注製品のように、ていねいにハンドメイドされている。

今回は、そのモデルラインの中から、コンパクトで美しいデザインのプリメインアンプ「Burmester 101」を紹介しよう。

このモデルは、洗練されたオーディオを求める方にふさわしいアンプである。本機の上にCDプレーヤー「Burmester 102」を重ねると、ブルメスター・ブランドの素敵なCDプレイバックシステムが完結する。選りすぐりのスピーカーとともにリビングでも映えることだろう。

本機とベストマッチなCDプレーヤー「102」

このアンプの大きな特徴は、クラスDの出力段を備え120W/4Ωを発生することだ。入力信号から全段バランス伝送で、高音質パーツを使った美しい回路基板を搭載する。まず、入力されたアナログ信号は、ダイナミックレンジとS/Nを向上するために初段増幅され、その後、音量調整機を経由する。

ここではアナログボリュームを使っているが、信号はボリュームの抵抗素子を通過せず、ドライバー段のゲインを可変して音量調整を行っている。これはS/Nと音質の劣化を防ぐためだ。その後、増幅された信号は、クラスD増幅素子を1chあたり2式(両chで4式)使った、シールドされたパワーブロックで最終増幅され、スピーカーをドライブする。

バランス(XLR)入力が3系統、アンバランス(RCA)が2系統のほか、大型のスピーカーターミナルを備えている

特筆すべきは、電源部だ。独自に製作したトロイダルトランスは振動を抑えたケースに収容され、6,800μF/63Vの平滑コンデンサーを8個使用し、ハイスピード電源を構成している。これは、クラスD出力段に大きく貢献する。

その音とドライブ力を今回、「TAD-ME1」(インピーダンス4Ω)で試したが、まさにサイズを超えたマッシブな音であった。ほんのわずかに、ウォームな質感を感じさせ、中低域は高密度で、曲によっては、どっしりとした厚みを披露する。

「スムース」というモードが使え、弱音では繊細で柔らかな質感を感じる。こうした音は、同社のパワーアンプ「911 Mk3」などを彷彿とさせる。従って、どんなジャンルの曲を再生してもアナログレコードのような、豊かな倍音を伴って再現する。

さらに特筆すべき点は、壮大なヴェルディーのレクイエムやマーラーの交響曲、あるいは、私の好むヘルゲ・リエン・トリオなどレンジ感に溢れた曲を再生した時に、高速レスポンスで、ダイナミックにスピーカーをドライブすることだ。

(角田郁雄)

Specifications
 ●形式:クラスDインテグレーテッドアンプ ●入力:バランス(XLR)×3、アンバランス(RCA)×2系統 ●入力インピーダンス:16.4kΩ(バランス)、8.2kΩ(RCA) ●出力系統:スピーカー×1、バランス・プリアウト(XLR)×1、φ6.3ヘッドホン×1 ●最大出力:120W(4Ω)×2 ●周波数特性:5Hz〜60kHz(-3dB) ●S/N:92dB以上 ●全高調波歪率:0.015%以下 ●ダンピングファクター:250以上 ●ゲイン:ヴァリアブル・ゲインコントロール ●消費電力:480W(最大)、1W以下(待機時) ●外形寸法:482W×93H×350Dmm ●質量:12kg ●取り扱い:(株)ノア


※本記事は「季刊オーディオアクセサリー」164号所収記事の一部を抜粋したものです。くわしいレビューは雑誌でご覧頂けます。購入はこちらから

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