公開日 2017/10/25 12:27
音質を追求したネットワークプレーヤーをさらに強化
エソテリック「N-05」にマスタークロック「G-02X」を組み合わせて、その真価を引き出す
山之内 正
2015年秋に開発を発表し、昨年4月に発売されて以降、国産ハイエンドブランドによる信頼のおけるネットワークプレーヤーとして高い人気を集めるエソテリックの「N-05」。サウンドはもちろん、専用アプリの「ESOTERIC SoundStream」による快適な操作感など、その完成度の高さは同社の名に恥じぬものだ。本機には実にエソテリックらしい魅力的な機能がある。それは外部クロック入力へ対応している点である。今回は同社の「G-02X」をペアリングし、国産ブランドの機器では数少ないクロックによるアップグレードを可能としているN-05の「真価」とも言うべきサウンドをレビューする。
■単体でも高いポテンシャルは、クロックでさらなるレベルへ
ネットワークプレーヤーを選ぶ決め手は“音質”と“使い勝手”の2つが重要だ。他の機器では音質が一番重要だが、ネットオーディオでは使い勝手にも同じぐらいの重心を置きたい。興味の向くまま自在に曲を選んだり、曲間の途切れなどを心配せずスムーズな再生を楽しむには、本体と操作アプリの完成度が問われる。ネットオーディオが普及し始めた頃に比べると改善が進んでいるとはいえ、今も使い勝手に課題のある製品は少なくないからだ。
そんな中、音質と使い勝手の両方で平均値のはるか上を目指したのがエソテリックの「N-05で」ある。ハイエンド専門の国内ブランドによる初のネットワークプレーヤー製品だけに、普及クラスとは一線を画すこだわりの設計を貫き、DAC回路の構成やノイズ対策にも妥協はない。使い勝手についても、完成度の高い操作アプリ「ESOTERICSoundStream」を用意して未踏の領域に到達した。
その真摯な作り込みが評価され、発表から一年以上が過ぎた今もN-05は一目置かれる存在だが、この製品には経験を積んだ上級ユーザーにもぜひ注目して欲しいポイントがある。それが外部クロックへの対応とTIDALのサポートの2つの点だ。後者はまだ国内未導入なため、今回は前者に焦点を合わせて一歩踏み込んだ使いこなしを紹介することにしよう。
N-05は高精度な低雑音クロック回路を内蔵しているため、単体で使用した時の再生音も水準が高い。特に、立ち上がりが俊敏な低音、密度が高く芯のある中高音が鮮やかな対比を示し、ジャンルを問わず躍動感豊かなサウンドを引き出すことに特徴がある。
クレア・マーティンは声の中低音域が痩せず、ボディ感豊かなヴォーカルを表情豊かに聴かせる。イ・ソリスティ・ディ・ペルージャのヴィヴァルディは稠密な音色で独奏ヴァイオリンを際立たせると同時に、低音パートを構成するオルガンと低弦の音色の違いを精密に描き分けてみせた。
アナログマスターからおよそ30年の時を経てハイレゾ化された『ジャズ・アット・ザ・ポーンショップ』を聴くと、ヴィブラフォンやサックスのリアリティが非常に高く、ワンポイントステレオマイクならではの立体的なサウンドステージなど、この録音の特徴である並外れた臨場感を実感。ベース、ドラム、ピアノが刻むリズムが緩まず、軽快だがテンションを確実に保っていることにも注目したい。
■単体でも高いポテンシャルは、クロックでさらなるレベルへ
ネットワークプレーヤーを選ぶ決め手は“音質”と“使い勝手”の2つが重要だ。他の機器では音質が一番重要だが、ネットオーディオでは使い勝手にも同じぐらいの重心を置きたい。興味の向くまま自在に曲を選んだり、曲間の途切れなどを心配せずスムーズな再生を楽しむには、本体と操作アプリの完成度が問われる。ネットオーディオが普及し始めた頃に比べると改善が進んでいるとはいえ、今も使い勝手に課題のある製品は少なくないからだ。
そんな中、音質と使い勝手の両方で平均値のはるか上を目指したのがエソテリックの「N-05で」ある。ハイエンド専門の国内ブランドによる初のネットワークプレーヤー製品だけに、普及クラスとは一線を画すこだわりの設計を貫き、DAC回路の構成やノイズ対策にも妥協はない。使い勝手についても、完成度の高い操作アプリ「ESOTERICSoundStream」を用意して未踏の領域に到達した。
その真摯な作り込みが評価され、発表から一年以上が過ぎた今もN-05は一目置かれる存在だが、この製品には経験を積んだ上級ユーザーにもぜひ注目して欲しいポイントがある。それが外部クロックへの対応とTIDALのサポートの2つの点だ。後者はまだ国内未導入なため、今回は前者に焦点を合わせて一歩踏み込んだ使いこなしを紹介することにしよう。
N-05は高精度な低雑音クロック回路を内蔵しているため、単体で使用した時の再生音も水準が高い。特に、立ち上がりが俊敏な低音、密度が高く芯のある中高音が鮮やかな対比を示し、ジャンルを問わず躍動感豊かなサウンドを引き出すことに特徴がある。
クレア・マーティンは声の中低音域が痩せず、ボディ感豊かなヴォーカルを表情豊かに聴かせる。イ・ソリスティ・ディ・ペルージャのヴィヴァルディは稠密な音色で独奏ヴァイオリンを際立たせると同時に、低音パートを構成するオルガンと低弦の音色の違いを精密に描き分けてみせた。
アナログマスターからおよそ30年の時を経てハイレゾ化された『ジャズ・アット・ザ・ポーンショップ』を聴くと、ヴィブラフォンやサックスのリアリティが非常に高く、ワンポイントステレオマイクならではの立体的なサウンドステージなど、この録音の特徴である並外れた臨場感を実感。ベース、ドラム、ピアノが刻むリズムが緩まず、軽快だがテンションを確実に保っていることにも注目したい。